交換レンズレビュー
キヤノン RF24mm F1.4 L VCM
最新Lレンズならではの解像力 静止画でも活躍する大口径広角単焦点レンズ
2025年1月8日 07:00
キヤノンの「RF24mm F1.4 L VCM」は、35mmフルサイズセンサーに対応したRFマウント用の大口径広角単焦点レンズ。同じくキヤノンの「RF35mm F1.4 L VCM」と「RF50mm F1.4 L VCM」とは、コンセプトを同じくする兄弟レンズの関係にあります。
同シリーズ中では最広角のレンズということになりますが、その性能は実際のところどんなものでしょうか。確認してみました。
外観と操作性
本レンズの外形寸法は約φ76.5×99.3mm、質量は約515gとなっています。質量こそ異なりますが、このサイズは「RF35mm F1.4 L VCM」や「RF50mm F1.4 L VCM」と同じ。つまり3本のレンズは外装を共通にしているということです。
「RF35mm F1.4 L VCM」や「RF50mm F1.4 L VCM」がそうであるように、本レンズも「静止画と動画を自由に行き来して表現するクリエイターの要求に応え」ているところが特徴。そのため動画撮影で使いやすいアイリスリング(絞りリング)を搭載しています。
操作リング類としては、前方から順にコントロールリング、フォーカスリングの順に装備され、最後端にアイリスリング(いわゆる絞りリング)という配置。アイリスリングは、クリックの有無を設定するようなレバーやスイッチはなく、常に無段階と言う仕様。ほとんど動画撮影のために搭載されているようなもので、現状、「EOS R5 Mark II」以外の機種では、静止画撮影時にアイリスリングで絞り値の設定をすることはできません。その場合は、カメラボディ側のコマンドダイヤルで操作します。
スイッチおよびボタン類はここにまとめられています。上からフォーカスモードスイッチ、レンズファンクションボタン、アイリスリングの切り換えレバーと並んでいます。
アイリスリングの切り換えレバーは、アイリスリングを「A」に固定するとき、または「A」からの解除に使うものですが、「A」に固定することで、上記のコマンドダイヤルでの絞り値設定ができるようにもなります。静止画撮影ならこちらの方が使いやすいでしょう。
レンズフードとしては「EW-73G」が同梱します。ロックスイッチを備えた立派な造りのレンズフードで、有害光の遮光という用途以外にも、思わぬ衝撃からレンズ本体を守ってくれるため、ぜひ使用時には装着しておきたいものです。
解像性能
解像性能を確認するために、あえて絞り開放のF1.4で、建築物を遠方から撮影したのが以下の画像になります。
焦点距離24mmという広い画角、ましてやF1.4という大口径ですので、画面の周辺の画質を維持するのはかなり難しいはずですが、画面全体で安定した素晴らしい解像感が発揮されています。歪曲収差や周辺光量の低下、色収差などもほとんど見られません。
同じ場所から絞りをF5.6にして撮影したのが下の画像。F1.4でも十分に実用的でしたが、ここまで絞ると被写界深度が広くなることもあって、ますます画像の鮮鋭性は向上していることが分かります。解像性能にかんしては、さすが最新のLレンズだけのことはあると言ったところでしょう。
近接撮影性能
本レンズの最短撮影距離は0.24mで、その時の最大撮影倍率は0.17倍。高性能ラインの24mm F1.4としてはまずまずの最短撮影距離と最大撮影倍率と言ったところではないでしょうか。被写体に寄って大きく写しながら背景を広く画面内に入れる、いわゆるワイドマクロ的な描写方法が十分に可能です。
本レンズも「RF35mm F1.4 L VCM」「RF50mm F1.4 L VCM」と同じく、大口径レンズの重いフォーカス群を駆動するのに適したVCM(ボイスコイルモーター)と、小型で省電力なナノUSMによるフローティングレンズの駆動を組み合わせた、電子式のフローティングフォーカス制御を採用しています。おかげで近接撮影時であっても高い描写性能が維持されるとともに、素早く正確なAFとなっています。
作例
前述の通り、AF性能は非常に良好で、近距離から遠距離まで狙った位置にスムーズで高精度に合焦してくれます。また、追従性能も高く、動く被写体に対して滑らかにピントを合わせつづけてくれました。駆動音が小さく静粛性も良いので動画撮影でも効果的です。
モニターを引き出しハイアングルでモデルを撮らせてもらいました。焦点距離24mmは超広角の入り口とも言える画角で、情報の整理やパースの処理など、それなりに構図づくりに苦心しますが、そこがまた楽しみでもあります。絞りを開放気味にすれば背景のボケを大きくできるところも本レンズの良いところ。
広角レンズは意外にAFを外してしまうことがあるのですが、ボディ側の被写体認識機能(この場合は「人物」)と組み合わせれば、正確に瞳にピントを合わせつづけてくれるので、ピントはカメラに任せて露出や構図に集中することができます。ミラーレスカメラに最適化された新時代のレンズであることを実感しました。
キヤノン独自のASC(Air Sphere Coating)というコーティングが施されていることもあって、ゴーストやフレアはよく防いでくれます。画面に太陽などの強い光源が入りやすい広角レンズであっても、コントラストが高くヌケの良い高画質を、あらゆる条件で安心して使えます。
まとめ
「RF35mm F1.4 L VCM」と「RF50mm F1.4 L VCM」を合わせた3本のレンズが、外装を共通化してサイズを統一しているのは、動画撮影でジンバルなどを使用することを考慮してのことだと思います。
静止画だけでなく動画撮影にも適した本レンズシリーズですが、なかでも、動画撮影において最も需要が高いのが、焦点距離24mmの本レンズなのではないでしょうか。しかし、焦点距離24mmといえば、標準ズームレンズの広角端となっていることも多いため、静止画撮影でも馴染みのある画角と言えます。
さすがキヤノンのLレンズだけに、描写性能も操作性も最高峰であることは確かです。最高の大口径・広角単焦点レンズを手に入れたいというのでしたら、静止画撮影を中心とする人であっても間違いのない選択になると思います。
モデル:透子