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シグマの超小型フルサイズミラーレス機「fp」速報

試作モデルの外観写真を掲載

シグマは7月11日に開催した新製品発表会で、新コンセプトの35mmフルサイズセンサー搭載機「fp」を開発発表した。今秋発売予定。

スマートフォン、レンズ交換式カメラ、シネマカメラといったカメラのカテゴリを解体・再構築し"カメラの脱構築"を掲げる新コンセプトのカメラ。"ポケッタブルフルフレーム"を謳う。

パスポートに隠れるほどのサイズに驚きの声が上がった。
手に持ったところ。
装着レンズは同時発表の45mm F2.8 DG DN | C。

fpの製品名は、音楽用語のフォルテッシモとピアニッシモの頭文字に由来。ポケッタブルな小ささから本格的なシネマ撮影システムまでを組める多様性を込めた。

搭載する撮像素子は、35mmフルサイズ相当の有効2,460万画素ローパスフィルターレス。シグマのデジタルカメラで初めてベイヤー配列のカラーフィルターを持つイメージセンサーを採用した。同社としては静止画の画質においてはFoveonセンサーが最良の選択という認識で変わらないが、この新コンセプトの機種にはベイヤーセンサーが最適と説明した。

採用する裏面照射型センサーの感度はISO 100-25600。拡張ではISO 6-102400相当まで選択可能。登壇したシグマの山木和人社長は、この最高ISO 102400相当というFoveonでは苦手とされていた高感度領域に触れ「Foveonユーザーのみなさん、ISO 800じゃないですよ。1600でもないですよ!」と強調した。

シグマの山木和人社長。fpを手に

レンズマウントはLマウント。AFはコントラスト検出方式。マウントアダプターの併用により、ライカMマウントの小さなレンズを組み合わせるなどの提案もあった。

Lマウントを採用。

シャッターは電子シャッターのみ。原理的にローリングシャッター歪みは避けられないそうだが、多くの場面で問題がないという。ミラーレス機のトレンドである瞳AF機能も備える。

また、本体上面のスイッチでシームレスに静止画と動画のモードを切り換えられるのも特徴。Cinema DNGの4K UHD撮影(外部レコーダー)記録が可能で、本格的シネマカメラとしての性格もあるという。本体背面にヒートシンクを設け、長時間撮影も想定した。

dpシリーズにあったLCDビューファインダーが用意され、外付けEVFの設定はない。外部ストロボの使用もアダプター経由となる。Wi-Fi/Bluetoothといった通信機能も持たない。これはカメラのコンセプト明確にするため、ミニマムの状態からアクセサリーで広げていく方針。

クリップオンストロボの装着例。

なおシグマは、fp本体の3D設計データをWebで公開予定。多くのアクセサリーメーカーに数多くのアクセサリーを開発してもらうことで「無限の可能性をユーザーに提供してほしい」と呼びかけた。

試作機の外観をチェック

発表会場に試作機が展示されていたため、その外観を紹介する。試作機だが、ハードウェアは製品版と変わりがないという。

本体上面。静止画/動画の切り替えスイッチがある。
記録メディアはSD。バッテリーはdp Quattro系と同じBP-51。
ストラップ環を外すと三脚ネジになっており、ここに外付けグリップを取り付けるなど、外部アクセサリーとの組み合わせに使える。
グリップやLCDビューファインダーを装着したところ。

本誌:鈴木誠