ミニレポート
熱気あふれる“Dfユーザー写真展”に潜入
(ニコンDf)
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/3/31 07:00)
同じカメラを愛する者たちのグループというのは各地に存在していて、筆者も日頃からそうした場でカメラや写真について学ばせていただいている。
今回はニコンDfのユーザーによる写真展があるとの噂を聞きつけ、会場を訪れた。
場所は東京・中野の写真機居酒屋「tokinon 50/1,4」(ときのん ごじゅう いってんよん)。目を引くのは壁面を埋め尽くすように貼られた写真の数々で、90点を超えるという。筆者もDfで取材したニコン主催のヘリ空撮ツアーからの1枚で参加している。
あくまでDfで撮影された写真が主役であり、有名写真家の作品も、一般ユーザーの作品も、同じA4サイズで“あいうえお順”(正しくは「かきくけこ順」と壁に記載)に整然と並んでいる。不思議な感覚だ。
筆者がお邪魔した日は、この写真展をプロデュースした後藤哲朗氏が店内にいらっしゃった。ニコンF3〜D3という歴代フラッグシップ機とDfを手がけ、ファンから“ミスター・ニコン”と呼ばれる方である。
後藤氏のおすすめで、ときのん名物の「かつサンド」をいただきながら、写真展について伺った。
このDfユーザー写真展は2度目の開催。前回はニコン社員がメインだったが、今回はプロを含む一般ユーザーの“グループC”と、ニコン社員の“グループN”による合同展示になっている。壁面の90点超は一般ユーザーの作品で、ニコン社員による作品約60点は貼る場所がなかったそうで、全てファイリングされていた。
後藤氏によると、Dfユーザー写真展を開催した経緯には、ユーザー主導の根強いコミュニティを持つ「リコーGR」シリーズに憧れる部分があったからだという。かつて筆者がGRのファン向けイベントを取材した際、サプライズで後藤氏が登場したことが思い出された。
DfもGRとコンセプトは違えど同様に尖った個性を持つカメラであり、その個性がカメラを愛する者どうしの連帯感や仲間意識を盛り上げていると筆者は思う。
この日の店内は、一般ユーザーとニコン社員、プロ写真家、雑誌編集者らが同じテーブルを囲み、カメラや写真談義に花を咲かせていた。
そんな楽しい環境に無粋ながら少々長居をしてしまった筆者だが、各自の立場を越えて交わされる本音トークは、こうしたリアルな場でこその醍醐味。Dfのようなカメラが今後も続けば、各地でますますカメラと写真の世界に魅了される方が増えるだろう。いつの日か“Df後継機”が登場することを楽しみに、今後も地道な布教活動を続けていきたい。