ニュース
ソニー「RX1R III」体験会レポート 前モデルとの比較や実写画像を掲載
小さなボディに、フルサイズαの性能を凝縮
2025年7月17日 17:32
既報の通りソニーは新型のコンパクトデジタルカメラ「RX1R III」を8月8日(金)に発売する。ここでは7月17日に行われたメディア向け体験会の模様をお伝えする。
RX1R IIIは、「RX1R II」(2016年2月発売)の後継モデルということで9年ぶりの新機種であり、またコンパクト機ながら66万円前後という想定価格でも大きな話題になっている。
フルサイズカメラとして究極に切り詰めたボディ
まず手にしてみると、改めて「小さい」と言ってしまうほどコンパクトだ。ボディ部分は35mmフルサイズセンサーを搭載しているとは思えないほど薄い。重量も500gを切っており、フルサイズ機と考えると持ち運びも苦になるものではないだろう。
外観もスッキリとした。特に上面は段差のないフラットな作りになり、良い意味で「塊」として感じられる。新しいボディのテクスチャやグリップの新すべり止めパターンもマッチしており、「写真を撮る道具」といった風格も増したように思う。
ソニーによるとRX1シリーズはいまだ多くのフォトグラファーに使われているそうで、新機種が欲しいという声が多かったそうだ。「10年間のソニーのテクノロジーをふんだんに入れたRX1を作れた」ことから、このタイミングでのリリースになったという。
バッテリーが大容量に ビューファインダーも強化
レンズは「高い評価があり、『これがいい』というユーザーも多い」(ソニー)ことから、従来機を踏襲した。そもそも初代の「RX1」(2012年発売)からレンズの基本的な部分は変わっていないとのことだ。
バッテリーは大型化し、「NP-FW50」を新たに採用。画素数向上やAI処理などで消費電力は増えているが、トータルでは前機種を上まわる撮影可能枚数を実現した。
底部には「MADE IN JAPAN」の表記も見られる。愛知県のソニー 幸田サイトで生産しているそうだ。
ビューファインダーは前機種のポップアップ式から固定式に変更された。今回アイポイントが約19mmから約22mm(最終光学面から)と長くなった。筆者はメガネをかけているが、従来機だとフレーム全体が微妙に見えていなかった。新モデルでは同じように覗いてもフレーム全体を見ることができた。
RX1R IIとの比較
RX1R IIと並べてみた。光沢のあったボディテクスチャはマットな質感に変わった。上部がフラットになったことで、バッグへの出し入れがしやすくなった可能性もある。
前モデルでは目立っていたオレンジ色のシナバーリングがかなり細くなった。目立たないのでより精悍な印象を受ける。ファインダーと液晶モニターのギミックは大きな変更ポイント。液晶モニターが固定式になったのは、軽量化を優先したためという。
前後ともきれいなボケが楽しめる
会場で撮影した実写画像をいくつか掲載する。いずれの作例も絞りは開放のF2で撮影している。
下はマクロモードの最短撮影距離付近で撮影したもの。前後ともとろけるようなボケが魅力的だ。
RX1R IIIには新たに「ステップクロップ」機能が搭載された。C1ボタンを押すと50mmと70mmにクロップされる。ボタンを押すごとに35/50/70mmを循環するので、素早く別の画角で撮影できた。
下の作例はマクロモードでステップクロップを使ったもの。マクロ時に使うと、最短撮影距離よりも拡大しての撮影が可能となる。前機種で同様の機能だった「スマートテレコンバーター」ではフォーカスフレームの位置が指定できなかったが、今回は任意の場所にピントを合わせられるようになった。
色調整機能の「クリエイティブルック」には、フィルム風の仕上がりになるFL2およびFL3が追加されている。