岡嶋和幸の「あとで買う」

1,130点目:今読んでおきたい写真の教科書

京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎『写真 新編 写真の歴史と展開、変容と拡張』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎『写真 新編 写真の歴史と展開、変容と拡張』

京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎から出版されている本は、33点目で『写真1 写真概論』『写真2 現代写真』472点目で『写真 新編 写真・技法と研究』を紹介しましたが、その全4刊の最終刊となるのが本書です。

写真の理論や評論、技法などを取り上げた3冊に続いて、こちらは写真史から写真表現、写真集、ファインアートまで幅広く紹介されています。

執筆陣も豪華で、「写真史を再考する」(伊藤俊治)、「写真表現の系譜」(飯沢耕太郎)、「写真表現におけるジェンダーの視点」(笠原美智子)、「写真表現の現在」(タカザワケンジ)、「写真集の成立と展開」(金子隆一)、「なぜ写真史?」(畠山直哉)、「写真の展示空間」(倉石信乃)、「試行としての現代写真」(港千尋)など、とても興味深い構成となっています。

写真の教科書としてぜひ読んでおきたい1冊です。販売価格は3,960円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。