岡嶋和幸の「あとで買う」

472点目:写真技法や表現方法を網羅した作品制作の入門書

京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎「写真 新編 写真・技法と研究」

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、撮影や写真関連のアイテムを中心にその中身をお届けします。購入前の製品については使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎「写真 新編 写真・技法と研究」

今回は33点目で紹介した2冊と同じく、京都芸術大学 東北芸術工科大学 出版局 藝術学舎から出版されている本です。「写真の原理」「撮影とデジタルの基礎」「プリントと表現」「整理・展示・プレゼンテーション」の4部構成となっています。フィルムカメラでの撮影や現像、プリントなどアナログ写真にウエイトが置かれた内容ですが、写真の技法から表現まで基本を学ぶのに最適な1冊です。写真展を目指して作品作りをされている人にもおすすめです。販売価格は3,960円で、Kindle版もあります。

私も7月末に新しい本を出版したばかりですが、その制作過程では自分の知識が正しいかどうかを確認したり、知識不足を補うためにいろいろな本を参考にしたりします。インターネットでも簡単に調べられますが、編集者など複数のスタッフで内容を精査された本の方が正しい知識を身に付けるためにも安心です。その中の1冊に京都造形芸術大学の写真表現シリーズ「写真 技法と表現」があります。2004年に出版されたもので、Amazonでは中古品の取り扱いがありますが、今回の本はその改訂版ともいえる内容です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。