トピック

PLとハーフNDをシームレスに使いこなせる風景撮影に必携の「ドロップイン Natural CPL+GNDフィルター」

風景写真にとってフィルターワークは必要不可欠だ。特に水面や岩場などの反射を調整できるPLフィルターの効果は、レタッチソフトを使って処理するのが困難なので、現場でしっかり撮影しておくことが重要になる。明暗差が大きいシーンで使うハーフNDフィルター(GND)は、レタッチソフトでも再現できるが、無理な処理は画像の劣化につながるので、できるだけ撮影時にフィルターワークで、完成系に近づけるように心掛けている。

Natural CPLフィルターは色かぶりをほぼゼロに抑えて青空をクリアに表現する。水面や葉の反射除去でもカラーバランスが崩れることなく忠実な色再現をしてくれる。GNDフィルターはマグネット式なので、ホルダーへのフィルターの脱着も素早くできる。高い光学性能でレンズ本来の描写力を損ねないので、フィルターを2、3枚と重ねて使うことにもためらうことなく、仕上がりを自在にアレンジできる。

H&Yフィルターを使って4年半近くになる。丈夫なゴリラガラスを採用しているので割れにくく、強化コーティングも施されているため傷も付きにくい。耐久性にとても優れているので、最初に購入したものを1枚も買い替えることなく、今も使い続けている。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年11月号』より転載・加筆したものです。

ドロップイン Natural CPL

H&Y 100mm K-Series フィルターホルダー専用
2万2,600円前後
使い方
①カバーキャップを外す
レンズにK-Series フィルターホルダーを装着し、ホルダー上にあるカバーを外す
②CPLフィルターを差し込む
CPLフィルターをホルダーの上から差し込む。カチッとはまったら、フィルターの装着は完了
③ダイヤルを回して効果を調整
CPLフィルターの効果を調整する。カメラ側から見て左側にある調整ダイヤルを回す

偏りのない発色で池の青をより鮮やかに

フィルター未使用|CPLフィルター適用後
OMDS OM SYSTEM OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO/125mm(250mm相当)/マニュアル露出(F5.6、1/125秒)/ISO 3200/WB:晴天

Natural CPLを使用して水面の反射を除去すると、水中に沈んでいる倒木や水草までクリアに描写できた。さらに、色かぶりをほぼゼロに抑えた新しい偏光膜が池の青をより鮮やかに表現し、水の透明感が実によく再現されている。池の繊細なエメラルドグリーンは少しでも色が変わると濁って見えてしまう。Natural CPLはカラーバランスに優れるため、宝石のような美しい色合いを損なうことなく見せてくれている。

露出倍数が明るいため暗所でもぶれにくい

フィルター未使用|CPLフィルター適用後
OMDS OM SYSTEM OM-1 Mark II/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/24mm(48mm相当)/マニュアル露出(F5.6、1/5秒)/ISO 200/WB:晴天

岩肌のぬれているテカリをNatural CPLで取り除き、立体的に引き出した。カラーバランスの良さに特徴があるフィルターは偏光度が低下し、露出倍数が大きくなる傾向にあったが、Natural CPLの偏光度はなんと驚異の99%。それでいて、露出倍数も約1段分と明るいため、暗い場所でも、シャッター速度がほとんど遅くならない。森の中など、暗くてぶれやすいシーンでもISO感度を上げることなくシャッター速度を稼げるのは助かる。

マグネットフレーム付きGND

100x150mm K-Series用
Balancer GND:2万6,980円前後
Soft GND:2万6,980円前後
Hard GND:2万6,980円前後
使い方
①K-Series フィルターホルダーを装着する
レンズの口径に合わせて、レンズに付属のアダプターリングを装着し、フィルターホルダーを付ける
②ホルダーにフィルターを吸着させる
フィルターはマグネット式なので、ホルダーに近づけると自動的に吸着する。上下を逆にしても装着できる
③使いたい効果に合わせてフィルター位置を調整する
フィルター位置を調整する。動きはスムーズ。それでいて不意な衝撃でも外れない強力なものだ。横のネジを締めると、フィルターを好みの位置で強力に固定できる

バランサーGNDで朝焼けを美しく

フィルター未使用|バランサーGND16適用後
FUJIFILM GFX100S II/GF45-100mmF4 R LM OIS WR/45mm(36mm相当)/マニュアル露出(F16、1/10秒)/ISO 400/WB:晴れ

山並みの雲海に露出を合わせ、白飛び気味の空にバランサーGNDを使って明暗差を調整した。バランサーGNDはH&Yが独自に企画した新しいコンセプトのGNDフィルターで全体の露出をナチュラルに整えられるのが特徴。GNDの境目を気にせず使用でき、GND初心者にも扱いやすい。

ハードGNDで強い光も描き出す

フィルター未使用|ハードGND8適用後
FUJIFILM GFX100S II/GF32-64mmF4 R LM WR/32mm(25mm相当)/マニュアル露出(F16、1/3秒)/ISO 200/WB:晴れ

苔むした岩肌を描写したいと思うと滝が飛んでしまう。そこでハードGNDを横に装着して、白飛びを解消した。ニュートラルなグラデーションNDコートにより色転びを気にせず使用できる。ゴリラガラスを採用しているので破損を気にせず、さらに撥水コートが施されているので滝の撮影でも安心して使える。

東京英和女学院大学卒。写真家、前川彰⼀氏に師事。日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを見つめ表現する。アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞後、フリーとして活動。写真集に『MOMENT』・『FORME』・『桜 ー刹那と永遠ー』がある。日本写真家協会、日本写真協会会員。