クルマとカメラ、車中泊

#01:車中泊の鉄則、快眠はフラットな床から

連載1回目、まずは僕のアシを紹介しよう。スズキ エブリイJOINフルタイム4WD。購入して3年、走行距離は5万kmを超えた。ターボ車であり高速道路も不満のない走りだ。

コロナ禍を経てキャンプ・車中泊ブームと言われる現在、車に求めるものは移動の速さや快適さだけではなく、到着した先でいかに快適に過ごすかが重視されるようになってきたと思う。目的地で快適・便利に過ごすには様々なアイテムが必要になるが、車の収納スペースは有限だ。それゆえ、アイテムの大きさや収納性、別の用途への使い回しを考えることが重要になる。

まずは車選びだが、僕の場合は仕事でも一人で移動し、他にスタッフがいても現地集合となる場合が大半で、同乗者を乗せることを考えなくてよい。また、やはり日本の道はまだまだ狭いところが多く、全幅の大きい車では移動しづらいことから軽バンを選んだ。

僕は作品として星景写真を主に撮っているが、山やら海やらひとけのないところに行き、深夜に撮影、そのまま仮眠というスタイルが多い。よってまず考えることは車内で快適に寝ることだ。エブリイの場合、車中泊仕様にカスタムすることを考える人が多いと思うが、仕事で使う機材(ドローンやら動画機材)を運ぶことも多く、完全な車中泊仕様にしてしまうのも都合が悪い。そこで、収納ボックスを使って、収納とベッドを両立させた。以下に、いくつかの車内レイアウトをお見せしよう。

レイアウト1:日常パターン(4名乗車)

長辺80cmの大型収納ボックス2個と金属製の収納ラック。左に立てかけてあるのは、ベッドにする床板。60×90cmのベニヤ板に薄手のクッションを貼っただけだ。プラスチック製の踏み台も立ててある。軽バンは高さ方向に余裕があるので、この状態でも結構な荷物を積めるのだ。


収納ボックス。滑り止めとして、天板に自分で合皮を貼った。直接寝るには幅が狭いものの、ベニヤ板を乗せれば十分な広さのベッドになるのだ。耐荷重が80kgあるのがチョイスの理由。僕はホームセンターで購入したが、Amazonで買える同等品は以下。


収納ボックスの一つには三脚など撮影用の長物、もう一つにはシュラフなど車中泊用品が入っている。


こんなふうに使うと簡易テーブルにもなる。

レイアウト2:収納ボックスをベッドに(2〜3名乗車)

次は収納ボックスをベッドにする様を紹介しよう。まずは、収納ボックスも降ろして4名乗車状態。カーゴスペースにはベニヤ板を敷いて小さな段差を吸収しておく。


助手席側のリアシートをフラットに倒して、収納ボックスを縦に置く。このままでは天板を置いてもひっくり返ってしまうので、つっかえ棒が必要だ。赤丸で囲ったところにつっかえ棒を置いてある。

つっかえ棒と書いたが、このようにベニヤ板をL字に組んだもの

ここに天板を敷けば、快適なフラットベッドの出来上がりだ。快眠はいかにベッドの段差をなくせるかにかかっている。これで3名乗車も可能だ。寝られるのは1人だけど(笑)


2名乗車になるものの、助手席も倒してしまえば車中泊のベッドスペースとしては広大で快適だ。カーゴスペース側が足となるが、こちらにはつっかえ棒を置かない。荷物を詰め込んじゃうからひっくり返る心配はないのだ。

今後、いろんなアイテムを紹介します

以上、初回は僕の車と車中泊仕様を紹介したが、車種が違えばやり方も違ってくる。しかしながら、鉄則はいかにフラットな床を作るかに限る。収納ボックスのように意外に身近なアイテムで解決できることも多いので、これを読んだ皆さんのエッセンスになればと思っている。

思い起こせばウン10年、免許を取ってから恐らく10台くらいの車を乗り継いできたが、いつも車中泊を考えてきたなぁ。どんな車種でも工夫次第で車中泊仕様、なんとかなります。では、また次回!

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。