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最高時速140kmで飛行するドローン「DJI FPV」

モーションコントローラーを採用 ヘッドマウントプレイでの飛行制御も

DJIは3月2日、時速140kmの高速飛行に対応したドローン「DJI FPV」を発売した。同社オンラインストアでの販売価格は、後述のDJI FPVゴーグル V2などを同梱する「DJI FPVコンボ」が15万4,000円(税込)。

最高飛行速度は140km/h

マニュアル操縦時に最高140km/hの高速飛行に対応するドローン。

また、推進力や耐風性に優れるというボディには航空力学に基づいた設計を採用。さらに、ジンバルカメラやランディングギア、トップシェルなどにモジュラー設計を採用することで、ドローン初心者であっても簡単に飛行状態まで組み立てることが可能としたほか、各パーツの交換性やメンテナンス性も向上しているという。

四方に配されているプロペラは3枚羽根を採用している
カメラ部
トップシェル

飛行モードはN、S、Mの3モードを切り替えて操縦することが可能となっている。

Mモードは、その名のとおりフルマニュアルでの操作となり、最高時速140kmの飛行速度を引き出すことが可能となっている。100km/hの到達時間は約2秒だという。

Nモードは主に初心者向けとする飛行モードで、障害物検知といった飛行制御が組み込まれている。

Sモードは、従来の飛行制御にマニュアル操作の自由度がプラスされた飛行モード。簡単かつ直感的にスピード感あふれる飛行やダイナミックな映像が楽しめるとしており、NモードとMモードのハイブリッドという位置づけとなっている。

なお、NモードおよびSモードでは飛行速度がある程度制限されている。各モードの最高飛行速度はNモードが最高54km/h、Sモードは最高97km/hとなっている。飛行速度の制限がある代わりに、両モードでは姿勢制御を含めた機体操縦補助が常に働くといった利点がある。

上昇および下降速度はMモードでは無制限となっている。NおよびSモードでは速度に制限がかけられており、それぞれの速度は、Nモードが上昇8m/s・下降5m/s、Sモードは上昇15m/s・下降10m/sとなっている。

このほか、安全飛行に関する機能「緊急ブレーキ&ホバリング機能」も搭載している。これは、飛行モードおよび飛行速度に関わらず、送信機側の所定のボタンを押すだけで、機体を数秒以内に停止させて、その場でホバリングさせることができるというもの。

飛行イメージ

撮影性能

カメラ部は、1/2.3型、約1,200万画素のCMOSセンサー採用。35mm判換算で14.66mm相当となる固定焦点レンズを搭載している。絞りはF2.8固定で、最短撮影距離は0.6m。ジンバル機能を備えており、-50度〜58度の範囲でチルト操作が可能となっている。

シャッタースピードは1/50〜1/8,000秒が使用可能で、設定可能なISO感度範囲はISO 100〜12800まで。

動画は、最大で4K 60fps記録(最大ビットレートは120Mbps)に対応しており、記録フォーマットはMP4およびMOV形式が選べる。このほか、4倍のスローモーション撮影などにも対応している。

このほか、ダイナミックな飛行でも滑らかな映像撮影が可能だというブレ補正のRockSteady機能も搭載している。

コントローラー・伝送システム

伝送システムには「DJI O3」(OcuSync 3.0)を搭載。28ms以下の伝送遅延と最大50Mbpsのビットレートで、HD動画を最大で10kmの範囲で伝送できるとしている。

また、コントローラー(送信機)も刷新されている。従来のドローンでもなじみ深いパッド形状のコントローラーのほか、手の動きで直感操作が可能だというグリップ形状のコントローラー「DJI モーションコントローラ」(別売)も用意。それぞれユーザーニーズにあわせた機体コントロールが選択可能となっている。

このほか、新しい操作体系となるゴーグル形状のディスプレイ「DJI FPV Goggles V2」(約420g)と組み合わせた制御方法の採用により、没入感の高い飛行制御を実現している。

画面リフレッシュレートは144Hz。バッテリー駆動式となっており、約110分の運用が可能(バッテリー容量は1,800mAh)となっている。

また、ゴーグル側にもmicroSDカードスロットが用意されており、MP4による映像記録に対応している。

このほか別途ゴーグルを用意することで、操縦者以外にドローンのみている映像を共有してもらうことができる「オーディエンスモード」も搭載している。

このほか、DJI FPV ゴーグル V2を利用したシミュレーター「DJI Virtual Flightアプリ」も搭載。実際にドローンを飛ばすことをせずに、高速飛行の方法や制御の練習ができるようになっている。

なお、国内では屋外でゴーグルを使用したFPV(First Person View)飛行をおこなう場合、航空法の定める「承認が必要となる飛行の方法」中の「目視外飛行」に該当することになるため、航空局長の承認および国土交通省への承認申請をする必要があるとして、同社は注意を促している。

その他機体スペック

外形寸法

プロペラあり:255×312×127mm
プロペラなし:178×232×127mm

離陸重量

約795g

記録メディア

microSDカード(最大256GB)

バッテリー

2,000mAh

運用限界高度(海抜)

6,000m

最大飛行時間

20分(無風で40km/hの速度で飛行時に測定)

最大ホバリング時間

約16分(無風環境下で飛行時に測定)

最大飛行距離

16.8km(無風環境下で飛行時に測定)

最大風圧抵抗

39〜49km/h

動作環境温度

-10~40度

検知システム

前方

高精度測定範囲(0.5~18m)
障害物検知(Nモードでのみ利用可能FOV:水平方向56度、垂直方向71度)

下方(デュアルビジョンセンサー+TOF)

TOF有効検知高度:10m
ホバリング範囲:0.5〜15m
ビジョンセンサーホバリング範囲:0.5~30m

下方補助ライト

シングルLED

本誌:宮澤孝周