ゆる鉄探訪 第7回「長良川鉄道」

長良川鉄道といえば、やっぱり長良川の清流と列車をからめて撮影したいところ。ここは八坂駅から徒歩5分ほどの位置から、お手軽に鉄橋を撮影できるオススメのポイントです。この日はかなり雨が降っていたのですが、それでも水は透きとおり、エメラルドグリーンに輝いていました。こうした撮影ではPLフィルターは必須ですね。
ソニーα1　FE 24-70mm F2.8 GM（34mm） 絞り優先オート（F3.2、1/1,000秒）ISO 1600　WB：太陽光　[Google Maps]

僕が大好きなゆる鉄路線をご紹介する「ゆる鉄探訪」。路線の撮影ポイントや見どころのほか、僕がその路線で撮影したBEST SHOTもご紹介します。

第7回は岐阜県の美濃太田駅と北濃駅を結ぶ長良川鉄道をご紹介。もともとは国鉄の越美南線で、計画的には福井県側の越美北線と結ばれて「越美線」になる予定でしたが、険しい山々とモータリゼーションの波に阻まれ夢叶わず廃止。その結果、全長72.1kmの長大路線となった長良川鉄道は、乗りごたえ抜群！ 長良川流域の絶景や、昔ながらの国鉄旅情を存分に楽しめます。

ニコンD800E　Ai AF-S Zoom Nikkor ED 28-70mm F2.8D（IF）（36mm） 絞り優先オート（F4.8、1/2,000秒）ISO 400　WB：晴天日陰

長良川鉄道には国鉄時代の旅情を感じさせる木造駅舎がたくさん残されています。中でも僕が好きなのは、列車交換もできる大矢駅。木造駅舎も素晴らしいですが、跨線橋ではなく、本線上の通路で上りホームへ行くなど、国鉄時代のローカル駅の雰囲気がそのまま残されているのが最高なのです。駅前で子どもたちが遊ぶ姿は、もう完全に昭和でしょ？ 上りホームの近くには桜の木もあるので、春にもゆる〜い駅の風景が狙えます。

ニコンD5100　AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G ED（20mm） 絞り優先オート（F22、1/750秒）ISO 1600　WB：晴天

続いてご紹介するのは、長良川鉄道のイチオシポイント、赤池駅近くにある第3長良川橋りょうです。赤池駅から徒歩3分くらいで撮影地となる河原まで行けるので、乗り鉄派の方もお気軽に撮り鉄を楽しめますよ。このカットは清らかな流れを強調するため、水面ギリギリのところから狙ったもの。ISO感度を上げてパンフォーカスにすることで、清流と列車の両方をしっかりと描写してみました。

ソニーα1　FE 24-70mm F2.8 GM II（39mm） 絞り優先オート（F2.8、1/16,000秒）ISO 1600　WB：太陽光

こちらが今回のベストショット。同じく第3長良川橋りょうで撮影したものですが、天気が違うとまったく雰囲気も変わりますね。かなりの大雨が降っていたのですが、川霧が立ち上り幻想的な雰囲気になっていました。川霧は数秒ごとに変化するので、消えてしまうのではとドキドキしましたが、最高の条件で列車が来てくれました！ こういう天気では撮影をあきらめてしまいがちですが、こんなときにしか撮れない風景もあるんだなぁと、あらためて実感しました。

ソニーα7R IV　　FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS（128mm） 絞り優先オート（F5.6、1/500秒）ISO 400　WB：太陽光

こちらも第3長良川橋りょう。今度は手前の葉っぱを前ボケさせて、キラキラとメルヘンチックな雰囲気に仕上げてみました。列車は長良川鉄道が誇る観光列車「ながら」号。長良川の沿線風景に映えるロイヤルレッドの外観と、岐阜県産の木材をふんだんに使ったぬくもりのある内装がとっても素敵な列車で、車内では沿線の特産品グルメやスイーツを楽しむことが出来ます。長良川の清流を眺めながらのスイーツは、もう最高ですよ♡

ニコンD750　AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED（16mm） 絞り優先オート（F10、1/250秒）ISO 400　WB：晴天

長良川鉄道は郡上八幡駅の手前で、長良川ギリギリのところを走ります。長良川をバックに列車メインで撮影する有名ポイントなのですが、僕のオススメはこちらの構図。道路と線路の間に1本だけ木が立っているのですが、その下に入り広角レンズで見上げると、森のなかから川の風景を眺めているような、爽やかな構図にすることができます。露出差が大きくなるので、順光よりは逆光の時間帯がオススメです。

ソニーα1　FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS（279mm） 絞り優先オート（F5.6、1/500秒）ISO 400　WB：日陰

こちらは自然園駅近くで撮影した鮮烈な秋の風景。11月中旬になると川向うにある郡上八幡自然園のメタセコイアがオレンジ色に紅葉するので、望遠レンズで圧縮して迫力を出してみました。観光列車「ながら」のカラーと良く似合いますね。

ニコンD800E　AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED（70mm） 絞り優先オート（F2.8、1/1,500秒）ISO 200　WB：晴天

のどかな田園風景で、どこにでもありそうですが、よく見ると線路脇に電柱などの邪魔なものがなく、背景はスッキリとした山。ここまで整った田園風景と列車の組み合わせは、実はかなりレアなのです。ただし長良川鉄道でもっとも本数が少ない区間なのが玉に瑕ですが……。ここでは田んぼメインの構図にして、列車はあえて遠くの位置で小さく写しています。

ソニーα1　FE 16-35mm F2.8 GM（16mm） 絞り優先オート（F3.5、1/250秒）ISO 1600　WB：日陰

最後は終着駅の北濃駅。今や終着駅というだけで貴重ですが、ここまで国鉄の終着駅旅情が残された駅も珍しく、どこを撮っても絵になります。今は使われてはいませんが、ターンテーブルも健在で、停車中の列車とからめて撮影することができます。

乗り鉄しながらでも撮影が楽しめる長良川鉄道、1日フリーきっぷを使って、ぜひフォト散歩してみてくださいね。

中井精也からのお知らせ

ゆる鉄画廊NOMAD開催情報

「ゆる鉄画廊NOMAD（ノマド）」は、中井精也が撮影した鉄道写真作品を展示・販売いたします。作品をさまざまな種類の額に入れて販売するほか、ここでしか買えない書籍やポストカード、グッズなどを販売いたします。また直筆サインや、記念写真撮影など、中井精也本人とふれあえる貴重な機会ですので、ぜひお越しください。

＜ゆる鉄画廊NOMAD＞
https://garou.ichitetsu.com/

【第14回】ゆる鉄画廊NOMAD新宿2

京王百貨店 新宿店の7階大催場で開催している「鉄道フェスティバル」内にて、ゆる鉄画廊NOMADが営業中です。お近くのみなさま、ぜひ是非お越し下さい。

期間：2022年8月4日（木）〜15日（月）
会場：京王百貨店 新宿店 7階（大催場）
営業時間：10時〜20時（最終日のみ17時閉業）
※中井精也の在廊日はブログ・ツイッターでご確認ください。

＜1日1鉄！ブログ＞
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12756096821.html

＜中井精也ツイッター＞
https://twitter.com/railman_nakai

【第15回】ゆる鉄画廊NOMAD鎌倉

JR横須賀線の北鎌倉駅目の前にあるギャラリー「えにし」で開催いたします。開催期間中は、中井精也が毎日在廊しております！

さらにNOMAD後の8月29日（月）には、恒例のゆる鉄画廊NOMAD写真教室を江ノ電で開催予定です。こちらもあわせて、ぜひご参加お待ちしております！

期間：2022年8月26日（金）〜28日（日）
会場：ギャラリーえにし（北鎌倉）
時間：10時〜18時（初日のみ12時開店）

＜1日1鉄！ブログ＞
https://ameblo.jp/seiya-nakai/entry-12756099880.html

＜ギャラリーえにし＞
https://g-enishi.com/

ゆる鉄画廊NOMAD写真教室in江ノ電
開催日：2022年8月29日（月）予定
定員：先着20名
備考：雨天開催、荒天の場合は中止
※料金、予約受付は追ってブログでご案内いたします。

今後のゆる鉄画廊NOMADの予定です！

◯臨時号ゆる鉄画廊NOMAD六本木
2022年9月3日（土）、4日（日）
会場：トミーズバー（http://tommys-bar.jp/）