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富士フイルムのX-Trans CMOSセンサーが全国発明表彰を受賞

独自配列の光学ローパスフィルターレスの撮像素子技術

最新のセンサー「X-Trans CMOS 4」の画素配置(FUJIFILM X-T3技術発表会時のスライドより)。

富士フイルム株式会社は5月23日、令和元年度全国発明表彰(公益社団法人発明協会が主催)において「周期性の低いカラーフィルター配列を用いたデジタル撮影素子の発明」で「文部科学大臣賞」と「発明実施功績賞」を受賞した、と発表した。

同社のミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T3」などに搭載されているX-Trans CMOSセンサー技術が評価された。同社によれば、科学技術の振興や産業経済の発展に貢献したと評価されたことが受賞理由だとしている。

同社のイメージセンサーは、銀粒子が不規則に並ぶ写真フィルムの構造に着想を得て、6×6の36画素を一単位とする周期性の低いカラーフィルター配列を採用したもの。

光学ローパスフィルターを使用せずに色モアレを抑制し、レンズ本来の解像力を引き出すとともに、水平・垂直方向の同一線上に赤・緑・青という光の3元素を配置することで色情報を正しく取得して、被写体本来の色を再現することが可能だとしている。

X-Trans CMOSセンサーの最新世代「X-Trans CMOS 4」を搭載するミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T3」。

全国発明表彰とは、国の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的として、独創性に富む優れた発明等を表彰する制度。この内、文部科学大臣賞は「科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果をあげている発明等」に与えられる。「発明実施功績賞」は、「文部科学大臣賞」を含む特別賞などを受賞する法人の代表者に贈呈される。

本誌:宮澤孝周