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富士フイルム、写真とともに音声を贈れるチェキ「instax mini LiPlay」
堀田茜さん、谷まりあさんが魅力を語る
2019年6月12日 19:02
音声記録との連動と本体の小型化を達成
新しく発表されたinstax mini LiPlayは、撮ったその場ですぐにプリントが楽しめるインスタントカメラ“instax”シリーズの最新モデルだ。発売日は6月21日で価格はオープン。店頭予想価格は1万7,500円前後となる見込みだという。
本製品は35mm判換算28mm相当の焦点距離のレンズ(開放F値F2.0)と1/5型のCMOSセンサーを組み合わせたデジタルカメラにinstaxフィルムプリンターが合体したモデル。2018年に発売された「instax SQUARE SQ20」と同じく、デジタルカメラ機能とinstaxフィルムのプリント機能が一体化したハイブリッドモデルとなっている。
製品は3色で展開される。白を基調としたSTONE WHITE、黒と金のツートーンのELEGANT BLACK、ピンクトーンに梨地のBLUSH GOLDだ。各色で塗装や表面処理を変えており、視覚と触覚面で製品にバリエーションがつけられている。
そして、instax mini LiPlayの大きなトピックスとなっているのが、本体の小型化に加えて音声記録との連動が図られている点だ。
製品の発表にあたり、富士フイルム株式会社イメージング事業部長の岩崎哲也氏からコンセプト詳細が語られた。
小型化とスマホ連携を強化
まずコンパクトにまとめられた本体デザインについて説明があった。本体のサイズは82.5×122.9×36.7mmで、質量は約255g(フィルムパック、記録メディアを含まず)となっている。
実際に手にとってみると、instax miniのフィルムがそのまま大きくなったようなイメージで、コンパクトなボディと握りやすさが両立されているように感じられた。
背面は4ボタン+フィルムパッケージのイジェクトボタンで構成されている。操作は極めてシンプルにまとめられており、メニューボタン、戻るボタン、再生ボタン、プリントボタンとなっている。
岩崎氏は内部設計の見直しを行うことでこのコンパクトサイズを実現した、と説明した。
ボディ外装はカラー以外にも表面処理が異なっている。手に持ったときの手触りや質感に違いをもたせている他にも、メタリックパーツを用いることで高級感も引き出している、と岩崎氏。各カラーでは製品パッケージもそれぞれのカラーにあわせてつくりこまれており、商品としてのトータルな演出が図られている。
次に挙げられたのが、LCDモニターの搭載だ。SQ20などでも背面に液晶モニターは搭載されているが、本モデルでもこのあたりのインターフェースは共通しており、メニュー操作やライブビュー時のモニターとして使用できるほか、撮影後にプリントしたい画像を選択したり、フレーム効果などを追加することが可能となっている。
スマートフォンとの連携も強く意識されており、スマートフォンをinstax mini LiPlayのリモコンとして利用することもできるという。
フィルムにのせて音声を届ける
岩崎氏は、つづけて“音も撮れる”カメラとしての魅力を語った。その仕組みは、記録した音声をスマートフォン経由でサーバーへアップロードし、プリントにその音声にリンクしたQRコードをつけることで、プリントから記録した音声にアクセスして再生できるようになる、というものだ。富士フイルムでは「サウンド機能」と呼んでいる。
岩崎氏は、写真という視覚表現に加えて製品の触覚で訴求し、さらに聴覚体験もできる、とその特徴をアピールした。
チェキCMでもおなじみの広瀬すずさんから寄せられたメッセージの紹介もあった。
「普通にチェキをプレゼントするだけで喜んでもらえるのに、音声まで入っていたらもっと喜ばれちゃいますね! すごく喜んでもらえると思いますので、メッセージやいろんな音を使って楽しんでください」と、サウンド機能の魅力が紹介された。
発表会場には広瀬さんのメッセージが聞けるQRコードが添えられた写真の展示も。
音を活用したシーンの例として、メッセージを添えたり、波の音を添えたりといった様々な場面が提案されていた。
堀田茜さん・谷まりあさんが実演
撮ってすぐに楽しめるinstaxらしい製品の魅力を紹介する場面もあった。ステージに自身もinstaxの歴代モデルを数多く所有・使用しているという谷まりあさんと、女優・モデルの堀田茜さんが登壇し、実際にinstaxの魅力が語られた。
登壇の挨拶とともに、堀田さんと谷さんから、今回の製品の印象が語られた。
堀田さんは、製品と同日で発売となるショルダーストラップの使い勝手のよさをポイントとして取りあげた。
続けて、谷さんは手元の透明なビニール素材のバッグをとりあげて、製品を単体で入れてもオシャレだと話しながら、コンパクトなサイズで収まりもいい、とその魅力を語った。
続けてinstax mini LiPlayを使って撮影された両名の作品が紹介された。谷さんは駐車禁止のポールの中に入って、「駐車禁止」という音声を添えることで面白さをねらったと話した。堀田さんは、ファッションを撮るのにも向いているのでは、と振り返った。
その場で音声を添えて写真を贈る
続けて、堀田さんと谷さんによる撮影と音声記録の実演がおこなわれた。使用したフィルムは新しく発売となる「CONFETTI」(6月21日発売、店頭予想価格は税別800円前後)だ。このフィルムはフレームに光沢が入り、写真をより鮮やかにみせることができるというタイプだ。
instax mini LiPlayでは対応していないが、スクエアタイプのフィルムにも新製品「Star-illumination」(7月12日発売、店頭予想価格は税別1,250円前後)が登場する。こちらは星を散りばめたようなデザインで、写真をよりスタイリッシュに演出するタイプとのことだ。
新フィルムを使って、堀田さんと谷さんがならんでセルフポートレートを撮影。谷さんがメッセージを記録して、堀田さんへ贈った。この発表会のあと、海外ロケへ発つという2人。一緒にがんばろう、というメッセージが吹き込まれた。
受け取った堀田さんは、「写真をみただけでもうれしくなるのに、音声があると新しい気持ちになれます」とコメント。
本モデルを実際に使用してみて、また音声が記録できるようになったことについて、2人からは次のようなコメントが寄せられた。
「これから夏になってくるので花火大会とかのイベントで思い出として残していきたいですね」(堀田さん)
「チェキのファンとしては、音声がつくことや、ブルートゥースがついたことにびっくり。将来、(自分の)赤ちゃんの声を残すのにも使いたいです」(谷さん)
instax市場の動向
製品発表会開催にあたり、instax事業の現状と今後の見通しが助野健児氏(富士フイルム株式会社代表取締役社長・COO)より語られた。
世界市場におけるInstaxの販売台数は上昇傾向にあり、2018年度は、当初900万台を目標としていた販売台数を1,000万台に上方修正し、結果として1,002万台を達成したと説明した。また、累計での販売台数は4,500万台の実績があるとして、今後もインスタントフォトシステムビジネスで、この日発表となったinstax mini LiPlayを含め新時代にふさわしい製品を打ち出していく、と話した。
会場には歴代のinstaxがずらっと展示されていた。初代モデルの発売は1998年に登場した「instax mini 10」だ。会場の外壁には、歴代モデルとその特徴が記載されたパネル展示もあった。
製品の特徴を説明した岩崎氏はinstaxならではの魅力として、アナログプリントならではの味わいと9秒でプリント像が浮かびあがる即時性は唯一無二のもので、今後もこの“撮ったその場で楽しめる”魅力を堅持し、ユーザーへ付加価値のあるシステムとして広げていきたい、とその展望を語った。
実機を確認
会場には、撮影・プリントのほか、音声記録も可能な状態の実機が展示されていた。以下、撮影から音声記録までの一連の流れを試してみたので、その流れを写真とともにお伝えしていきたい。
撮影したら、前面の音声ボタンを押して、音声を記録する。記録時は、カメラに向かってメッセージを吹き込むだけでいい。記録時間は10秒までだそうだ。
音声を記録したら、画像再生時に「音付きプリント」が選択できるようになる。
あとはQRコードのプリント位置を指定して、プリントボタンを押すだけだ。QRコードの位置は四隅と中央の計5カ所から選択できる。
プリントと同時に音声のアップロードが開始。像が浮かびあがる頃には、アップロードが完了していた。
QRコードはスマートフォンのカメラアプリで認識可能。即座にinstaxページへとび、画像とともに音声が再生される仕組みだ。音声記録時は専用のアプリケーションを立ち上げておく必要があるが、受け手側には通信環境以外は必要ない。
スマートフォン内に撮りためた写真のプリンターとしても使用することができる。プリント性能は、既存のプリント機能特化モデルと同等とのことだった。
Instax専用アプリからカメラロールへアクセスし、プリントしたい画像を選択。プリントボタンを押すだけで、プリンターとして使用できる。
感熱方式を用いているわけではないため、連続してのプリントもストレスなくおこなえるとのこと。デジタルデータからのプリントのため、1枚きりではなく複数枚を同じデータからプリントできる点も、ハイブリッドモデルならではの利点となっている。