オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー

花火は手強い相手、でも難しいからこそ楽しい…金武武さん

M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

豊田市で開催された豊田おいでんまつり花火大会。色とりどりの花火が夜空を染め上げる見事なワイドスターマインだ。広大な画角を生かして、たくさんの花火を1枚に収めた
PEN-F / M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO / 7mmmm(14mm相当) / マニュアル露出(F8、1/2秒×151枚) / ISO 200 / WB:3,300K / ライブコンポジット

オリンパスZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きする本企画。

今回は壮麗な花火写真で知れられる金武武さんに、花火撮影の楽しさについてうかがってみました。「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」による作品もご本人の解説付きで掲載しています。

金武武
1963年に神奈川県横浜市で生まれ。学校写真、ブライダルフォトなどの仕事をしながら花火を独学で勉強し、30歳で写真家として独立。現在は雑誌、テレビ、ネットなどで作品を発表。花火の生解説、講演会、花火撮影ツアーの企画実施、おもちゃ花火や小規模花火を使用した「初心者でも撮れる花火撮影会」なども開催している。2016年には花火打上従事者の資格を取得。

M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO

写真にのめり込むようになったきっかけは?

14歳のとき(1978年)、父のフィルムカメラを借りて趣味で友人や花を撮っていました。その後17歳の夏に横浜の山下公園で花火を見て衝撃を受け、花火の撮影にのめり込むようになりました。しかし、この頃はまさか自分がプロの写真家になるとは思っていませんでした。

現在の主な写真活動は?

主な被写体は花火です。打上花火だけでなく手筒花火やおもちゃ花火の撮影にも挑んでいます。花火は知れば知るほど奥が深く撮りたいイメージは尽きません。

また日本の花火の素晴らしさを多くの人に知っていただくために講演会や撮影ツアーなどを度々おこなっていました。しかし新型コロナウイルスの影響を受け現在はオンラインでのセミナーや花火師さんとの対談などを開催しています。

個人的な見解ですが、大規模な花火大会は当分のあいだ開催が難しいと思いますので、おもちゃ花火を使用した撮影会を開催して行きたいと考えています。題して「大人の火遊び・おもちゃ花火撮影会」です。カメラ初心者でも綺麗な写真が撮れるように噴出花火、連発花火、おもちゃの打上花火をバランスよく設置しカメラの準備が出来てから点火する初心者カメラマンのための花火イベントです。昨年の秋にも開催しましたがたいへん好評でした。

乙川の上空に輝く光のラインと街明かりを広い画角で同時に取り込んだ。周辺画質に乱れは見られず、きわめてシャープに再現されている
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO / 7mmmm(14mm相当) / バルブ撮影(F8、107秒) / ISO 200 / WB:3,700K

花火撮影の魅力とは?

花火は夜空に光り輝きあっと言う間に消えていきます。実体が無い特殊な被写体です。「あの美しい姿を残しておきたい。」そんな衝動に駆られます。しかし撮影してみるとあの神々しい姿を手に入れるなんて無理だと一瞬で気がつきます。それでも撮りたいという衝動は抑えられません。

諦めずに撮り続けていると、まれに構図、ピント、露出、タイミングなどがピッタリ合った写真が撮れることがあります。まるで花火とカメラの呼吸が一致したかのような瞬間があるのです。その時の感動、達成感、高揚は計り知れません。

花火は手強い相手です。でも難しいからこそ楽しい。何度チャレンジしても飽きることはありません。たいへん魅力的な被写体だと感じています。

花火は規模が小さくても華やかさは変わらない。むしろ、近い距離で鑑賞できるため、その迫力を間近に感じることができる。本レンズは色の偏りがなく、イメージ通りの発色で撮れる
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO / 11mm(22mm相当) / バルブ撮影(F20、40秒) / ISO 200 / WB:3,400K

オリンパスのカメラシステムで気に入っているところは?

花火大会の会場や行き帰りの電車やバスは大混雑になります。大混雑の中に大きなカメラバックと大型三脚を持っていくのは気が引けます。また猛暑の中、重い機材を持って延々と歩くのは大変です。

オリンパスのカメラシステムは軽量コンパクトなので体力的にも精神的にも負担が少なく行動範囲が広がります。また中型三脚や条件によっては小型三脚でも撮影できますので、狭い観覧席でも周囲を気にせず撮影を楽しめます。

撮像センサーに付着したゴミはたいへん煩わしいものです。オリンパスのダストリダクションは優秀です。屋外の埃っぽい会場で止むを得ずレンズ交換をしても撮像センサーにゴミが付着した経験はありません。

小さな神社の小さな祭りで花火大会が開催された。ボディの画像処理が優秀なため、F20まで絞り込んでも回折現象の影響が少なく、画質の低下が見られない
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO / 12mm(24mm相当) / バルブ撮影(F20、9秒) / ISO 200 / WB:3,400K

「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」の特徴や使い所など教えてください。

手の小さな私でも扱いやすいサイズ。それでいて金属製でシッカリした造り。ズームリングもピントリングも適度なトルク感があり快適な操作ができます。

しかも防塵防滴が優秀で突然の雨でも慌てることが無くなりました。これはカメラマンにとっては精神的にたいへん助かります。広角ズームレンズに求められる性能を充分に備えています。このレンズに不満を感じたことはありません。

画面手前に鳥居を大きく配置して、奥に岡崎城を入れて撮影。直線がゆがむことなく、忠実に再現されている。中央から周辺までの画質も良好だ
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO / 9mm(18mm相当) / プログラムAE(F6.3、1/250秒、-0.3EV) / ISO 200 / WB:5,300K

告知がありましたらぜひ!

1月28日から新宿のオリンパスギャラリー東京で写真展をおこなうことになりました。

タイトル:金武武写真展「手筒花火 リターンズ」
日時:2021年1月28日~2月1日 11時00分~16時00分(時短営業中)
会場:オリンパスプラザ東京
休館:火曜・水曜 ※1月31日(日)ビル休館日のため休館
https://fotopus.com/showroom/index/detail/c/3144

じつは2019年にも同じ会場で手筒花火の写真展を開催したのですが、台風の影響を受け開催期間が短くなってしまったのです。動画配信でご覧いただけるような試みも考えております。

また、私の半生をモチーフに書かれた小説「人生の花火」が1月末に発刊されます。写真展の会場でご覧頂けるように用意致します。

デジタルカメラマガジン最新号に金武さんが登場!

デジタルカメラマガジン2021年2月号の連載「日本列島ZUIKOLENSの旅」に、金武さんが執筆された記事が掲載されています。

47人の写真家が47の都道府県を紹介するこの連載で、金武さんは愛知県の花火を紹介。「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」についてのインプレッションやテクニックもあります。

協力:OMデジタルソリューションズ株式会社

デジカメ Watch編集部