メーカー別「撒き餌レンズ」まとめ

ソニー:AとE、2つのマウントあわせて良作多し!

3回目となる「撒き餌レンズまとめ」。オリンパス、キヤノンと続き、今回はソニー編です。AマウントとEマウントを擁するソニーのこと、撒き餌レンズの層はことのほか厚いようです。

撒き餌レンズって何?という人は、第1回「オリンパス:低価格でお買い得……なのに“PREMIUM”の実力派!に詳しいのでご高覧くださいませ。(編集部)

「撒き餌レンズ」の認定基準(デジカメ Watch 独自解釈)

大手量販店の店頭価格が消費税込みで4万円程度を下まわっている。
現行のカメラメーカー純正レンズで、比較的明るい単焦点レンズである。
比較的発売時期が新しい、もしくは定評のある光学系を採用している。

◇   ◇   ◇

ソニーにおける撒き餌レンズの傾向

一眼レフおよびSLT用のAマウントは、35mm判に対応する無印レンズがテレコンバーターを含めて22本とAPS-Cサイズ対応のDTレンズが12本、ミラーレス用のEマウントは、35mm判対応のFEレンズが11本、APS-Cサイズ対応のEレンズが15本ある。

合計60本のうち、撒き餌レンズと認定できるのは計8本あり、各カメラメーカーの中ではもっとも多い。ただし、35mm判対応レンズのうち撒き餌レンズは85mm F2.8 SAMのみで、残りはAPS-Cサイズ対応である。

Aマウントでは、焦点距離の順に、DT 30mm F2.8 マクロ SAM、DT 35mm F1.8 SAM、DT 50mm F1.8 SAM、85mm F2.8 SAMの4本がある。この4本は、2009年から2010年に「はじめてレンズ」と銘打って発売されたもので、一眼カメラ入門者に単焦点レンズの楽しさを知るきっかけとなることを期待して企画された。きわめて撒き餌レンズらしい外観、樹脂製のマウント、AF駆動源のSAM(スムーズAFモーター)などの仕様が共通している。

どちらかと言うと、薄型化にあまりこだわらずに、比較的簡素な光学系を用いて価格の上昇を抑える考え方と思われる。また、中望遠やマクロといった、大きなボケを生かした画づくりが楽しめるレンズが多く用意されているところも興味深い。

Eマウントでは、E 16mm F2.8、E 20mm F2.8の2本が広角系のパンケーキタイプ、標準マクロのE 30mm F3.5 マクロ、手ブレ補正機構を内蔵した中望遠のE 50mm F1.8 OSSと変化に富んでいる。4本とも金属マウントを採用しており、外観の品位も高い。

なお、E 16mm F2.8とE 30mm F3.5 マクロはシルバーのみ、E 20mm F2.8はブラックのみ、E 50mm F1.8 OSSはブラックとシルバーの2色が用意される。

光学系は、短いフランジバック(マウント面から撮像面までの長さ)に合わせて新しく設計されたもののようで、広角系の2本は構成枚数は少ないながらも非球面レンズを使用して高画質化をはかっている。また、きわめて軽量であるのも特徴と言える。

一方、E 30mm F3.5 マクロは非球面レンズ×3枚、EDガラスレンズ×1枚を含む6群7枚構成、E 50mm F1.8 OSSは8群9枚構成という、撒き餌レンズとしてはかなりぜいたくな設計を採用している。

85mm F2.8 SAM

実勢価格:2万4,600円前後
マウント:Aマウント

開放F値を抑えて低価格化と小型軽量化をはかった中望遠レンズで、35mm判対応ながら、最大径70mm、長さ52mmと小型で175gと軽く、携帯性がよい。

レンズ構成は4群5枚構成のゾナー型を採用しており、解像のよさと素直なボケ描写が期待できる。

7枚羽根の円形絞りを採用しているのも見どころのひとつだ。APS-Cサイズ機では35mm判換算127.5mm相当の画角となり、望遠レンズの入門用としても悪くない選択肢と言える。

85mm F2.8 SAM

ソニー、小型軽量のポートレートレンズ「85mm F2.8 SAM」

DT 30mm F2.8 マクロ SAM

実勢価格:2万400円前後
マウント:Aマウント

APS-Cサイズ対応の標準マクロレンズで、凹レンズが先行する5群6枚構成の光学系の採用により、小型軽量化と低価格化をはかっている。等倍撮影まで可能ながら150gという軽さ、税込み2万円強というお手ごろさを実現しているのが大きな魅力。

等倍撮影時には、レンズ前縁からわずか2cmまで近接するため、使い勝手の面ではやや悪い部分もあるが、背景も同時に写し込んでの状況説明的な撮影には便利である。

DT 30mm F2.8 マクロ SAM

ソニー「DT 30mm F2.8 SAM」「DT 50mm F1.8 SAM」
link|http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20090929_318142.html|ソニー、「DT 30mm F2.8 Macro SAM」を10月22日に発売
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ソニー、2万5,200円の軽量単焦点レンズ「DT 35mm F1.8 SAM」

DT 35mm F1.8 SAM

実勢価格:1万7,000円前後
マウント:Aマウント

開放F値をほどほどに抑えた入門者向けの標準レンズ。

35mm判換算で52.5mm相当の画角を持つ。同じスペックのニコンAF-S DX 35mm F1.8 Gに比べるとレンズの構成枚数は少なく(球面レンズのみの5群6枚構成)、樹脂製マウントを採用していることもあって、軽量かつ低価格に仕上げている。

最短撮影距離0.23m、最大撮影倍率0.25倍と近接能力が高く、静物撮影などに活用すると、大きなボケを生かした画づくりが楽しめる。

DT 35mm F1.8 SAM

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ソニー、「DT 35mm F1.8 SAM」「85mm F2.8 SAM」のレンズフードを単体発売

DT 50mm F1.8 SAM

実勢価格:2万2,000円前後
マウント:Aマウント

35mm判に換算して75mm相当の画角を持つAPS-Cサイズ対応の中望遠レンズで、高い描写性能と素直なボケ描写が期待できるガウスタイプの光学系を持つ。ボケ味を損なわない円形絞りの採用も見どころのひとつだ。

最大撮影倍率が0.2倍(35mm判換算で0.3倍相当となる)と近接能力が比較的高く、F1.8の明るさもあわせ持っていることから、人物や静物、スナップ撮影など、幅広く活用できる汎用性の高さも魅力だ。

DT 50mm F1.8 SAM

ソニー「DT 30mm F2.8 SAM」「DT 50mm F1.8 SAM」
ソニー、デジタル専用の単焦点レンズ「DT 50mm F1.8 SAM」

E 20mm F2.8

実勢価格:4万2,000円前後
マウント:Eマウント

マウント面から前縁までの長さが20.4mmという薄さを実現した広角系パンケーキレンズで、Eマウント用ではもっとも薄い。その薄さを損なわないキャップ型のレンズフードが付属している。

レンズ構成は6群6枚と多くはないが、うち3枚に非球面レンズを採用した凝ったもので、画面中心部から周辺部まで像の崩れや歪曲収差を抑えているという。

撒き餌レンズとしてはやや高価な部類に属するが、その分、画質とAFの速さはまさっている。

E 20mm F2.8

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E 50mm F1.8 OSS

実勢価格:3万5,000円
マウント:Eマウント

F1.8の明るさと小型軽量さ、お手ごろ価格を兼ね備えた中望遠レンズである。

球面レンズのみでEDガラスなどの特殊硝材も使っていないが、8群9枚と構成枚数も多いうえに、焦点調節には高速で静かなAF駆動を実現するインナーフォーカス方式、光学式手ブレ補正機構など、およそ撒き餌レンズらしからぬ高級仕様となっている。

また、7枚羽根の円形絞りを採用しているので、人物や静物の撮影できれいな玉ボケが楽しめるのも見逃せない点だ。

E 50mm F1.8 OSS(ブラック)
E 50mm F1.8 OSS(シルバー)

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E 16mm F2.8

実勢価格:2万5,000円前後
マウント:Eマウント

Eマウントでは最古参の広角系薄型レンズで、初代のNEX-5、NEX-3のレンズ付きキットにも同梱されていた。ソニーの撒き餌レンズの中ではもっとも広角で、室内でのスナップ撮影などにも使いやすい。

薄さ22.5mm、重さわずか67gと携帯性も高い。純正でレンズフードの設定はないが、エツミやUNから発売されているドーム型のものが利用できる。

E 20mm F2.8と兼用の魚眼と超広角のコンバージョンレンズが発売されていることも特徴としてあげられる。

E 16mm F2.8

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E 30mm F3.5 マクロ

実勢価格:2万3,300円
マウント:Eマウント

2万円代前半で手に入れられるお手ごろ価格ながら、等倍までの近接撮影が可能な標準マクロレンズ。6群7枚構成の光学系には非球面レンズ×3枚とEDガラスレンズ×1枚が採用されており、画質面でも期待できる。開放F値こそやや暗めだが、寄れる標準レンズとして活用するのも楽しいだろう。

インナーフォーカス方式を採用しているため、ピント合わせで鏡胴の長さは変化しない。また、AF動作が静かで速いところも特徴のひとつとなっている。

ソニーE 30mm F3.5 Macro
ソニー、NEX用等倍マクロレンズ「E 30mm F3.5 Macro」

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら