デジタルカメラマガジン
中井精也さんに聞く「世界一わかりやすいデジタルカメラと写真の教科書 ミラーレス編」の見どころ
新たにパソコン操作も解説 初心者向けの総集編に
2021年4月1日 07:00
弊社デジタルカメラマガジン編集部から、8年ぶりの最新作として登場した「世界一わかりやすいデジタルカメラと写真の教科書 ミラーレス編」(3月19日発売)について、著者の中井精也さんに見どころを聞きました。
——「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」シリーズの最新作が8年ぶりに登場しました。これは2013年の「伝わる写真の撮り方編」の続編にあたるのでしょうか?
続編ではありません。今までに発売してきたシリーズのすべての要素を分かりやすく整理し、ミラーレスカメラ時代の新しい撮影機能の使い方などをフォローした総集編になります。もちろん、一眼レフをお使いの方でも問題なく読める内容になっています。
——今までのシリーズと大きく変わった点はあるのでしょうか?
撮影に関する基本的な部分はあえて変えていません。今回は、今までのシリーズでは抜けていた基本的な部分や、バラバラな場所に載っていた情報を体系的に見直して、分かりやすく配置し直しました。カメラの設定方法も僕なりのファンクションメニューの考え方や、ボタン割り当ての方法の解説、さらに撮影したあとの写真の保存方法も紹介しています。
さまざまな場所で写真の教室を行っていますが、そこではいろいろな方の悩みを聞きます。この1冊で、皆さんが悩んでいる部分をカバーできるようにしたいと思って作りました。
——今回の新しいこだわりポイントについて教えてください。
「撮影のあとに」という、今までのシリーズにはなかったパソコンの操作方法を入れています。今って、パソコンの操作についてなかなか他人に聞けないじゃないですか。カメラからパソコンに写真を移してからレタッチをしますが、レタッチの解説本も、レタッチをするところから説明が始まっていて、その前段階としてパソコンに写真を移す方法については教えてくれません。今さらすぎるせいか、写真解説書にも、Webで調べても書いてあるところは少ないです。かといって、今さら人にも聞きにくい。
この本では、写真に必要なパソコンの基本操作だけを切り取って、僕が実際に行っているファイルのコピーや保存方法、ファイル名の付け方などを紹介しています。パソコン初心者や操作に不慣れな人でも、読めば分かる内容になっています。パソコン操作の"基本のキ"の部分を入れたのは、今回の本のこだわりです。
——写真初心者や中級者が読んでも楽しめますか?
基本的には、写真初心者に向けて作った本です。写真を始めたばかりの頃は「何が分からないのか、分からない」「何がダメなのか、分からない」という方が多いです。カメラを手にこの本を読んでもらえれば、自分が撮りたい写真はなんなのか。それをどうすれば撮れるようになるのかが分かってくると思います。
写真に対する考え方とか、実際に僕がやっている撮影方法を紹介しているので、中級者の方が読んでも発見がいっぱいあるはずです。各ページにPOINTという部分があります。ここは僕が実際に撮影していて気になった点の解決方法を載せているので、中級者の方はPOINTを重点的に見ても面白いと思います。
——今回もDVDが付いています。しかも130分の大ボリュームです! 以前とどこが違うのでしょうか?
実は、今回の動画は僕がNHK BSプレミアムでやっている「中井精也のてつたび!」と同じスタッフに作ってもらいました。スタジオとロケがあり、ロケのほうはTV番組クオリティーになっています。
スタジオも、見ている皆さんが画面を撮影して構図の作り方を学ぶなど、見るだけでなく一緒に参加できる内容になっています。130分という長丁場ですが、飽きることなく楽しめます。
さらに今回はDVDプレイヤーがない人に向けて、本を購入された方はオンラインでも動画を見られるようにしていますので、いつでもどこでも楽しんでいただけます。
——最後に、写真がもっとうまくなりたい!という方々にメッセージをお願いします。
写真を「撮るもの」と考えずに、自分が感動したものや、人に伝えたいなぁと思ったものを「伝えるためのもの」と意識してほしいです。まずは写真を撮る前に、この場所で撮ろうと思った理由はなにか、それをどう表現したいのかを考えてほしいです。撮る前に考える、漫然と撮らない、というところが大切になります。
そして、最後はやっぱり写真を楽しむということがいちばんかなぁと思います。どんな写真でも、本人が楽しんでいれば、僕はそれで良いと思っています。うまく撮ろうということが写真の目的になると、いつか写真が楽しめなくなるときが来ます。自分が楽しいと思える被写体と出合ってほしいですね。それは絶景巡りでもレタッチでも良いと思います。写真が楽しめることを見つけて、それを続けていけば自然と写真は上達していくことでしょう。