クルマとカメラ、車中泊

キャンプから撮影まで幅広く使えるポータブル保温冷蔵庫「BougeRV CR Pro CH」

今回の1枚
近所の海に出かけました。気温は35℃。家にいても暑いので、海辺の風に吹かれに行ったというわけ。ドアを全開にして日陰に入れば、涼しい風が抜けてゆく。スライドドアがありがたいなあと感じる時ですな

さて、今回のアイテムは「BougeRV CR Pro CH ポータブル保温冷蔵庫」(以下、温冷庫)。保温も冷蔵・冷凍もできるタイプ。設定可能なのは冷蔵・冷凍-22℃~10℃、保温25℃~55℃と幅広く使えるのが魅力のモデルです。

このページはいつもは、僕が自腹で買ったものを紹介しているんだけれど、今回は縁あってメーカーさんからお借りできたので、しばらく使ってみました。

結果、お気に入りとなったので、ご紹介というわけ。

温冷庫とACアダプター。手前の白いものはSwitch Botの温度計。これから庫内と外気温を測ってみます

この手の温冷庫はペルチェ素子で冷却するものと、コンプレッサーで冷媒を循環させて庫内を冷やすタイプがあるんだけど、この製品はコンプレッサータイプ。

これまで何度かペルチェ素子で冷やすタイプを買ったことがあるんだけど、外気温−20℃くらいの能力なので、夏場の庫内の温度はぜいぜい10℃くらいにしかならないのですよ。飲み物だと冷えてるけどまあ、生ぬるいって感じ。

ところが、このBouge RVは庫内温度を−22℃まで、冷やせるんですね。つまり高性能ってことです。冷凍食品だって大丈夫!

本体には12Vまたは24Vのコネクターがあり、ここにシガーケーブルまたはACアダプターを繋いで電源供給します
専用のポータブルバッテリー(別売)も一緒に借りてみました
ポータブルバッテリーにはシガーソケットがあるので、シガーケーブルを使って本体と繋ぎます
本体右上に収納ボックスがあって、ここに専用ポータブルバッテリーを入れます。専用ポータブルバッテリーを使わない場合は、ACアダプターなどを入れておけます
収納ボックスにはシガーケーブルを通す穴が空いているので、シガーケーブルを通してからバッテリーに繋ぎます
こんな風に専用ポータブルバッテリーが収まります

さて、準備が整ったところで温度計を庫内に入れます。まずはテストなので庫内はカラ。飲み物もお肉も入っていませんよ〜。

収納ボックス蓋には使い方のシールが貼ってあるので、使い方に迷うことがありません。最近の機器はファンクションキーになってることが多いですよね。ツーボタンとか、長押しとか。使い方を明示しておいてもらえるのはありがたいです

テストは−22℃、消費電力MAXに設定し、最初はACアダプター、最低温度になったところで、ACアダプターを外し、専用ポータブルバッテリーを使っての冷却に切り替えました。その後は専用ポータブルバッテリーが電池切れになるまで放置しています。

庫内の温度変化
外気温の変化

テスト結果をまとめると表の通りです。

電源を入れてから2時間でほぼ最低温度に達しました。この時の温度は−14℃。この後は温度の下がり方が非常に緩やかになるので、冷却能力の最大値に達したのでしょう。さらに約1時間後の13時25分に−15.1℃。この時点で、専用ポータブル電源に切り替えました。その後は放置。

19時56分に−17℃になっていますが、これは外気温が下がったためですね。この後は温度が上がり始めるので、当日の最低温度に達するとともに、ポータブル電源が切れたのもこのあたりの時刻と判断できます。

13時30分から20時00分まで、ポータブルバッテリーで使用できたと考えられるので、6時間半も専用ポータブルバッテリーで使えたことになりますね!その後も放置し、+5℃になったのは21時22分。この頃まで、しっかり冷えたビールを飲むことができますw

このテストでは一度も蓋を開けていないので、実際の使用状況とは違います。また、設定温度が−22℃なのにその温度にならなかったのは、外気温が高かったこと、温度測定位置の違いなどさまざまな要因が考えられますが、ほぼカタログスペックが出ていると考えて良いでしょう。

製品には、専用ポータブルバッテリーを接続するための短いシガーケーブルと車内で使うための長いシガーケーブルが付属しています。その点を考慮して実際の使い方を考えてみましょう。

例えば1泊2日のキャンプ。前日からACアダプターで最低温度まで冷やしておく。朝、冷蔵庫から食材や飲み物を移し替え、設定温度を適宜変更、車のシガープラグから電源を取ってキャンプ場へ移動。午後キャンプ場に着いてから専用ポータブルバッテリーに変えれば、夜まで十分冷えたビールを飲むことができますね!

設定温度を高めにしたり、消費電力をECOモードにするなど工夫すれば、より長い時間で使えるでしょう。いずれにしても、十分以上に実用的であることがわかりました。

専用ポータブルバッテリーについてもみてみましょう。接続端子はシガーソケット、DC入力、USB Type-C、Type-Aとなっています。USB Type-Cは入出力対応となっています。

容量は220Whとコンパクトなわりに大容量です。テストでは6時間30分使えたので、平均すると33Wくらいの出力をしていたことになりますね。

CR Pro CHポータブル冷温庫のMAXモードでの消費電力は60Wとなっていますが、常にフル回転しているわけではなく、適宜出力を加減していることがわかります。

カタログや説明書には記載されていませんでしたが、パススルーにも対応しているようです。充電しながら電源を供給する機能ですね。

写真はACアダプターで充電しながら、CR Pro CHポータブル冷温庫に電源を供給している状態です。ディスプレイには入出力の数値が表示されているのですが、60Wで充電、32Wの電力を供給している状態ということになります。このまま放っておけば、温冷庫を使いながら、バッテリーは100%まで充電されるわけです。

ソーラーパネルでの充電にも対応していますから、別売のソーラーパネルを足せば、キャンプ場に着いたらソーラーパネルで充電しながら、温冷庫を動かせるのでより遅い時間まで冷たいビールを楽しむことができる!ということになりますなw

と言うわけで最初に戻ります。温冷庫を積んで近所の海に来たのです。暑い日も海辺に来ると涼しいしね。

普段は何も持たずに来るんだけど、せっかく冷温庫があるなら持ってこなくちゃ、と言うわけです。

カーゴルームではこんな感じ。軽自動車でも楽勝のサイズです

550mlペットボトルであれば21本入るとのことですが、アイスも入れたしペットボトルを立てて入れたので、今日は14本。1泊キャンプなら2人、外遊びなら4〜5人分って感じかな。庫内容量は25Lなのですが、類似の製品と比較すると外形の大きさに対して、庫内容量が大きく、つまりコンパクトなのに大容量ってことですね。コンプレッサー部分が小さくまとまっています。

今日は温度設定5℃で使ってみました。時間を置くとアイスは柔らかくなってくるけど、飲み物にはちょうどいい温度かな
サーマルカメラで見るとしっかりと冷えております。一番冷たい所は−3.4℃になってる模様

温冷庫であるので、庫内を温めることができます。設定可能な温度は25℃〜55℃。55℃はアツアツとまではいかないものの、温かい食事のできるちょうどいい温度かな。お弁当や飲み物を保温しておくのにいいよね。

さて、僕は違う使い方を想定しています。ドローンバッテリーの保温です。25℃ならちょうどいい温度かな。冬の朝など、バッテリーが冷えている時に飛行させると急激に電圧が低下して墜落することがあるんですよ。そこで飛行用のバッテリーは保温しておきます。温冷庫なら、飛行用バッテリーの保温にもちょうどいいわけです。

そうそう、カメラバッテリーの保温にもいいね。静止画だけの撮影だと深刻ではないけど、冬場にタイムラプスや動画を撮影するときは予備バッテリーをいくつも持って行くけど、待機中のバッテリーは保温しておくと安心だよね。

夏はビールやら肉を冷やしてキャンプ場へ、冬はバッテリーを保温して空撮にと、1年中活躍してくれそうな温冷庫です。年間通して使えるなら、かな〜りコストパフォーマンスの高いお買い物といえますね!

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。