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【フォトキナ】4K動画撮影に対応した中判一眼レフ「ライカS」が登場

APS-Cコンパクト、ライカT新レンズ、新コンパクトデジカメも披露

 フォトキナ2014にあわせ、ライカカメラAGが発表したライカS、T、Xおよびコンパクトの新製品についてお届けする。Mシステムの新製品についてはこちらの記事をご覧頂きたい。

4K動画撮影に対応した「ライカS」

 「ライカS」(Typ007)は、ライカSシリーズで初めてCMOSセンサーを採用し、ライブビューと4K動画撮影に対応した。国内では2015年発売。

ライカS(Typ007)

 撮像素子は有効3,750万画素CMOSセンサー(30×45mm)。感度はISO100-6400で設定可能。シャッター速度は1/4,000秒〜125秒(CSレンズでは最高1/1,000秒のレンズシャッターも利用可能)。連写は3.5コマ/秒。バッファは2GB。ボディは防塵防滴。

 4K動画記録は4,096×2,160/24fpsのMotion JPEG。カラーサンプリングは4:2:2。外部HDMIレコーダーに録画可能な出力を備える。ライブビューは60fps。2軸のアルコール水準器を内蔵する。

  新たにライカMaestro IIイメージプロセッサーを採用。無線LANとGPSを搭載し、スマホからのリモート撮影も可能としている。記録メディアはCF(UDMA 7対応)とSDXC/SDHCカード。

中判エントリーモデル「ライカS-E」を追加

 ライカSには新たにエントリーモデル「ライカS-E」(Type 006)が登場。上面をアンスラサイトグレーにし、ダイヤル類はシルバーとした。有効3,750万画素のCCDセンサー(30×45mm)を採用する。

ライカS-E(Type 006)

 Typ006は、前回のフォトキナでライカS2の後継として発表された「ライカS」のタイプナンバー。つまり外観以外の基本仕様は2012年発表のライカSがベースと見られる。

ライカTに広角ズーム・望遠ズームが追加

 Tシステムの発表時からフォトキナ発表を予告していたレンズ。「ライカ スーパー・バリオ・エルマーT f3.5-4.5/11-23mm ASPH.」(17-35mm相当)と 望遠レンズ「ライカ アポ・バリオ・エルマーT f3.5-4.5/55-135mm ASPH.」(80-200mm相当)が正式発表された。いずれも国内では2015年発売予定。

スーパー・バリオ・エルマーT f3.5-4.5/11-23mm ASPH.
アポ・バリオ・エルマーT f3.5-4.5/55-135mm ASPH.

 ライカカメラAGでライカTシリーズを担当しているMaike Harberts氏によると「今回の新レンズ追加により17-200mm相当をカバーできた。これがカメラシステムとして最初の要件だった」とのこと。Tのレンズ製品企画においても、クラス最高の画質であることを第一に、使い勝手とコンパクトさを意識しているのだという。

Maike Harberts氏。ライカTとXシリーズを担当する。フォトキナ2012で登場した“X2ポールスミス”も彼女が手がけた

APS-CコンパクトのXシリーズも新ラインナップに

 ライカX(Typ113)は、有効1,620万画素APS-Cセンサーに35mm判換算35mm相当の「ライカ ズミルックスf1.7/23mm ASPH.」レンズを組み合わせるレンズ一体型モデル。国内10月発売。

ライカX(Typ113)ブラウン
ブラック

 最短撮影距離は0.2m。フルHD動画記録に対応。フィールドスコープに取り付けるアクセサリーにも対応する。Wi-Fi機能は持たない。ブラックと、ブラウンのレザーをまとったシルバーの2色。

EVFはライカTと共通。EVF内蔵のGPS機能にも対応している

 ライカX-E(Typ102)は、ライカX2がベースのAPS-Cコンパクト。35mm相当レンズを搭載する。チタンカラーのボディにシルバーのレンズ鏡筒とした。10月から国内発売。

ライカX-E(Typ102)

 ライカXはシルバーボディにおけるブラウンのレザーが目を引くが、クラシックなブラックも用意している。シルバーにブラウンのレザーという組み合わせも、どちらかというとトラディショナルな色合い。メカ志向のユーザーに限らず「ライカはカッコいいから買う」という層にも向くだろうとしていた。

 またライカX-Eは、チタンカラーの重厚な色合いにシルバーレザーがまぶしい。ミリタリーブルゾンにミニスカートを合わせているような感じを受けた。この感性も、女性が製品担当に加わったことが大きいとのことだった。

ライカXとライカX-E

コンパクトの新機種も

 「ライカD-LUX」は、フォーサーズセンサー搭載のコンパクトデジタルカメラ。24-75mm相当F1.7-2.8の「ライカ DCバリオ・ズミルックス」レンズ、4K撮影機能、約280万ドットEVF、Wi-Fi/NFC機能などを装備する。国内では11月発売。

ライカD-LUX
自動開閉レンズキャップを装着したところ
ストロボを装着

 「ライカV-LUX」は、1インチセンサーと16倍ズームレンズを搭載した高倍率モデル。レンズは35mm判換算25-400mm相当F2.8-4のライカDC バリオ・エルマリート。

ライカV-LUX

 ライカSを意識したデザインに仕上がっており、“ライカS mini”のような雰囲気もある。Wi-Fi/NFC対応。3型バリアングルモニター、240万ドットEVFを搭載する。

(本誌:鈴木誠)