Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
自然と同調し、新しい風景を追うための三脚+雲台+レベリングベース
桐野伴秋さんが語る「LS-365C+G4+LB-60N」
2021年12月21日 12:00
止まるところを知らないデジタルカメラの進化。手ブレ補正機能や高感度画質の向上はめざましく、そのせいで近年は三脚・雲台の存在感が薄れがちです。
その一方で画素数が増大するなど、ブレのない美しい写真を撮るために三脚・雲台の性能ついて考え直すプロもたくさん存在します。
この連載ではプロの写真家に、使用しているレオフォトブランドの三脚・雲台について語っていただきます。
今回寄稿いただいた写真家は桐野伴秋さんです。
高知県生まれ。「一瞬の中に永遠を宿す」をテーマに美しい地球の姿や日本の情景を後世に伝えようと写真作家としての活動を始める。キヤノンの世界版企業カレンダーに起用。カレンダー「幻想の日本」(山と溪谷社)を毎年発売。写真集に『セドナ:奇跡の大地へ』(講談社)、『地球美の幻風景』(高知新聞社)
※本企画はデジタルカメラマガジン2022年1月号より転載・加筆したものです。
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巡りくる四季の繊細で深い色彩美を捉え、目には見えない自然のエネルギーまで醸し出すような写真が撮りたいと願っている。そのためには、常に自然の側に立ち、自然と同調するかのように被写体と向き合い撮影することが私にとっての理想だ。
そのような撮影をするとき、カメラやレンズだけでなく三脚の存在も重要となる。
風景写真家は刻一刻と変わる景色から一瞬の美を抽出する。長時間に渡り現場で粘ることも日常茶飯事だ。少しのブレによる失敗が一瞬の美を逃し、長時間の勝負が振り出しに戻ってしまうことにつながる。自然と同調し、機を逸しないために選んだのがレオフォトの三脚だった。
私が愛用しているLS-365Cは軽量性と安定性を両立した三脚だ。何より旅の相棒としてうれしいのが、収納高が480mmと短いこと。ただでさえ持参するものが多い我々にとって、三脚が少しでも短く軽いことはありがたい。
脚部のパイプ径は太い順に36/32/28/25/22mmで、しっかりと剛性が感じられながら、手触りも良く操作しやすい。丈夫なカーボン素材のおかげで、波をかぶるような過酷な環境下での撮影にも躊躇なく持ち出せる。
石突を簡単に外せて、手入れが楽にできるのも揺るぎない利点だ。脚部の基本性能と使用者に配慮した細やかな使い勝手を両立している点にレオフォトの物づくりの美学を感じる。
三脚と組み合わせるギア雲台のG4もとても頼もしい存在だ。美は四隅に宿ると言うが、数mm単位の構図も難なく可能にしてくれる。星や月など、夜間の撮影時には特に効力を発揮してくれる。数秒ごとに位置が変わっていく月も、ギア雲台ならスムーズに構図を微調整しながら撮影可能となるのだ。
そしてG4との併用におすすめしたいのがLB-60Nだ。LB-60Nはハーフボールを搭載したレベリングベースで、G4の土台として装着することで、ギア雲台に自由雲台を組み合わせたような構成になる。レベリングベースで大まかな水平や構図をスピーディーに整え、ギア雲台で微調整するという操作が可能になる。直感的な操作ができるようになるので、肉眼で見て感じ取った印象を損なわないまま、構図をすみやかに決定できるのだ。
この3つのコンビネーションが撮影時の安心感につながる。もう一歩先の風景、まだ見ぬ新しい風景を追いかける者にとってなくてはならない、現場での素晴らしい相棒だ。
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繊細かつ大胆にカメラを支えるコンビネーション
LS-365Cは軽くて、しなりもなくしっかりと安定感のある作りで、とにかく手に持ったときに身体の一部になったかのような感覚が良い。
ギア雲台G4はパノラマ撮影など計算した撮影が可能で、特に夜間の撮影での構図調整で持ち味を発揮する。
レベリングベースのLB-60Nは自由雲台のような機能を果たし、ギア雲台とセットで使うと撮影の幅が広がる。
この3点は全体のバランスが取れた製品で、写真家の目線からの物作りが感じられる完成度の高い製品だ。