特別企画
瞳トラッキング×40コマ/秒の超高速連写! キヤノン EOS R6 Mark IIの実力をポートレートで試してみた
2022年11月22日 12:00
数々の先進機能を搭載して新たに登場した「EOS R6 Mark II」。中でも瞳トラッキングを中心としたAF関連や、最大約40コマ/秒を誇る連写性能が大きな注目を集めています。
このページではポートレートにおけるそれら2つの可能性を探るべく、フォトグラファーの髙木慎平さんにEOS R6 Mark IIによる作品と解説をお願いしました。(編集部)
SPECIFICATION
有効画素数: 約2,420万画素
EVF: 0.5型/約369万ドット/約0.76倍(50mmレンズ・∞、-1m-1)
測距範囲: EV-6.5〜21
ISO感度: ISO 100〜102400
手ブレ補正機構: ボディ内5軸 最高約8.0段
シャッター速度: 1/8,000〜30秒(メカ、電子先幕)、1/16,000秒※、1/8,000〜30秒(電子)、バルブ
連続撮影速度: 高速連続撮影+ 約40コマ/秒(電子)、約12コマ/秒(メカ/電子先幕)
背面モニター: 3.0型/約162万ドット
使用電池: LP-E6NH/LP-E6N/LP-E6
外形寸法: 約138.4×98.4×88.4mm
質量: 約670g(バッテリー、カードを含む)
※Tv/Mモード時のみ選択可能
画面の中で人物が小さくても瞳をキャッチする
瞳を検出して追いかける瞳トラッキング。使って驚いたのは、モデルが離れていっても瞳を検出したことだ。
モデルが画面内で小さいと1点AFでは瞳にピントを合わせるのは難しいため、顔に合わせるというアバウトな感じになってしまう。きちんと合っているのか? という不安がないのがありがたい。
モデルの距離がさらに離れると瞳ではなく顔を検出する。カメラのモニター上でも瞳を認識しづらい距離で顔へと切り替わる感覚で、かなりのところまで瞳を検出してくれる。
画面内に入る人物の大きさを変えて、瞳の検出性能を比べた。一番左の顔がギリギリ分かるような大きさでも瞳を検出した。顔と瞳で迷うことがあったが、瞳に行く方が多かった。中央の大きさでは瞳を完全に検出する。一番右の大きさでは瞳は難しく、上半身にAFフレームが広がり人物として捉えていた。
大口径レンズの開放F値でも楽々追従
強力な瞳トラッキングはF値の明るい大口径レンズを使うときにも効果を発揮する。
被写界深度が浅くなるほどわずかなピントのズレが気になり、モデルが少しだけ動いてもずれてしまう。
EOS R6 Mark IIの瞳トラッキングは捉える速度が速く、さらに正確なので大口径のボケ感を大いに楽しむことができる。
暗い場所でも瞳を追い続ける
室内や照明の少ない場所で撮影する場合でも瞳トラッキングが非常に役立った。
EOS R6 Mark IIはEV-6.5(ワンショットAF時)まで測距できる能力を持っているが、実際に夕暮れで撮影してみたところ、明るい場所での撮影と変わらない精度で瞳を追尾し続けてくれた。
明るさに関わらずどこでも瞳トラッキングが使えるのはかなり便利だ。
Point|大口径レンズを使った方が精度が上がる
暗い場所では開放F値の明るいレンズの方が被写体検出の精度が上がる。
キヤノンには筆者も愛用するRF35mm F1.8 MACRO IS STMのようなコンパクトな単焦点レンズもそろっているので、暗い場所で撮ることが多いのなら1本は持っておくと良いだろう。
動画を撮るようにポートレートを撮影できる
歩きながら撮影するときや、風の強い場所で人物を撮影するシーンを約40コマ/秒で撮影すると表情や髪の動きなど写りの良い1枚をあとから選ぶことができる。撮り直しのできない場所の撮影では40コマ/秒の連写はとても便利な機能だと感じた。動画からお気に入りの一瞬を切り出すような感覚で使用すると良い。
メカ/電子先幕 | 電子 | |
---|---|---|
EOS R6 Mark II | 約12コマ/秒 | 約40コマ/秒 |
EOS R3 | 約12コマ/秒 | 約30コマ/秒 |
EOS R7 | 約15コマ/秒 | 約30コマ/秒 |
Point|ローリングシャッターゆがみは気にならない
電子シャッター撮影時に気になるのが、被写体の形が変わって写るローリングシャッターゆがみ。
EOS R6 Mark IIではEOS R6と同等以下までにゆがみが抑えられているので、人物撮影では積極的に電子シャッター+高速連写を使っても問題ないと感じた。
電子シャッターにすると、室内の撮影で役立つサイレントシャッターも使えるのも心強い。
日常のわずかな変化を逃さない
新しいスタンダード機として登場したEOS R6 Mark IIは本体が約670gと軽く、RFレンズは軽量化されているものも多いため、小旅行や日常で人物を撮影するのに最適なカメラだと感じた。
肌のきめの細やかさ、ピントが合った部分のシャープ感、そして色合いは「さすがキヤノン」と感動するほど美しく、ポートレート撮影の楽しさを引き出してくれる。
メニュー画面も見やすく、分かりやすく設計されているため、EOS R6 Mark IIを始めて使う人でも直感的に自分好みの設定も簡単に行える。
今回、多用した瞳トラッキングはピントを合わせる目を右目か左目かを選ぶこともできる。撮影したい顔の向きが決まっている場合は、とても快適かつ正確に撮影をすることができるおすすめの機能だ。
瞳にピントがきれいに合っている写真は見る人の目を引き付ける力があるので、瞳トラッキングでこれからのポートレート写真のクオリティーがどんどん上がってくるのではないかと感じている。
モデル:YUI
制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社