岡嶋和幸の「あとで買う」

368点目:海外でも高く評価されている写真家の人生を辿る

森山大道「写真とは記憶である」

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、撮影や写真関連のアイテムを中心にその中身をお届けします。購入前の製品については使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

森山大道「写真とは記憶である」

ゴールデンウィークに読みたい本ということで、最後はこちらを選んでみました。平凡社の別冊太陽シリーズは32点目でも紹介しましたが、今回は丸ごと森山大道さんです。収録作品の見応えはもちろん、大竹昭子さんによる評伝など読み応えもあります。販売価格は3,080円です。

紙や印刷にもこだわった1冊で、手に取るとずっしり重みを感じました。プリンティングディレクターは写真集を数多く手がけられている東京印書館の高柳さん。森山大道写真財団が監修し、元・日本カメラの村上さんも編集に加わっています。

カメラ遍歴のコーナーは赤城耕一さんが担当されていて、書誌100選や年譜など森山大道ファンにうれしい充実の内容です。石内都さん、百々俊二さん、瀬戸正人さん、尾仲浩二さん、山門恭彦さん、太田通貴さん、サイモン・ベーカーさんら「森山大道の人柄をよく知る七人による証言 あの頃の森山大道」も良かったです。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。