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ニコン、Fマウント大口径望遠ズーム「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」を正式発表
スポーツ撮影を想定 色滲みを抑える「SRレンズ」採用
2020年1月7日 11:03
ニコンは、Fマウントレンズ「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」を2月に発売する。希望小売価格は税別126万7,000円。2019年9月に次期フラッグシップ一眼レフカメラの「D6」とともに開発発表していた製品で、その詳細が明らかになった。
プロのスポーツフォトグラファーが使用することを想定した大口径望遠ズームレンズ。特に室内競技で「70-200mm F2.8」と「300mm F2.8」の2本体制をとるユーザーに対し、レンズ1本で120mmから300mmの領域をカバーできるメリットで訴求する。2倍テレコンバーターを装着してもF5.6と明るい点もアピールしている。
製品名に見られる"SR"とは「Short-wavelength Refractive」の略で、短波長の光を大きく屈折させることで色収差補正を助ける特殊高分散ガラスのこと。ニコン独自開発で、ニコングループ会社が生産している。これにより短波長(青い光)の結像位置が赤色・緑色の光と近くなり色滲みを抑えやすくなる。また、SRレンズは通常の光学ガラスと同様に使用できるため、レンズ構成の自由度が高まることからレンズ本体の小型軽量化にも寄与するという。
青色光を大きく屈折させて色滲みを抑えるという点では、キヤノンが一部の最新単焦点レンズに採用するBRレンズ(BR光学素子を含む複合レンズ。BR=Blue Spectrum Refractive)と同様のアプローチと見られる。
AF性能は"望遠単焦点レンズクラス"としており、内蔵する手ブレ補正機構の効果はシャッタースピード4.0段分。ファインダー像を安定させる「SPORT」モードも別途備える。フォーカスリミットはFULL(∞〜2m)と∞〜6mの2モード。
レンズ構成は19群25枚(EDレンズ1枚、蛍石レンズ2枚、SRレンズ1枚を含む)。反射防止のナノクリスタルコート、アルネオコートを施し、レンズ最前面には汚れを拭き取りやすくするフッ素コートを採用した。最短撮影距離はズーム全域で2.0m。
絞り羽根は9枚。最小絞りはF22。フィルターは後部のドロップイン式ではなく、フロント部分に112mm径(ネジピッチ1mm)のねじ込み式フィルターを装着する。
最大径×全長は約128×303.5mm。重量は約3,250g。