クルマとカメラ、車中泊

#02:虫よ、さらば。自作不要の網戸が便利

夏の車中泊、安眠を妨げるものは暑さと虫である! ごく当たり前のことを声高に叫んでも仕方ないのだが、夏の車中泊では対策が必須だ。かつては自分で網戸を作ったりしていたが、今はお手軽で効果の高いグッズが揃っていて嬉しい限りだ。そこで今回は3つのアイテムを紹介しよう。

アイテムその1:スライドドア用のネット

まずはこれ、メルテック車用ウィンドウネット。メッシュ生地をドアに被せて面ファスナーで留めるだけの簡単仕様だが、防虫効果はバッチリだ。

慣れれば1分とかからず取り付けできるのが嬉しい。僕はスライドドア用だけを購入したが、フロントドア用もある。これで4つの窓を全開にできれば風通しも良好だ。

ただし、このようにドアに被せるネットは条件によってはドアの塗装を痛めてしまうこともある。そうしたことが気になる方には以下を。

これは車種専用になるが、窓枠内側に嵌め込むタイプなので塗装を傷つけてしまうことはない。

アイテムその2:リアゲート用のネット

2つ目はこちら、リアゲート用だ。

ワゴンやバンならではの大きな開口面積を活かせて抜群に風通しが良い。汎用品だがエブリイにはピッタリだった。この商品以外にも様々なものが出ているので、自分の車に合った大きさのものを探してみよう。

収納ポーチが付属する

気軽に脱着とまではいかないが、取り付け自体は簡単だ。工具もいらない。リアゲートのモール(ボディと扉の間のゴム部品)を外してから挟み込むだけで良い。注意点は、モールを全部外してしまわないこと。一度に全部外してしまうと、元の位置に戻すのが結構面倒なのだ。

モールの一部を外す
挟み込んでモールを戻す

スライドドアとリアゲート、二つの防虫ネットを取り付けるとこんなふうになる。無風の時は諦めるしかないが、少しでも風があれば涼しく過ごせる。まあ、車だから風がない時は、標高の高い場所に移動しましょう(笑)。

スライドドアとリアゲートに取り付け完了

アイテムその3:ドアストッパーで防犯対策

防虫ネット完備で快眠! となるところだが、リアゲートまで全開だと防犯面で不安も出てくる。そこで3つ目はこれ、KTCのドアストッパー。本来は車の板金修理などの時にドアを半開きにして固定する工具だ。

これを車体側に先に取り付けるのがポイント
次にリアゲート側のドアラッチに嵌め込む
するとリアゲートを半開きのまま固定でき、鍵もかけられる優れものなのだ

ちなみにKTCとは京都機械工具株式会社のことで、多くの自動車整備工場などで使われている、高品質な工具を製造販売している会社だ。少しでも車やバイクいじりをしたことがある方なら、憧れの工具ブランドとして知っていることだろう。

セッティング完了の図

以上3点を装備して、車内から見てみると視界も風通しも良くて安眠間違いなしなのだ。特に日中は外から車内が見えにくくなるので、陽気の良い日にはのんびり昼寝を決め込むのもいいだろう。

まとめ:労を惜しまず、しかし柔軟に

車中泊とは旅の途上、あるいは一要素である。そして、旅はホームに無事戻ってこそ完遂するものだ。だからこそ、快適な睡眠、安眠を求めることに労力を惜しんではならないし、方法に拘泥してもいけないと思うのだ。僕は車中泊派であることを自認するが長い旅程では、ビジネスホテルや温泉旅館、あるいはキャンプ場でのテント泊も組み合わせている。天候や周囲の環境などからどの方法が十分な休息を取るための近道なのかを柔軟に考えるべきだと思っている。

終わりにアニメもひとつ紹介しておこう。2020年「魔王城でおやすみ」を思い出したのだ。魔王に攫われたヒロイン、スヤリス姫が囚われの身ながらもひたすら安眠を求めるギャグアニメだ。これを見てクスッと笑い、安らかな眠りにつけますように。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。