中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ!」

ゆる鉄探訪 第19回「京都府の鉄道」

変化に富む鉄道絶景の数々をご紹介!

「トロッコ保津峡駅」と保津峡を大俯瞰できる、とっておきのポイントです。この作品は12月の15時ごろに撮影したのですが、ちょうど川の真上に来る太陽を受けて保津峡がギラギラと輝き、息を飲むほど幻想的な光景になりました。トロッコ列車の屋根が、まるで僕の青春時代に乗っていた山陰本線の旧型客車みたいに輝き、ちょっと感動してしまいました。
実はこの写真、有料道路「嵐山-高雄パークウェイ」にあるビュースポット「保津峡展望台」からの撮影で、徒歩やバスなどの公共交通では行くことができません。有料道路のため通行料金(軽・普通自動車)が1,200円必要となりますので、ここぞというタイミングで訪ねるといいでしょう。
ソニーα1/FE 70-200mm F2.8 GM OSS /絞り優先オート(176mm・F11・1/800秒)/ISO 200/WB:日陰[Google Maps]

僕のオススメの鉄道撮影地をご紹介する「ゆる鉄探訪」。県単位のエリアで、複数の路線をまたいで撮影地をご紹介しています。京都府からは京都市内の路線のほか、日本海側を走る京都丹後鉄道もチョイス。僕が厳選した大好きな鉄道撮影地をご紹介いたします!

叡山電鉄

ソニーα1/FE 24-70mm F2.8 GM II/絞り優先オート(39mm・F4・1/320秒)/ISO 800/WB:太陽光

まずご紹介するのは叡山電鉄。出町柳から比叡山の麓にある八瀬比叡山口駅へ向かう叡山本線と、鞍馬へ向かう鞍馬線の2路線があります。両線とも市街地のなかを走る区間が多いため、狙い目になのは鞍馬山の山間部へ分け入ってゆく鞍馬線の山岳区間でしょう。

こちらは貴船口駅で下車して2分ほどで行けるお手軽ポイントながら、鞍馬川と列車をからめて撮影することができる有名ポイント。写真は5月の新緑のころに撮影したものですが、紅葉の時期も最高に綺麗なんです。鞍馬山の自然が箱庭のようにギュッと凝縮された風景がお手軽に撮影できる、イチオシのポイントです。


ソニーα1/FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS/絞り優先オート(306mm・F6.3・1/400秒)/ISO 800/WB:太陽光

続いては二ノ瀬駅と市原駅の間にある鉄橋付近。この周辺には叡山電鉄随一のビューポイントである「もみじのトンネル」があり、この鉄橋はちょうどその出口に位置しています。残念ながら「もみじのトンネル」は山深い位置にあり撮影できないので、ボリュームあるもみじをからめて撮影できるこの場所は、貴重なポイントと言えるでしょう。

列車は叡山電鉄が誇る観光列車「きらら」号。「もみじのトンネル」を含めた沿線風景を車内から堪能できるように大きな窓を持っているのが特徴なので、その窓に映りこんだ青もみじを主題に狙ってみました。真っ赤に染まる秋も素晴らしいですが、爽やかな青もみじの夏もまた絵になるのです。

京福電気鉄道

ライカSL/APO-VARIO-ELMARIT-SL F2.8-4 / 90-280mm/絞り優先オート(230mm・F3.7・1/50秒)/ISO 1600/WB:日陰

続いてご紹介するのは京福電気鉄道、通称「嵐電」です。嵐山本線と北野線の2路線を運行しており、通常の電車と路面電車の中間くらいのサイズのかわいい電車が、京都の街を元気に走っています。

まずは北野線の春の定番ポイントである「桜のトンネル」から。鳴滝駅から宇多野駅にかけて、線路脇に桜並木が続いており、満開になると艶やかな風景になります。ここは鉄道ファンよりも、海外からの観光客を含めた一般の人が殺到するので、撮影はけっこう大変です。踏切付近が撮影ポイントになるのですが、北野白梅町行きの電車が通り過ぎて踏切が開くと、観光客がどっと押し寄せて撮影会がはじまります。いちばんの見頃の時期には警備員がついていますので、指示に従いながら、気をつけて撮影しましょう。


ソニーα1/FE 24-70mm F2.8 GM II/絞り優先オート(30mm・F8・1/1,000秒)/ISO 1600/WB:太陽光

続いては嵐山本線の京都らしいスポット。電車の背景に建つのは、京都最古の寺とも言われる広隆寺の楼門です。こちらの本尊である聖徳太子から賜ったといわれる仏像は、国宝に指定されているとか。沿線にこんな名刹がフツーに建っているなんて、さすが嵐電ですね。

ここはとにかく車も人も多く、作例のようにスッキリと撮影するには、けっこう苦労しました。写っているのは嵐電独特のスタイルが可愛い、モボ101形電車。さらに旧型のモボ301形も含めて、ぜひ撮影しておきたいところです。


ソニーα1/FE 16-35mm F2.8 GM/マニュアル露出(17mm・F2.8・1/250秒)/ISO 6400/WB:太陽光

嵐山本線の嵐山駅には、「京友禅」をあしらった600本のポールによるライトアップが施されており、夜になると幻想的な雰囲気に包まれます。ある意味、いちばんわかりやすい京都らしさを演出できる場所かもしれません。撮影するなら、ライトアップの明るさと空の明るさが釣り合う、日没後の時間帯がオススメです。

嵯峨野観光鉄道

ソニーα1/FE 70-200mm F2.8 GM OSS/絞り優先オート(70mm・F8・1/800秒)/ISO 400/WB:曇天

「嵯峨野トロッコ」の名称で親しまれている嵯峨野観光鉄道。山陰本線の旧線の線路を利用し、保津川の渓谷を楽しめるトロッコ列車を運行しています。オススメは保津峡とトロッコ列車を撮影できる定番ポイント。山陰本線保津峡駅の下りホームから、渓谷を見下ろすように撮影しています。

ホームなので三脚の使用はできませんが、電車を降りたら数秒で撮影できる手軽さは魅力。秋は紅葉、春は桜が美しい山々と、ダイナミックな保津峡の渓谷、そしてトロッコ列車をからめた風景は、まさに京都を代表する鉄道絶景と言えるでしょう。この日は運良く、保津峡下りの観光船が写り込んでくれました。

京都丹後鉄道

ソニーα9/FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS/絞り優先オート(106mm・F5.6・1/500秒)/ISO 800/WB:太陽光

京都といえば古都のイメージが強いですが、日本海側に行けばこんなトロピカルな海の風景も撮影できます。ここは京都丹後鉄道随一の撮影スポット、由良川橋梁。由良川の河口にかかる鉄橋ですが、長さが550mあり、背景が海になることで、まるで海を列車が渡っているかのような幻想的な光景を撮影できます。

撮影ポイントは丹後由良側の川べりで、国道178号にあるコンビニ付近から川に出た周辺がオススメです。日本全国に鉄橋はたくさんありますが、ここまでの長さがありながらトラスなどの構造物がなく、すっきりと列車を撮れる橋はかなりレア。ふだん鉄道を撮らないひとでも、ぜったいに撮りたくなること間違いなしです。


ソニーα1/FE 14mm F1.8 GM/絞り優先オート(14mm・F5・1/2,500秒)/ISO 800/WB:太陽光

川の反対側の丹後神崎駅から海水浴場方面に進み、川べりに出ると、自由な場所から鉄橋を撮影することができます。こちらはかなり鉄橋に近い位置から、見上げるように撮影したもの。鉄橋の長さがわかりますね。


ソニーα9/FE 24-70mm F4 ZA OSS/絞り優先オート(57mm・F8・1/800秒)/ISO 400/WB:太陽光

最後にご紹介するのは宮城県の松島、広島県の宮島とともに「日本三景」にも挙げられる、天橋立と列車を撮影できるポイントです。

撮影ポイントは天橋立を一望できる観光スポット「天橋立ビューランド」の「飛龍観回廊」。ここからは天橋立はもちろん、左下に天橋立駅周辺も見下ろすことができるので、列車が出発したタイミングで撮影するのがオススメです。

歴史ある古都の風景から、トロピカルな海の絶景まで、変化に富んだ京都の鉄道絶景の数々、ぜひ撮影してみてくださいね。

中井精也からのお知らせ

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鉄道写真家中井精也のLINE公式アカウントができました!中井精也の講演会やイベント開催情報、テレビ出演情報などをお知らせいたします!

<アカウント名>
【公式】鉄道写真家中井精也
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中井精也と行く撮影ツアー「山陰・奥出雲」と「阿蘇・湯布院」の2ツアー

9月29日(金)〜10月2日(月)に山陰・奥出雲撮影ツアーを開催いたします! 今回のツアーのポイントは、木次線の3段スイッチバックの撮影です。2023年度の運行をもって終了となる奥出雲おろち号も撮影します!

ツアーの詳細とご予約はこちら
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12813264125.html

実施日:9月29日(金)〜10月2日(月)
費用:大人ひとり 18万9,000円(税込)
定員:先着16名(最小催行15名)

<スケジュール>
集合:9月29日(金)
9時15分 出雲空港
10時20分 出雲市駅

解散:10月2日(月)
17時00分 米子駅
18時00分 米子空港


11月23日(木)〜26日(日)に阿蘇・湯布院撮影ツアーを開催いたします! 今回のツアーでは、今年7月に復旧した南阿蘇鉄道の第1白川橋りょうで撮影を行います!

ツアーの詳細とご予約はこちら
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12813264125.html

実施日:11月23日(木)〜26日(日)
費用:大人ひとり 19万9,000円(税込)
定員:先着16名(最小催行15名)

<スケジュール>
集合:11月23日(木)
9時30分 熊本空港

解散:11月26日(日)
17時00分 熊本空港

ゆる鉄画廊NOMAD開催情報

【第26回】ゆる鉄画廊NOMAD京都亀岡

8月10日(木)〜13日(日)に、京都府亀岡市にある道の駅「ガレリアかめおか」で、第26回ゆる鉄画廊NOMAD京都亀岡を開催いたします。もちろん開催期間中の毎日は中井精也は在廊しております。

先日放送された「絶景!てつたび」京都編の作品や、これまでに撮影した京都の作品、さらには中井精也の代表作品まで幅広く展示いたしますので、ぜひお越しくださいね。

さらに8月14日(月)には、恒例の写真教室を叡山電鉄(えいでん)にて開催いたします。詳細は、1日1鉄!ブログでご案内いたします。

ゆる鉄画廊NOMAD京都亀岡
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12813804424.html

<営業時間>
8月10日(木):16時〜18時
8月11日(金・祝):10時〜18時
8月12日(土):10時〜18時
8月13日(日):10時〜17時

<会場>
道の駅「ガレリアかめおか」
〒621-0806
京都府亀岡市余部町宝久保1-1
https://www.galleria.or.jp/

バス:JR亀岡駅(南口)から京阪京都交通バスで約7分(3・34・40・48・59系統)。「ガレリアかめおか」下車

徒歩:JR亀岡駅(南口)から徒歩約20分

今後のNOMAD案内

現在、決まっている今後のNOMADスケジュールです。あなたの街にも、ゆる鉄画廊NOMADがやってくる!?

・ゆる鉄画廊NOMAD清里
9月2日(土)、3日(日)
会場:清里フォトアートミュージアム

・ゆる鉄画廊NOMAD金沢
9月8日(金)〜10日(日)
会場:Gallery souvin
※翌日9月11日(月)に写真教室開催予定

・ゆる鉄画廊NOMAD仙台2
9月21日(木)〜24日(日)
会場:仙台藤崎百貨店

・ゆる鉄画廊NOMAD京都丹後
10月7日(土)、8日(日)
イベント:丹鉄・鉄印フェスティバル2023
会場:西駅交流センター3階ホール(JR・京都丹後鉄道西舞鶴駅併設)

・ゆる鉄画廊NOMAD埼玉川口
10月27日(金)〜29日(日)
会場:調整中

それ以外にも、様々な場所でNOMADを計画しておりますので、詳細が決まりましたらご案内いたします。皆様の街へ「ゆる鉄画廊NOMAD」は出張いたしますので、近くに来た際には、ぜひお越しくださいね。

※場所・営業時間など詳細は決まりましたら、メルマガやブログでお知らせいたします。
※スケジュールは変更になることもあります。

清里フォトアートミュージアム「鉄道愛」展

山梨県北杜市にある清里フォトアートミュージアムにて「鉄道愛」展が2023年7月7日(金)〜9月24日(日)まで開催されます。中井精也が撮影した小海線の作品16点、ねこ鉄作品15点も会場に展示されます。ぜひお楽しみください。

さらに、鉄道愛展の開催に合わせて、9月2日(土)・3日(日)に同会場でゆる鉄画廊NOMADと記念のトークショーも開催いたします。こちらもお楽しみにっ♡

・開催概要
展覧会名:「鉄道愛」
会期:7月7日(金)~9月24日(日)
会場:清里フォトアートミュージアム
主催:清里フォトアートミュージアム委員会
特別協賛:真如苑(社会貢献基金)
開館時間:10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)
休館日:会期中7〜8月は無休、9月は火曜休館
入館料:一般800円(600円)、学生600円(400円)、高校生以下無料
()内は20名様以上の団体料金 家族割引1,200円(2名~6名様まで)

・アクセス
車にて:中央自動車道須玉I.C.または長坂I.C.より車で約20分
JR:中央本線小淵沢駅にて小海線乗り換え 清里駅下車、車で約10分

清里フォトアートミュージアムHP
https://www.kmopa.com/

今だけ!「第9弾ゆる鉄画廊コンビニエンス」

大好評の限定作品のゆる鉄画廊コンビニエンス!8月は茂木NOMADで人気があった絵柄や夏らしい鉄道風景の作品を中心にセレクトしました。

このプリントができるのは8月だけ! ぜひこの機会にぜひプリント・額装してお部屋に飾ってね。絵柄は今後も増えていく予定です。ゆる鉄画廊コンビニエンスは、eプリントサービスにて、全国のコンビニに設置してあるマルチコピー機で鉄道写真家中井精也の作品をプリントできるサービスです。

プリント絵柄や操作方法に関しては、リンクからご覧ください。
これまでの絵柄は、通常通りプリントできます。期間限定は、今回登場した10枚です。

<eプリントサービス>
https://www.e-printservice.net/content_detail/yurutetsugarou
写真紙L判:400円
写真紙2L判:800円

※ねこ鉄はランダムプリントになります。
※一部店舗ではご利用できない場合があります。
※2L判プリントはセブン-イレブンでは取り扱いがございません。

中井精也

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。全国を旅しながら自身の作品を販売する「ゆる鉄画廊NOMAD」を展開中。テレビレギュラー番組に「中井精也のてつたび!/NHK BSプレミアム」、「ヒルナンデス!/日本テレビ系列」、「にっぽん鉄道写真の旅/BS-TBS」などがある。https://ameblo.jp/seiya-nakai/