特別企画

“手持ちハイレゾショット”で残したい初冬の絶景

OM-D E-M1 Mark III+M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

OM-D E-M1 Mark IIIにM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROを装着。実勢価格はそれぞれ18万5,000円前後、13万5,000円前後

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年1月号』収録より抜粋・再構成したものになります。

ハイレゾショットとは撮像センサーを精密に移動させながら複数回の露出をおこない、それを1枚に合成することで、搭載されているセンサーの画素数以上の高精細な画像を得る機能。OM-D E-M1 Mark IIIには手持ちと三脚の2種類のハイレゾショットが搭載されているが、手持ちハイレゾショットを選べば、フレーミングの微調整を即座に行え、三脚禁止や三脚を広げるスペースがない場所でISO感度を上げて撮影しても、高解像かつノイズの少ない画像が得られる。

今回は超広角から標準までズーム全域で高画質が得られるM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROと組み合わせて撮影し、さまざまなシーンでハイレゾショットの効果を試してみた。

ハイレゾショットには「手持ち」と「三脚」の2種類がある。中でも手持ちハイレゾショットは機動力を損なわずに撮影できるのがうれしい

POINT1…圧倒的な解像感が霜の質感を描き出す

従来、ハイレゾショットは三脚の使用が必須だったが、E-M1 Mark IIIには、手持ちでの撮影時に生じるわずかなずれを利用して5,000万画素の画像を生成する手持ちハイレゾショットが搭載されている。高い解像感と手持ち撮影ならではのフレーミングの自由さを両立させているため、絶景の撮影には最適だ。

氷点下に冷え込んだ朝、冬枯れの草に霜が降り、美しい情景が広がっていた。風がなかったので手持ちでかなりシダに接近しながら撮影した。高解像により霜の結晶や細かいシダの葉脈まで克明に分かる(手持ちハイレゾショットON)
OM-D E-M1 Mark III/M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO/21mm/絞り優先AE(F5.6、1/180秒、-2.3EV)/ISO 200/WB:晴天
手持ちハイレゾショットON(5,000万画素相当)
中央をピクセル等倍でトリミング
手持ちハイレゾショットOFF(2,037万画素)
中央をピクセル等倍でトリミング

POINT 2……2段分のノイズ低減によるクリアな暗部描写

手持ちハイレゾショットは16枚を加算平均で合成するので、特に高感度で撮影した際、約2段分のノイズが軽減されるというメリットがある。ISO感度を上げないとシャッター速度を稼ぐことができない場合や、日陰など暗い場所での撮影でとても有利になる。加えて、高感度撮影は画質の劣化につながるが、これも合成のおかげで解消される。

霜が降りた草の曲線の美しさを表現した。まだ朝日が昇る前だったので、シャッター速度を稼ぐためにISO 800にアップして撮影したが、ノイズを感じることなく繊細な曲線美を描写してくれた(手持ちハイレゾショットON)
OM-D E-M1 Mark III/M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO/12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F5.6、1/40秒、-1.7EV)/ISO 800/WB:晴天
手持ちハイレゾショットON(5,000万画素相当)
中央をピクセル等倍でトリミング
手持ちハイレゾショットOFF(2,037万画素)
中央をピクセル等倍でトリミング

制作協力:OMデジタルソリューションズ株式会社

東洋英和女学院大学卒。写真家、前川彰一氏に師事。日本国内の自然風景をテーマに光・色・フォルムを巧みに操り表現する。アマチュア時代、多数のカメラ誌の月例コンテストにてグランプリや年度賞を受賞し、2019年よりフリーとして活動を始める。同年、個展「MOMENT」(富士フイルムフォトサロン東京 大阪 名古屋 福岡 札幌)開催。写真集『MOMENT』(文一総合出版)を出版。2020年「栞ーfour seasonsー」(オリンパスプラザ東京 大阪)開催。 公益社団法人日本写真家協会会員・公益社団法人日本写真協会会員