特別企画

初心者でも簡単に星が撮れる充実の機能…OLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIIで撮る星景写真

夏の風物詩である富士山の登山者の明かりと天の川、そして木星を広角側8mmで撮影した。AFターゲットを木星にし、星空AF機能を使うと、一発でピントを合わせることができた
E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO / 8mm(16mm相当) / マニュアル露出(F4、30秒) / ISO 3200 / WB:蛍光灯

※デジタルカメラマガジン2021年11月号より再構成

星空風景(以下、星景)の難しさは、暗いところで機材を扱うこと。不慣れなうちの星へのピント合わせや構図決定などは、ビギナーが最もつまづくところだ。私も撮影を始めたころ、撮影をした写真を家に帰って見たらすべてピントが外れていたという経験や、構図が斜めになっていたなどの苦い経験をしている。

星景ビギナーにおすすめの機材が、OM-D E-M1 Mark IIIだ。本機に搭載されている星空AFは、難しい星のピント合わせをボタン1つで行ってくれる革新的な機能。また、進化したLVブースト機能を使うと、表示速度優先を選択することで、暗い中での構図決めをよりスムーズに行える。他にもライブコンポジットやインターバル撮影など、星景の撮影に役立つさまざまな機能が盛り込まれた。まさに 星景撮影向けのカメラOM-D E-M1 Mark IIIと言える。

OM-D E-M1 Mark III

また、新発売の広角ズームM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは、星景撮影で一番よく使う超広角から標準域までを1本でカバーできるため、登山や旅行のついでに星景を撮影したいときなど、たくさんの機材を持ち運べないときに役立つ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

72mm径のフィルターも取り付けられるため、フィルターを駆使しながら撮影することも可能で、幅広いバリエーションの作品を撮れることも大きな魅力だ。

「星空AF」の使い方

星空AFは、フォーカスモードを「☆AF」にすることで使用できる。使い方は、ライブビューに明るい星が写っていることを確認したら、AFターゲットを星まで移動するだけ。その後、背面にあるAEL/AFLボタンを押せば、星を検出してピントを合わせてくれる。

明るい星にAFターゲットを合わせる
星にピントが合う
星空AFは速度を優先するか精度を優先するかもメニューから選択可能だ

旅先での撮影で便利なM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

組み合わせられるレンズもさまざまあるが、新発売の広角ズームM.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PROは、星景撮影で一番よく使う超広角から標準域までを1本でカバーできるため、登山や旅行のついでに星景を撮影したいときなど、 たくさんの機材を持ち運べないときに役立つ。72mm径のフィルターも取り付けられるため、フィルターを駆使しながら撮影することも可能で、幅広いバリエーションの作品を撮れることも大きな魅力だ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

山道を駆け上がる自動車のライトの軌跡と、夜空を駆け上がるオリオン座を20mm相当の広い画角で入れ込み、対比構図で捉えた。超広角から標準域までよく使う焦点距離をカバーしているので、星空と風景の組み合わせが撮りやすい。繰り返しになるが、ライブコンポジット機能のおかげで、星景写真では構図も含め自分の意図したイメージになっているかを背面モニターで常に確認しながら撮影ができる。

E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO / 10mm(20mm相当) / マニュアル露出(F4、15秒) / ISO 800 / WB:蛍光灯 / 96枚をライブコンポジットで合成

ズーム比率を生かした月と金星の共演

夕空に沈む月と金星を捉えた。広角では月の地球照が表現しにくいため、標準域にして撮影を行っている。月だけでなく星座をメインに撮影したい場合なども標準域が役に立つシーンも多く、レンズ交換することなくさまざまな画角をチョイスできるのは、瞬間的なシーンを捉えるときに有利だ。

E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO / 23mm(46mm相当) / マニュアル露出(F4、2秒) / ISO 200/ WB:日陰

協力:OMデジタルソリューションズ

北山輝泰

日本大学芸術学部写真学科在学中、授業で天体望遠鏡を使った撮影を行なったことがきっかけで、天体写真への興味関心が強まる。卒業後、福島県鮫川村に移住し、天文台で星空のインストラクターをしながら、本格的に天体写真と星景写真を撮り始める。その後、星空の魅力を多くの人に伝えたいという想いから、天体望遠鏡メーカー「株式会社ビクセン」に入社する。2017年に星景写真家として独立。天文雑誌「星ナビ」のライターをつとめながら、世界各地で星空の撮影を行なっている。