中井精也のエンジョイ鉄道ライフ「ジョイテツ！」
春満開ゆる鉄撮影地ガイド！②
西日本編
2020年2月10日 13:00
岐阜県の大垣駅から山に分け入ってゆく樽見鉄道。沿線では本巣市の「薄墨桜」が有名ですが、この駅も桜と鉄道を撮影するには最高のポイントです。薄墨桜から枝分けされたという桜が駅全体を囲んでいて、ボリュームも満点。列車を撮影するなら、樽見方の踏切付近からが定番ですが、旧型客車が静態保存されているので、その客車の窓に映る桜を撮るなど、列車がいない時間も撮影を楽しめる贅沢なポイントです。見頃は3月下旬〜4月上旬。 [Google マップ]
ライカSL（Typ601） APO-VARIO-ELMARIT-SL f2.8-4/90-280mm（270mm） 絞り優先オート（F3.7、1/2500秒） ISO 400 WB:マニュアル
前回のジョイテツ！では千葉県の桜の名所をご紹介しましたが、今回は西日本の撮影ポイントを例年の見頃と共にご紹介しちゃいます。ぜひ参考にして、春の撮影をエンジョイしてくださいね。
久大本線 豊後中川駅（大分県）
こちらは九州屈指のお立ち台ポイント。日田駅寄りの国道脇から望遠レンズで圧縮すると、まるで桜の屋根をくぐるような、ボリューム満点の春の風景と列車を撮ることができます。構図も桜の屋根のように写る縦位置がオススメです。「ななつ星in九州」などの優等列車が来る日は大変混雑するポイントになるので、むしろ何もイベントのない日にのんびりと訪ねた方がいいでしょう。線路に近づきすぎないように注意しましょう。
見頃：3月下旬〜4月上旬
平成筑豊鉄道田川線 崎山〜犀川（福岡県）
もと国鉄の田川線である平成筑豊鉄道は、鉄道を撮影している人のなかでもマイナーな存在。でもそれだけに未発掘な名所がたくさんあります。ここもその一つ。手作り感のある沈下橋と桜並木を撮影できるこの場所は、古き良き日本の原風景という感じでお気に入りです。最寄り駅である崎山駅も、国鉄時代の雰囲気を色濃く残す味わい深い駅です。ちなみに僕のブログのトップの踏切だけの作品も、この近くで撮影しました。
見頃：3月下旬
松浦鉄道 浦ノ崎駅（佐賀県）
佐賀県と長崎県を走る第三セクター鉄道の松浦鉄道。佐賀県にある浦ノ崎駅は桜の名所として有名で、線路の両側に植えられた90本のソメイヨシノはまさに圧巻です。満開の時期に合わせ「桜の駅まつり」などのイベントが開催され、とても賑わいます。例年通りであれば桜の見頃は3月下旬。九州では一番はやく桜が満開になるのもポイントです。
見頃：3月下旬
山陰本線 大岩駅（鳥取県）
鳥取駅から京都方面に2つ進んだ大岩駅は、線路に沿ってかなり長い桜並木が続いています。山陰地方では屈指の桜ポイントと言えるでしょう。望遠レンズで圧縮すると、作例のようなボリューム満点の写真になります。ホーム側からも並木全体を入れて撮影することもできます。運が良ければ懐かしいタラコ色の気動車も来るのでオススメです。
見頃：3月下旬〜4月上旬
若桜鉄道 八東〜徳丸（鳥取県）
若桜鉄道は、鳥取県にある因美線の郡家駅（こおげえき）から若桜駅を結ぶ第三セクター鉄道。終点の若桜駅も桜の名所として知られていますが、オススメは八東駅（はっとうえき）と徳丸駅の間にある八東川にかかる鉄橋付近。土手に沿って桜並木があるので、とっても贅沢な春の風景になります。背景に邪魔な送電線などがなく、撮りやすいのも魅力です。車両全体を入れてもいいですが、桜のボリュームを優先したこんな構図にしてみました。
見頃：3月下旬〜4月上旬
因美線 美作滝尾駅（岡山県）
中国山地を超えてのんびりと走る因美線。中でも古い木造駅舎が現存する美作滝尾駅（みまさかたきおえき）は、映画「男はつらいよ」の舞台として知られる人気スポット。あまり知られていませんが、ホームのすぐ横に大きな桜の木があり、春になると写真のような旅情たっぷりの風景になります。この日は風が強かったので、あえて低速シャッターで撮ることで、桜の花をぶらしてみました。目には見えない春の夜風が写ったような気がして、お気に入りの作品です。この前に寅さんが立っていたら、絵になるだろうなぁ。
見頃：3月下旬〜4月上旬
阪急電鉄甲陽線 苦楽園口〜甲陽園（兵庫県）
阪急電鉄のちいさな支線である甲陽線（こうようせん）。夙川（しゅくがわ）を渡るこの区間では、桜や春の花が咲き乱れる贅沢な作品が狙えます。夙川に沿って桜並木が続いているので、お散歩しながらのんびりと撮影できるのも魅力。ただ、かなり複雑に枝が伸びているので、構図のなかのバランスのいい位置に列車を置ける場所を探すのは、けっこう難易度が高くなります。この年は桜の咲き方にムラがあったので、桜だけでなくまわりの花をうまく使いながら構図をつくりました。
見頃：3月下旬〜4月上旬
京福電気鉄道北野線 鳴滝〜宇多野（京都府）
嵐電（らんでん）という愛称で親しまれている京福電鉄北野線には、桜のトンネルと呼ばれる名所があり、満開のシーズンには鉄道ファンだけでなく、世界中から観光客が訪れます。それだけに撮影には苦労しますが、ライトアップで浮かび上がる京都の桜は雰囲気満点！ とても贅沢な春の夜の風景です。とにかく人が多いので、安全に注意して撮影したいところ。
見頃：3月下旬〜4月上旬
長良川鉄道 深戸駅（岐阜県）
長良川に沿って走る長良川鉄道は桜の名所が多いですが、僕のオススメはこの深戸駅（ふかどえき）。ホームの横にボリューム満点の桜の木があるので、いろいろなアングルで撮影できます。駅なので列車の速度が遅く、撮影しやすいのも魅力。夕方や夜に撮る桜はライトアップされたものがほとんどですが、こうしてライトアップのない桜も、自然な旅情が感じられてオススメです。
見頃：3月下旬〜4月上旬
ゆる鉄撮影地ガイド西日本編、いかがでしたでしょうか？ 次回は「春満開ゆる鉄撮影地ガイド！③」関東編をご紹介しますのでお楽しみに。
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