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Adobe Lightroomに新しい編集コントロール機能

テクスチャー、フリンジ除去など バッチ編集も

Lightroom Classic CC(Mac版)

アドビは5月15日、Lightroom Classic CC、Lightroom CC、Camera Rawのそれぞれについて、アップデートプログラムの提供を開始した。アップデート内容は新しい編集コントロール機能(テクスチャ―、フリンジ除去、バッチ編集、フラットフィールド補正)の追加とチュートリアル式の学習機能の追加。対象OSとプログラムは各機能によって異なる。

テクスチャ―

対象プログラム

LightroomとLightroom ClassicおよびCamera Raw(Mac版、Windows版、iOS版、Android版、ChromeOS版)

追加される機能

肌の肌理(きめ)、樹皮、頭髪などのディテールを際立たせたり、平滑化できるようになる。

適用値は±100。左が-100で、右が+100にした状態。柱の木目の滑らかさが変化している。

アドビによると「中精細度のディテールのみを抜き出して処理する」ことによってノイズの発生やボケに影響を与えずにスムーズな肌表現や樹皮などのディテールを強調できるという。

注意点

この機能は「明瞭度」や「かすみの除去」といった他のツールと併用しても、その効果を発揮するという。

フリンジ除去

対象プログラム

Lightroom(Mac版およびWindows版)

追加される機能

レンズの色収差に起因するパープルやグリーンの色の縁取り(フリンジ)を除去することができる。「レンズ」セクションに追加された。

操作方法

該当する領域上でスポイトツールを使ってフリンジの色相をサンプルして、写真全体にわたる処理の色相を範囲に設定したうえで実行する。

注意点

アドビでは効果適用前に「色収差を除去」チェックボックスをオンにすることを推奨しており、それでも色の収差が目立つ場合に、この機能の適用を勧めている。

バッチ編集

対象プログラム

Lightroom(Android版)

追加される機能

あるイメージに適用した編集設定値を、他の複数のイメージにコピー&ペーストすることが可能になる。

操作方法

設定をコピーしたい写真を特定し、スクリーン右上の三点メニューから「設定をコピー」コマンドを選択。そしてグリッド表示に移行し、長押しして選択モードに切り替える。最後に、設定をコピーしたい対象の写真を選択し、右上の三点メニューを展開して「設定をペースト」コマンドを選択。Lightroomが選択されている写真すべてに編集設定を適用する。

フラットフィールド補正

対象プログラム

Lightroom Classic

追加される機能

センサーおよびレンズの特性に起因する非対称のカラーキャスト(望ましくない色調の偏り、色かぶり)を除去する機能。

これまでプラグインとして提供されていたが、このアップデートによりライブラリモジュールに組み込まれた。

操作方法

通常の対象の撮影に用いたものと同一の照明およびレンズ絞り設定を使い、均一に照明が当てられた反射性をもつ平面をキャリブレーション用に撮影し、Lightroom Classicに撮影済み写真をインポートして、キャリブレーション用を含めた写真をすべて選択したのちに「ライブラリ」から「フラットフィールド補正」メニューコマンドを選択する。

チュートリアル・作例写真表示

対象プログラム

Lightroom(iOS版およびAndroid版)
※Mac/Windows版でも近日中に対応が予定されていることがアナウンスされている。

追加される機能

操作方法などの習得をアシストするチュートリアルと作例写真の表示機能が追加される。

内容

プログラムを利用しているデバイス上にチュートリアルが表示され、そのチュートリアルから直接写真にアクセスして個々の編集タスクをステップバイステップでガイドしてもらうことができる。

内容は「食べ物の写真を美しく彩る」や、「秋のポートレートを作成」、「白黒のテクスチャを強調」など、具体的なシーンに即したものがある。

操作時はインストラクターにより設定されたガイドに従って進行していく形式となっており、都度、作例写真に対して規定の調整を施すことでラーニングプログラムが進行する。

操作方法は、操作スライダー上に表示されるため、調整の目的と調整によって何が変化するのかがわかりやすく説明されている。

Lightroom(Android版)

アドビによると、このコンテンツではマット クロスコウスキ氏(Matt Kloskowski)、カトリン アイスマン氏(Katrin Eismann)、クリスティーナ シャーク氏(Kristina Sherk)、ニコール ヤン氏(Nicole Young)などに作例写真とともチュートリアルを提供してもらったとしており、今後も毎日新しいものが追加されていくとしている。

本誌:宮澤孝周