中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ!」

ゆる鉄探訪 第16回「香川県の鉄道」

バラエティ豊かな撮影スポットをご紹介!

瀬戸大橋では、列車は自動車道の下を走るので、背景が明るくなる夕方にシルエットで狙うのがポイントです。作例を見ればわかるように、列車はかなり小さくても目立つので、風景を大きく入れて撮影するのがオススメです。それにしても、瀬戸大橋を見るたびに人類の技術ってスゴいなぁ……と、感心してしまいます。僕は撮影したことがありませんが、2月と10月の年2回、瀬戸大橋を渡る列車と夕日を重ねて撮影できるそうです。いつかチャレンジしてみたいな。(瀬戸大橋線 児島〜宇多津)
ソニーα7R III/FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS/絞り優先オート(265mm・F5.6・1/400秒)/ISO 200/WB:日陰[Google Maps]

僕のオススメの鉄道撮影地をご紹介する「ゆる鉄探訪」。県単位のエリアで、複数の路線をまたいで撮影地をご紹介しています。今回はバラエティ豊かな香川県の鉄道撮影地をご紹介しちゃいます!

予讃線 海岸寺〜津島ノ宮

ソニーα7R III/FE 16-35mm F2.8 GM/絞り優先オート(16mm・F5.6・1/2,000秒)/ISO 400/WB:太陽光

最初にご紹介するのは、穏やかな瀬戸内海の風景と予讃線を撮影できる、昔からのお立ち台ポイント。以前は手前に1本松があり、それを入れて撮影していましたが、老木になり倒れてしまったため、今は海を画面いっぱいに入れて撮影することができるようになりました。

側面には光が回らないものの、海岸線ギリギリのところを走る列車をアップで撮影できるほか、作例のように海と空をいっぱい入れて、爽やかな鉄道風景写真として撮影することも可能です。

瀬戸大橋線 児島〜宇多津

ソニーα7R III/FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS/絞り優先オート(209mm・F8・1/5,000秒)/ISO 400/WB:太陽光

知る人ぞ知る絶景ポイントをご紹介しましょう。撮影地となるのは青ノ山山頂展望台で、標高224mの山頂から瀬戸大橋の絶景を望むことができます。美しい斜張橋である南備讃瀬戸大橋を入れると、列車はかなり小さくなるので、白基調のカラーリングで目立つアンパンマン列車を狙ってみました。瀬戸内海の穏やかな風景と、圧倒的な迫力の瀬戸大橋を豪快に俯瞰できる、オススメのポイントです。

高松琴平電気鉄道 高松築港〜片原町

ライカM(Typ240)サファリ/Elmar-M 50mm F2.8/絞り優先オート(F11・1/500秒)/ISO 400/WB:日陰

琴電の愛称で親しまれている高松琴平電気鉄道と、高松城をからめて撮影できるポイント。こういうシーンって、ありそうでなかなかありません。高松城は「玉藻城」という別名を持つ海城で、城跡は「玉藻公園」として整備されています。

写真に写るのは天守閣ではなく、艮櫓(丑寅櫓)という建物で、重要文化財にも指定されています。その奥を琴電の可愛い電車が走る風景は、ここでしか見ることができない絶景。撮影ポイントは、東門に至る旭橋のたもとになります。

高松琴平電気鉄道 片原町駅付近

ソニーα7R II/FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS/絞り優先オート(113mm・F5.6・1/160秒)/ISO 800/WB:日陰

片原町駅に近い、片原町商店街のアーケードが撮影ポイント。路面電車ではよく見る風景ですが、もと京急の大きな車両が商店街のアーケードを横切るという、インパクトのある風景を狙えます。こちらもここでしか見ることができない、鉄道珍百景的な絶景と言えるでしょう。

高松琴平電気鉄道 琴平線 一宮〜空港通り

ソニーα7R II/FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS/マニュアル露出(クロップ322mm相当・F9・1/800秒)/ISO 200/WB:日陰

讃岐平野には富士山に似た形の小さな山が点在しており、それらの総称として「讃岐七富士」と呼ばれています。写真の六ツ目山もその一つ。讃岐七富士のなかでもこの六ツ目山と伽藍山、狭箱山は、その整った山容から「おむすび山三兄弟」と呼ばれているとか(笑)。

六ツ目山は麓の地名から「御厩富士」「檀紙富士」とも呼ばれ、高松市西部のシンボルとして親しまれています。一宮駅近くの踏切から望遠レンズで狙うと、まるで富士山のような美しい山容と琴電を撮影することができます。オススメは夕方。情熱的な夕日にギラリと輝く車体とおむすび山を、ドラマチックに撮影できました。


ソニーα7R II/FE 16-35mm F4 ZA OSS/絞り優先オート(16mm・F5・1/1,250秒)/ISO 400/WB:日陰

さきほどの踏切の近くの線路際に神社の境内があり、大きなクスノキが立っています。そこは地元の子どもたちの遊び場になっており、夕日を浴びながらキャッチボールをする姿に、自分の子どものころの記憶が重なります。そういえば、昔はこういう場所でよく遊んだなぁ。ちなみに木の根元の左側をよく見ると、ちゃんと列車が写っていますよ(笑)

高松琴平電気鉄道 琴平線 挿頭丘駅

ソニーα1/FE 70-200mm F2.8 GM OSS/絞り優先オート(198mm・F2.8・1/1,250秒)/ISO 1600/WB:曇天

「かざしがおか」と読む難読駅。市街地にあるため、ふだんは絵にしづらい駅なのですが、線路に沿って桜の木が並んでいるため、春になると桜と琴電をからめて撮影できる貴重なポイントとして賑わいます。作例は岡本駅側にある跨線橋から、駅を入れて撮影しました。

高松琴平電気鉄道 琴平線 羽間〜岡田

ソニーα7R II/FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS/絞り優先オート(203mm・F6.3・1/2,500秒)/ISO 640/WB:太陽光

讃岐七富士のなかでももっとも富士山らしい姿を持ち、「讃岐富士」とも呼ばれる飯野山と琴電を撮影できるポイント。こうしてみると、本当に富士山ぽいでしょ? 手前が畑なので、スッキリと撮影できるのも魅力です。列車を左下、富士山を右上に置く、作例のような構図がオススメです。

高徳線 讃岐相生〜阿波大宮

ソニーα7R III/FE 24-105mm F4 G OSS/絞り優先オート(49mm・F8・1/500秒)/ISO 200/WB:太陽光

最後にご紹介するのは、香川県と徳島県にまたがる大坂峠の絶景です。撮影ポイントは、まさに県境付近に位置する大坂峠展望台。パラグライダーの発着所から見下ろすと、峠に挑む列車と瀬戸内海をからめて撮影することができます。列車が小さいのと、目立たない色の車両が多いため、光線が順光になる午前中がオススメです。

海の絶景から富士山、お城に商店街と、バラエティーに富んだ鉄道風景が楽しめる香川県。美味しいうどんを堪能しながら、ぜひジョイテツしてみてくださいね。

中井精也からのお知らせ

ゆる鉄画廊NOMAD開催情報

・第24回ゆる鉄画廊NOMAD高松

6月2日(金)〜4日(日)に、四国の香川県高松市にある「ギャラリーMIYAWAKI」にてゆる鉄画廊NOMAD高松を開催いたします。ついに!本州外でのゆる鉄画廊NOMADの開催です!!

期間中は毎日、中井精也は在廊いたします。ゆる鉄探訪でご覧いただいた香川県にゆかりのある鉄道風景を中心に、中井精也の代表作を展示いたします。ぜひ来てね♡

さらに、NOMADの翌日には恒例の「ゆる鉄画廊NOMAD写真教室」も開催予定です。詳細が決まりましたら、1日1鉄!ブログでご案内いたします。

<詳細>
6月2日(金):10時〜18時
6月3日(土):10時〜18時
6月4日(日):10時〜16時

会場:ギャラリーMIYAWAKI
〒760-0029 香川県高松市丸亀町4-1 宮脇書店パイロットビル2F

<1日1鉄!ブログ>
https://ameblo.jp/seiya-nakai/

<ゆる鉄画廊NOMADホームページ>
https://garou.ichitetsu.com/

<ギャラリーMIYAWAKI>
https://www.miyawakishoten.com/gallery/

【今後のNOMAD案内】
・ゆる鉄画廊NOMAD栃木もてぎ
2023年7月14日(金)〜17日(月)予定
会場:ふみの森もてぎ

・ゆる鉄画廊NOMAD京都亀岡
2023年8月10日(木)〜13日(日)予定
会場:道の駅亀岡ガレリア
※翌日8月14日(月)に写真教室開催予定

・ゆる鉄画廊NOMAD金沢
2023年9月8日(金)〜10日(日)予定
会場:Gallery souvin
※翌日9月11日(月)に写真教室開催予定

中井精也と行く! 北海道初夏の道南ツアー

2023年7月7日(金)〜10日(月)に北海道道南撮影ツアーを開催いたします!!

今回のツアーのポイントは、まさに雄大な初夏の北海道の道南!駒ヶ岳を望む雄大な噴火湾を走る列車や羊蹄山の山容が美しい函館本線の通称山線など初夏の雄大な景色の道南区間での撮影が楽しめます!

さらに!今回の撮影ツアーでは珍しく2日目にホテルの美味しい朝食がありますよ(笑) 一緒に中井精也と北海道の道南を満喫しちゃいましょう!

実施日:2023年7月7日(金)〜10日(月)
費用:大人ひとり 199,000円(税込)
定員:先着16名(最小催行16名)
締切:6月23日(金曜)

<ご予約・詳細はこちらから>
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12799451874.html

今だけ!「第6弾ゆる鉄画廊コンビニエンス」

第6弾スタートしました!前回に続き、5月中だけの限定作品です。新潟NOMADで人気にあった絵柄から、ゆる鉄作品、ネタ作品!?まで10枚が期間限定で登場です。

この機会にぜひプリント・額装してお部屋に飾ってね。絵柄は今後も増えていく予定です。ゆる鉄画廊コンビニエンスは、eプリントサービスにて、全国のコンビニに設置してあるマルチコピー機で鉄道写真家中井精也の作品をプリントできるサービスです。

プリント絵柄や操作方法に関しては、リンクからご覧ください。これまでの絵柄は、通常通りプリントできます。期間限定は、今回登場した10枚です。

<eプリントサービス>
https://www.e-printservice.net/content_detail/yurutetsugarou

写真紙L判:400円
写真紙2L判:800円

※ねこ鉄はランダムプリントになります。
※一部店舗ではご利用できない場合があります。
※2L判プリントはセブン-イレブンでは取り扱いがございません。

中井精也

1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。全国を旅しながら自身の作品を販売する「ゆる鉄画廊NOMAD」を展開中。テレビレギュラー番組に「中井精也のてつたび!/NHK BSプレミアム」、「ヒルナンデス!/日本テレビ系列」、「にっぽん鉄道写真の旅/BS-TBS」などがある。https://ameblo.jp/seiya-nakai/