デジカメアイテム丼
“ニコンFナノブロック”に挑戦、6時間かかりました。
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Reported by 本誌:鈴木誠(2015/11/26 12:27)
カメラファンに話題のスポット「ニコンミュージアム」(東京・品川)および直販サイト「ニコンダイレクト」で販売されている、「ND ナノブロック Nikon F」(税込3,980円)の組み立てに挑戦した。
筆者はこれまでにライカっぽいナノブロックやナノブロックで着せ替えるデジカメを体験したこともあり、ナノブロックには少なからず縁を感じていた。そもそも、こんなに何度も仕事と称して(仕事だけど)オフィスでブロックを組み立てている大人は多くないだろう。というわけで今回も、白昼堂々ナノブロックに興じることにした。
いざ挑戦。パーツが多い!
ナノブロックNikon Fの最初の驚きは、その縮尺だった。以前組み立てたライカっぽいナノブロックこと「ナノブロック NBH_076 クラシックカメラ」(税別1,780円。ビックカメラ限定)は、約250ピースで手のひらサイズ。一方こちらは約1,000ピースで本物のニコンFにせまる迫力。箱を開けてみて、ピースの多さに圧倒された。
ちなみに市販されているナノブロックのラインナップを見てみると、1,000円以下で買える「ミニコレクションシリーズ」で、「フタコブラクダ」(税別850円)が約160ピース。本格的になってくると、1/340スケールの「姫路城」(税別8,000円)が約2,000ピース、1/220スケールの「ノイシュバンシュタイン城 DELUXE EDITION」(税別1万9,800円)が約5,800ピースだ。“ちなみに”と書いたが、これがいい例えになったかはちょっとわからない。
制作中にピースをぶちまけてしまったら終わりなので、箱をトレー代わりに組み立てを開始した。基本的に説明書どおりで何の問題もなく組み上がるのだが、最初は2段をうまく組み合わせながら土台としていくのがコツ。
ニコンFのナノブロックが高度だと感じたのは、並行で2つのパーツを作りつつ、あるところで合体させるという手順があることだ。ここではボディとレンズの基礎部分を合体させる。堅牢なニコンFマウントと勘違いしてラフに取り付けると、派手に崩れる。
2時間ほどで、少し土台部分がカメラっぽくなってきた。最初はみんな「何やってんの?」「面白いね!」などと声を掛けてくれたが、この頃から周囲の呼びかけが「できた?」に変わりはじめる。
レンズ部分の面白さ&難しさは、鏡筒の丸みを様々なパーツの組み合わせでなめらかに再現していることだ。しかしこれが、開始3時間を過ぎた目ではなかなか見分けが付かなくなってくる。
4時間で、ちょっと気分が盛り上がるパーツに到達した。ニッコールレンズの「カニのハサミ」(カニ爪、とも呼ばれる露出計連動用の爪)である。これもうまいことパーツの組み合わせで雰囲気を出している。
ここまで組み上がってくると、持ち方が無意識にカメラのようになっていた。レンズ鏡筒も完成して、気分は一層盛り上がってくる。
開始5時間、いよいよカメラのてっぺんが見えてきた。ここからの絶妙なパーツの組み合わせによる再現度は、このナノブロックで一番のお楽しみポイントかもしれない。
ファインダー部分が完成すると、次はトップカバーに乗るダイヤル類を組み立てる。それぞれをユニットとして組み立ててからボディに合体させるのは爽快だが、なかなか繊細な作業だ。
このナノブロックにカメラ的な可動部はない。あくまで、置いて眺めるのがお似合いだ。うかつに巻き上げるとレバー部分がバラけて組み直しなので、10万回とも20万回とも言われるFの動作耐久は、ここではゼロである。
途中に1時間の休憩をはさみ、実質6時間でニコンFのナノブロックが組み上がった。噂では所要時間が5時間とも8時間とも聞いており、難所もいくつかあったが、ほぼそれに近いタイムで仕上がった。
すぐにでも完成の喜びを周囲に伝えたかったが、すでに夜10時を過ぎており、オフィスに人影はほぼなかった。なので、ひとり撮影会に興じることにした。
今回は一気に組み立ててしまったが、本当であれば少しずつ組み立てて長く楽しむのが合っているかもしれない。説明書の図がわかりやすいので迷うことはないものの、それでも緻密な再現ゆえ難しく感じる部分もあると思う。ゆったり進めて難所にぶつかったら「また明日」というのがオススメだ。