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Adobe Lightroom Classicがアップデート HDR結合のバッチ処理など追加

PNGでの書き出しも可能に

Adobe Lightroom Classic CC

「Adobe Lightroom Classic CC」のアップデートが8月20日に発表された。PNG形式での書き出しが可能になった他、HDRやパノラマ結合に対するバッチ処理が追加されている。

Lightroom Classic CCは、アドビが提供するデジタルフォトツール。RAW現像、画像処理、プリント、Webサービスへのアップロードなど、デジタル画像に関する様々な機能を網羅したアプリだ。デスクトップ(PC)、モバイル(スマートフォン)、Web(ブラウザ)の各プラットフォームごとにリリースされている。

Lightroom Classic CC 2019年8月のアップデート

GPU活用の強化

これまでも編集にGPUを利用していたLightroom Classicだが、このアップデートでさらに高速なGPUの機能を活用できるようになった。4K以上の解像度のモニターおよび高性能なGPUという環境で、変化を顕著に感じられるという。

※Adobe Camera Rawでも同様のアップデートが用意されている。

PNGでの書き出しが可能に

従来のLightroom Classicでは、写真を書き出す際、JPEG、PSD、TIFF、DNGの各形式に変換できた。一方PNGについては、カタログへのインポートは可能だったが、書き出しには対応していなかった。

今回のアップデートにより、ついにPNGの書き出しに対応。PNGは可逆圧縮にしては軽く、現在Webで盛んに利用されている。PNGを生成できるようになったことで、Lightroom Classicの利用範囲が広がることだろう。

※Adobe Camera Rawでも同様のアップデートが用意されている。

ライブラリモジュールの強化

ライブラリのフォルダーをブラウズする際のパフォーマンスが向上したという。

コレクションへのカラーラベルの割り当て

これまでLightroom Classicでは、写真それぞれに対して赤・黄・緑・青・紫・白・グレーのカラーラベルを付与できた。

アップデート後はコレクション(任意の写真をまとめたもの)や、スマートコレクション(一定の条件で自動収集される写真をまとめたもの)に対しても、カラーラベルが適用可能になった。

これからはジャンルごとにカラーラベルを割り当てるなど、効率の良いコレクション管理が可能になりそうだ。

バッチ結合

HDRやパノラマの制作ため写真を結合する際、複数の結合作業をまとめて行うバッチ処理ができるようになった。指定した複数の結合処理が連続的に続くため、それぞれの処理が終わるのを待つ必要がない。

HDRで作品を制作する場合、その場で撮影したほぼすべてのカットが露出ブラケットでの撮影になる。バッチ処理を用いればそれらをまとめて結合してくれるため、カットが多ければ多いほど効率化が期待できそうだ。

Lightroom全体のアップデート

その他、Classicを含むLightroomシリーズ全体に「削除済み」フォルダーが追加。60日以内なら、誤って削除した写真を復元できる。

iOS版、Android版、ChromeOS版Lightroomについては、検索バーに自動補完検索ツールが追加された。検索バーに「レンズ焦点距離:」「種類:」「深度マップ:」と入力することで、利用可能なオプションが表示される。

Android版、ChromeOS版のLightroomには、複数の写真に対してメタデータを一括して変更する機能が加わった。iOS版は間も無く対応するという。

本誌:折本幸治