特別企画
至れり尽くせりの撮影環境!星空を撮るにぴったりの場所を発見した
ツインリンクもてぎ「森と星空のキャンプヴィレッジ」撮影記
2016年11月30日 07:00
栃木県東端の茂木(もてぎ)町にある「ツインリンクもてぎ」といえば、国際格レーシングコースとしての存在が思い浮かぶ。その他、交通安全トレーニングの施設やホンダのF1マシンをはじめ国内外の名車を動態保存するホンダコレクションホールなど、おもに自動車関連の施設だと認識している人が多いのではないだろうか。
ツインリンクもてぎでは、併設された森「ハローウッズ」の自然豊かな環境の中で風景やポートレートの撮影ができます。その様子はこちら。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/1030888.html
じつは最近まで私もそう思っていたのだった。ところが、緩やかに広がる八溝山系の丘陵に囲まれた自然豊かな周辺環境を活かして、さまざまな自然体験を楽しむことのできる森のミュージアム「ハローウッズ」、ゆったりと自然を満喫出来るキャンプ場「森と星空のキャンプヴィレッジ」など、アウトドア施設が併設されていて、自然とも深く触れ合える場所だったというではないか。
都心から直線で約100km、栃木県宇都宮市と茨城県水戸市からそれぞれ約30kmのほぼ中間地点にあり都会からも離れているので、星もよく見えるはず。「森と星空の……」というからには、ぜひそこで星空を眺めてみたいと、カメラと双眼鏡・望遠鏡を携えて訪問してきたので、そのようすを報告しよう。
「森と星空のキャンプヴィレッジ」で星景写真
森と星空のキャンプヴィレッジは、キャンプのスタイル別にグランピングエリア、ログキャビンエリア、人数や趣向に応じて選べる大小さまざまなテントサイトエリアの3つに分かれている。グランピングエリアではアメリカンBBQディナー付きの宿泊プランも用意され、贅沢な時間を過ごすことができそうだ。
この冬にはグランピングサイトとホテルツインリンクの宿泊者向けに「森と星空のナイトツアー宿泊プラン」が用意されている。ツインリンクもてぎ内を専用バスで移動して視界の開けたポイントに行き、キャンプヴィレッジのスタッフが天体望遠鏡で星空案内をしてくれるというプログラムだ。何も用意せずに出かけていっても、もてぎの星空体験を満喫することができるというわけ。
いずれのタイプのキャンプでも、入浴に隣接のホテルツインリンク「のぞみの湯」が無料で使用できる。星を眺めながらBBQ、星を楽しんだ後は温泉で温まれるという至れり尽くせりという環境である。
森と星空のキャンプヴィレッジ入り口の看板。こずえに輝く星がこの場所のコンセプトを表しているようだ。
今回、私と取材スタッフが利用したログキャビン。2段ベッド定員4名のトレーラーハウスで空調も完備された快適な施設である。ログキャビンは全部で11棟。冬の星見は寒くて苦手という人でも、すぐに暖を取ることができるので安心だ。
星空撮影を楽しむためには、まずカメラ。明るい広角レンズがあるといい。できるだけしっかりした頑丈な三脚を使おう。
星空を眺める双眼鏡は、対物レンズの口径が大きめで低倍率のものが視野が明るくて適している。星座早見盤や星図・ガイドブックを参考に、天の川や星空にたくさんある星雲や星団を探してみたい。空の良いところでは双眼鏡でもたくさんの天体を見つけることができて楽しく、時間を忘れてしまうことだろう。
キャンプサイトは木立に囲まれているが、グランピングエリア中央の広場、木もれ陽サイトのセンター広場など空の開けた場所もあって、天体観望にもじゅうぶんだ。取材当日は紅葉も盛りで、季節感のある星景写真を撮影することもできるだろう。
場内には、通路や調理場などの照明があるが、テントサイトで家族や仲間と星空を楽しむにはそれほど邪魔にならない。取材当日には23時頃に完全消灯されて真っ暗な環境になった。だいたいこの時間帯から市街地の照明も消されてくるので光害も少なくなるので、それからが本気で天体観察や撮影できる“星空タイム”である。
星好きの利用が増えてくれば、晴れた新月前後の星の見やすいタイミングや、流星群などの天文イベントがあるときなど、場内照明を早めに最小限にする「星空スペシャルナイト(?)」な対応をしてくれるかもしれない?
レーシングコースで星景写真
ツインリンクもてぎでしか撮ることのできない星の風景といえば、やはりレーシングコースでの星景写真だろう。
レーシングコース周辺は視界をさえぎる物がまったく無く、空が360度開けて天体撮影&観望に最高だ。大きなイベントの開催や工事中でもないかぎり、照明もほとんど点いていない。敷地内各所の駐車場や、コース外周路に沿って点在する開けた場所が星空撮影&観望の好適地。ほとんどの場所は舗装されていてしっかりした地面なので、機材の設置にも適している。長時間の星空撮影でもあちこちにトイレがあるので、そっちの方面でも安心だ。
キャンプ場だと、深夜はどうしても隣人に気を使うことになってしまうが、このような場所だと仲間たちと思う存分星空を楽しむことができる。すこし本気で星空撮影や天体観望に取り組みたい人におすすめしたい。
コースサイドから星空撮影&天体観望
今回の取材日は条件の良い晴天が予想されたので、星空をしっかり堪能すべく天体望遠鏡や数台の双眼鏡、星の日周運動を追尾撮影するためのポータブル赤道儀など、いろいろな機材を持ち込んだ。
コースサイドには広くて平坦なスペースがたくさんあるので、機材を展開して星空を楽しむには最高の場所だ。それに外部とは仕切られたエリアなので、星とは関係ない一般車などが突然入ってくることもまったく無く、落ち着いて星空を眺めることができるのがじつにうれしい。
以下に、ツインリンクもてぎで撮影した星空写真をいくつか紹介しよう。
冬の星空をツインリンクもてぎで
これからの季節、太平洋側の地域では透明度の良い晴天の日が続く。最高に星空の美しく見えるシーズンだ。冬の星空は華やかで、見どころもたくさんある。12月には「ふたご座流星群」、1月初頭には「しぶんぎ座流星群」もあり、撮影も観望もめいっぱい楽しみたい。
今回、初めてツインリンクもてぎで星空撮影をしてきたが、思った以上に星空を楽しむのに適した場所だということがわかった。それに東京からだとクルマで約2時間という距離で、意外とアクセスも良い。
レーシングコースで星を眺めるという非日常感覚も独特で面白かったが、そうでなくても、星空を撮影したり観望したりするのに適した条件を備えている。ツインリンクもてぎでは、人気のグランピングを核にして冬の星空を楽しむプランも展開していくとのこと。詳しくはホームページなどで確認して欲しいが、ファミリーで、あるいは星好きグループで星空を満喫したいという方々には特におすすめできる。「森と星空のキャンプヴィレッジ」を利用してワイワイと星空を撮ったり眺めたりするのは、とても楽しい時間になりそうだ。
制作協力:株式会社モビリティランド