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大会史上初、写真甲子園2019は和歌山県立神島高等学校が3連覇
準優勝は沖縄県立浦添工業高等学校に
2019年8月2日 22:24
北海道東川町で開催されていた「写真甲子園2019」(第26回全国高等学校写真選手権大会)の本戦が8月3日に閉幕した。近畿ブロック代表の和歌山県立神島高等学校(和歌山県)が優勝した。同校の優勝は今年で連続3回目となる。
全国高校写真部などのグループが3人1組となり、各日程で設定されたテーマに沿ってカラーまたはモノクロの組写真で競う大会。
2019年大会は、500校が初戦にエントリー。地区ごとの審査を経て本戦に出場する18校が決定した。7月31日から8月3日にかけて、北海道東川町を中心に決勝戦がおこなわれた。
撮影テーマ
大会ファーストステージ(7月31日)のテーマは「共存」。カラー写真に撮影条件が限られる。セカンドステージ(8月1日)はモノクロ。テーマは「いとなみ」だ。
ファイナルステージのテーマは「北海道のいい人、いいところ」。カラーとモノクロの指定はなく、各校の判断で作品を提出できるルールだ。
撮影条件
7月31日から8月1日にかけて実施された本戦での撮影では、全校が同じ条件(撮影場所、使用するカメラ機材)で撮影をおこなう。ファーストステージとセカンドステージの各日は、2つの場所で撮影があり2度にわけて作品を提出する。最終日のファイナルステージは、1つの地域が舞台となる。
これらの提出作品から、8枚の写真をセレクトし、各日設けられたテーマに沿った組写真に仕上げていく。その作品を公開審査会の場で作品制作のヒントやアドバイスをもらい、翌日以降の撮影・制作にあたっていくことになる。
つまり、“撮影→セレクト→組写真→講評”という流れで3日間を競いあい、その年の優勝校が決まるという進行になる。
今大会では、立木義浩氏(審査委員長・写真家)、長倉洋海氏(写真家)、鶴巻育子氏(写真家)、公文健太郎氏(写真家)、小髙美穂氏(フォトキュレーター)、野勢英樹氏(北海道新聞社)が審査を務めた。
優勝したのは
2019年大会の優勝校は和歌山県立神島高等学校(近畿ブロック/和歌山県)に決まった。
主将を務めた宮﨑美奈さん(3年)は、先輩たちが2連覇していたこともありプレッシャーを抱え、緊張していたと振り返る。優勝が発表された瞬間は「ホッ」としたという宮崎さん。緊張から解き放たれたからだろう、笑顔を見せた。
優勝をうけて、岡﨑ひなたさん(2年)は「最初、実感がわかなくて……」と話す。それでも壇上に上がったときに、嬉しさを感じたと、こちらも笑顔を見せた。
伏見凛音さん(2年)は、表彰式の前に監督が「どうかな」と言っていたことに緊張していたが、優勝が決まって「だいぶほっとした」と話す。
全体をふりかえり、宮﨑さんは「リーダーシップをとらなあかんなと思っていて、途中で失敗(※編集部注:2日目に機能設定を誤ってレギュレーション違反にあたるRAWで撮影してしまっていた。この場合撮影した作品は無効となる)したから、だめかなと思っていたけれど、(優勝が決まって)すごくうれしいです」とコメント。メンバーからも大会出場前から練習時にアドバイスをくれたりなど、頼れる先輩だったと振り返る場面も。
公開審査では初日から選考委員の高い評価を得ていた同校。あまり作品について指導がなかったことに対して、「もっと言われると思っていた」と宮崎さん。逆に気合を入れないと、と思ったと振り返りつつ、最終日は4時半に出発して撮影を行っていたと、3日間の連戦を振り返りつつ優勝の喜びを顔に浮かべた。
準優勝
沖縄県立浦添工業高等学校(九州・沖縄ブロック/沖縄県)
優秀賞
東川町長賞
北海道岩見沢高等養護学校(北海道ブロック/北海道)
美瑛町長賞
出雲北陵高等学校(中国ブロック/島根県)
上富良野町長賞
新島学園高等学校(北関東ブロック/群馬県)
東神楽町長賞
帝塚山学院高等学校(近畿ブロック/大阪府)
旭川市長賞
栃木県立足利工業高等学校(北関東ブロック/栃木県)
特別賞
町民が選ぶ特別賞、選手が選ぶ特別賞がある。
町民が選ぶ特別賞
ファーストステージ:和歌山県立神島高等学校(近畿ブロック/和歌山県)
セカンドステージ:新島学園高等学校(北関東ブロック/群馬県)
ファイナルステージ:出雲北陵高等学校(中国ブロック/島根県)
選手が選ぶ特別賞
新島学園高等学校(北関東ブロック・群馬県)
キヤノンスピリット賞
“高校生らしく既存概念にとらわれない”とりくみに対して贈られる賞。
受賞者名:儀間梨々香(いまりりか)さん
所属校名:沖縄県立浦添工業高等学校/九州・沖縄ブロック・沖縄県