岡嶋和幸の「あとで買う」
1,529点目:植田正治の写真と人生をまとめた永久保存版
平凡社『植田正治 写真するボク』
2025年7月7日 07:00
ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。
平凡社『植田正治 写真するボク』
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平凡社の別冊太陽シリーズは、32点目で『写真集を編む。』、368点目で『森山大道 写真とは記憶である』を紹介しました。そして本日は「砂丘」シリーズなど、「Ueda-cho」(植田調)という独自のスタイルで国際的に注目を集めた植田正治さんです。
写真家としての豊かな人生を辿る内容です。初めてお目にかかったのは私が沼田早苗の助手だったころで、漆塗りの特別バージョン「PENTAX 645 JAPAN」の広告撮影のときでした。モデルは植田先生(ずっとそうお呼びしています)で、そのときに撮影したアザーカットは植田正治写真美術館に飾られているほか、そのウェブサイトでも見ることができます。
他界される2000年まで何度かお会いする機会がありましたが、作品のほうはそれほど多く目にしたことがありません。植田正治写真美術館に1度だけ訪れたことがあり、代表作以外はそのときに展示されていたセルフポートレートのシリーズくらいでしょうか。本書ではそれらを含め、植田先生の作品と人生をより知ることができるでしょう。ファンのみならず、日本の写真史が好きな人にも貴重な1冊といえそうです。販売価格は2,860円です。