Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
高剛性かつ持ち運びやすい三脚に、微妙なコントロールができるギア雲台を組み合わせる
清家道子さんが語る「LS-365C」+「G4」+「LPS-A7R4」
2021年10月22日 17:00
手ブレ補正機構や高感度画質の向上などにより、かつて撮影を強力にアシストしてきた三脚・雲台の存在感が薄れています。
しかし撮影する被写体やジャンルによってはいまだ必須とされることもあり、写真家をアシストくれる三脚の役割に終わりはありません。
この連載ではレオフォトブランドの三脚・雲台を使う写真家に、その重要性を語っていただきます。
今回寄稿いただいた写真家は清家道子さんです。
福岡県生まれ。カラーコーディネーターを経て風景写真家となり、九州を中心に撮影している。企業カレンダー、写真雑誌への寄稿、カメラメーカーでの講演などを行う。著書に『またまの宇宙』(日本写真企画)、『The Gift o fRanunculus』(風景写真出版)、『美しい風景写真のマイルール』(インプレス)
※本企画はデジタルカメラマガジン2021年11月号より一部転載・加筆したものです。
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写真をはじめたころは、予算いっぱいでカメラとレンズを購入し、三脚や雲台はとりあえず使えさえすれば良いという感覚だった。
そのときの自分に伝えたいことは「三脚と雲台は良いものを選びなさい」ということ。
カメラは日々技術が進歩し、どうしても定期的に買い替える必要があるが、良い三脚と雲台は一生ものとまではいかないにせよ、気に入ったものと巡り合えたら長い間撮影をともにする助手のような存在になる。苦楽をともにする相方と言っても良い。早い時期に良い相方に出合うことは大切なのだ。
私がめぐり合ったLS-365Cは最も撮影頻度の高い九州の渓流、水辺の風景でとても重宝している三脚だ。この三脚に出合って以来、効率良く撮影できるようになった。
LS-365Cは頑丈な作りながらコンパクトで持ち運びしやすい。10層カーボンファイバーはハードなシーンでの撮影が多い風景写真家にとっては非常に安心できる三脚だ。ギア雲台は3Wayや自由雲台に比べて、さらに構図にこだわることができる雲台だ。作りといいデザインといい、使えば使うほどその性能にうれしいため息が漏れるほど。究極の雲台といって良いだろう。
程よい重さは水の中に入って撮影しても少々の流れではびくともしない。5段でコンパクトなので配置も微調整しやすい。また、ローアングルでの撮影が多い私にとって瞬時に三脚を広げられるロックレバーの使い勝手もうれしい。
収納時の長さが48cmというのも私の身長(153cm)にとってはとても持ち運びしやすいサイズだ。三脚は重さが重要視されがちだが、私は収納時にどれくらい短くなるかが最も大切だと思っている。ある程度重さがあっても収納時に短かければ持ち運びしやすいし、ケースに入れて斜めがけすればそれほど重さを感じない。
LS-365Cと合わせて愛用している雲台がG4だ。風景写真はじっくりと構図を追い込んでいくことが多いが、細かい微調整ができるギア雲台は慣れてしまえば病みつきになる便利さ。精密な作りだが、重さ690gとギア雲台としてはかなり軽い。コンパクトで密度の高いデザインも心をくすぐる。
メインレバーが2つとダイヤルが2つあり、まずレバーをフリーの状態にして大まかな構図を決め、その後ダイヤルで微調整をする。このダイヤルの動きがとても滑らかで、隅々まで確認しながら精密に構図を決められるのだ。
クイックシューの箇所にもパンニングレバーがあり、構図を決めた状態でゆっくりと水平のままパンできるのも便利なポイントだ。
さらにL型プレートを併用すると、横構図から瞬時に縦構図に変更できる。縦構図は雲台によっては安定しにくいが、このL型プレートはがっちりと縦構図を決めてくれる。風景派にとても重宝する三脚と雲台だ。まだ、使ったことのない方にはぜひおすすめしたい。
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コンパクトなカーボン三脚とギア雲台
カーボン三脚のLS-365Cは頑丈な作りながらコンパクトで持ち運びしやすい。10層カーボンファイバーはハードなシーンでの撮影が多い風景写真家にとっては非常に安心できる三脚だ。
ギア雲台G4は3Wayや自由雲台に比べて、さらに構図にこだわることができる雲台だ。作りといいデザインといい、使えば使うほどその性能にうれしいため息が漏れるほど。究極の雲台といって良いだろう。
自分にぴったり合う三脚とは
LS-365Cの1.77kgという重さは私の撮影スタイルにはまさにぴったりだ。風が強いときでもブレを気にすることなく撮影に集中できるし、水の流れにもびくともしない。
これ以上重いと私にとって負担になるし、軽いと安心感が失われるまさに絶妙な重さだといって良いだろう。