日本カメラ財団、2009年の歴史的カメラ10機種を選定

~K-7、Real 3D W1、GXRなど

 日本カメラ財団は、「2009年の日本の歴史的カメラ」に選定した10機種を発表した。

 「日本の歴史的カメラ」は、日本におけるカメラ発展の歴史を世にとどめるために日本カメラ財団が1969年より毎年選定するもの。1年間に国内で発売された銀塩カメラ、デジタルカメラの新製品の中から、「技術史的に意義のある日本最初の試みがされている」、「市場において特に人気を博する」などの観点から選定する。

 審査員は日本カメラ財団の森山眞弓氏、写真技術研究家の市川泰憲氏、カメラ評論家の河田一規氏、「写真年鑑」編集長の河野和典氏、カメラ評論家の那和秀峻氏、写真機家の平山真人氏、カメラ評論家の堀瑞穂氏、東京工芸大学の山本晃氏の8名。

2009年の日本の歴史的カメラ(デジタルカメラおよび銀塩カメラ)
発売日メーカー製品名選定理由
2009年2月20日パナソニックLUMIX DMC-FX40あらかじめ登録した人物の顔に優先的にピントと露出を合わせる「個人認識」機能の採用
2009年4月24日パナソニックLUMIX DMC-GH1レンズ交換式デジタルカメラにおいて、ほぼ同じ画角でのマルチアスペクト撮影を可能とし、フルHD動画撮影中のAF動作が可能
2009年4月24日富士フイルムGF670 Professional絞り優先AEを可能としたフィルム使用の6×7判蛇腹式フォールディングカメラ。6×6判への切り替えが可能
2009年6月27日HOYAペンタックスK-7撮像素子を回転方向に動かして水平を自動補正する機能の採用。視野率100%のデジタル一眼レフカメラ
2009年8月8日富士フイルムFinePix REAL 3D W12つの撮像系を備え、3D写真のほか、テレ・ワイド同時撮影、2カラー同時撮影などが可能。内蔵液晶ディスプレイで裸眼による3D映像鑑賞を行なえるほか、オプションで8型の3D液晶ビューワーも用意
2009年9月18日ソニーサイバーショットDSC-WX1裏面照射型のCMOSセンサーを採用したデジタルカメラ
2009年10月16日HOYAペンタックスK-x3種のレギュラーカラーに加え、ボディ20種類とグリップ5色(全9色)を組み合わせてオーダーすることで100種類のカラーパターンが選択可能なデジタル一眼レフカメラ
2009年10月23日ニコンCOOLPIX S1000pj世界初のプロジェクター内蔵デジタルカメラ
2009年11月27日ニコンD3S常用感度ISO200~12800、最高感度ISO102400で撮影可能なデジタル一眼レフカメラ
2009年12月18日リコーGXRレンズ、撮像素子、画像処理エンジンを一体化し、交換可能としたデジタルカメラ。カメラユニットにより異なるサイズの撮像素子を採用

 また今回は、1996年までに発売されたデジタルカメラおよびスチルビデオカメラより、歴史的カメラとして14機種を遡って追加選定した。追加選定されたカメラは次の通り。

1996年までに発売された日本の歴史的デジタルカメラ
発売日メーカー製品名選定理由
1987年11月30日カシオVS-1011台で録画、再生が可能な一般ユーザー向けスチルビデオカメラ
1988年12月コニカスチルビデオカメラKC-300ポップアップファインダー採用。20、6、2コマ/秒の連写機能
1988年12月15日キヤノンフロッピーカメラQ-PIC RC-250録画、再生、消去機能をいったいとした一般ユーザー向けスチルビデオカメラ。低価格設定やアクセサリー展開を行ない注目を集めた
1988年12月中旬ソニースチルビデオカメラレコーダー マビカMVC-C1撮像素子にMOSを使用し、一般ユーザー向けに発売したスチルビデオカメラ
1995年2月15日ニコンデジタルスチルカメラE2デジタル専用設計のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラとして初めての製品。縮小光学系を設けて35mm判と同じ画角で撮影可能。富士フイルムと共同開発
1995年2月15日富士写真フイルムフジックス デジタルカードカメラDS-505デジタル専用設計のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラとして初めての製品。縮小光学系を設けて35mm判と同じ画角で撮影可能。ニコンと共同開発
1995年3月10日カシオQV-10ファインダー兼用の液晶ディスプレイとレンズ部回転機構を備えたデジタルカメラ。当時としては画期的な低価格で発売し、その後のデジタルカメラ普及に大きく貢献した
1995年4月20日リコーDC-1静止画像のほか、1シーン5秒の動画と音声を記録可能なデジタルカメラ。普及型デジタルカメラとして初めて機械式シャッターを採用した
1995年10月16日ミノルタデジタルカメラRD-17538万画素のCCDを3枚使用し、画素ずらし方式により175万画素の合成画素数を達成したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ
1995年12月20日キヤノンEOS・DCS1デジタルカメラ1ショットで600万画素の画像を撮影可能なデジタル一眼レフカメラ。ベースボディには「キヤノンEOS-1N」を採用
1996年7月上旬キヤノンPowerShot 60057万画素の1/3インチCCDを採用したデジタルカメラ
1996年7月12日富士写真フイルムクリップ・イットDS-7記録媒体にスマートメディアを採用し、VGA記録を可能とした初めてのデジタルカメラ
1996年10月10日ソニーサイバーショットDSC-F1ストロボ発光部と一体化したレンズユニットを持つデジタルカメラ。赤外線による画像転送が可能。「サイバーショット」として人気を博した
1996年11月20日コニカデジタルカメラQ-EZ記録媒体にインテル社開発のミニチュアカードを採用

(本誌:鈴木誠)

2009/12/17 15:53