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カメラアプリ「Leica LUX」に“ライカI型”っぽい新モード。早速試してみた

「Leica LUX」にライカ100周年記念のモードが降ってきた

ライカが2024年6月から提供する「Leica LUX」(iOS用)は、カメラで写真を撮るようにレンズやフィルムモードを選べるカメラアプリ。無料だが、年額1万円のサブスクリプション“Pro”に加入すると機能限定が解除される。

そんなLeica LUXアプリに、このほど「Leica IA」という新モードが加わった。“Leica I Model A”と記載されており、つまり1925年に登場したライカ初号機の雰囲気が味わえるという趣旨だ。極初期のライカは50mm F3.5のレンズが固定されていたので、画角とF値もそれにちなんだものになる。なおLeica IAもPro限定の機能に含まれていたので、筆者もいよいよProにしてみた次第(Proには14日間の無料お試し期間がある)。

ライカIの誕生100周年を記念し、新たなLeica LUX Look「ライカI A型」が登場しました。この特別なLookは、アイコニックなカメラから着想を得て、初期の35mm写真が持つ独特の描写や質感を再現します。豊かな粒状感と繊細なコントラストにより、ただ美しい写真を生み出すだけでなく、どこか懐かしさを感じさせる風合いをiPhoneでお楽しみいただけます。

ライカの100年|製品

レンズ選択に「50 IA」(ライカI型の50mmレンズという意味)が追加
呼び出すには、シャッターボタン上のレンズ名ボタンをタップ
「50 IA」を選ぶ。ここではLeica Lookもモノクロの「LEICA IA」に固定される

100年前はフィルムの性能自体も今ほど高くないため、それに由来したグレイン(粒状性。ざらっとした感じ)が目を引く。現在の35mm判が映画の2コマ分となったのは、当時のフィルム性能で“写真”として満足な画質を得るには、映画の1コマ分(18×24mm)では足りず、2コマ(36×24mm)にすれば少し余るぐらいだとライカの試作時に計算され、そうして普及したライカに他が追随したから。

原点のとなる50mm画角と、モノクロフィルム風の質感で撮影できる(β版で撮影)
フィルムモードとしてLeica IAを選べば、広角レンズでも使える(β版で撮影)

撮影後に付けられるフレームも充実。カスタマイズにより撮影日時や撮影場所、撮影者の名前も加えられる。「Film」はパーフォレーションの数がお茶目だったりするけれど、これに気付くのは我々が詳しくなりすぎた証拠だ。ちなみにボタンを押すごとにパーフォレーションの位置が変わるので、きっちりコマ間に持ってきたい人は連打してみよう。

撮影画面にフレームをつけて書き出せる

自社の歴史について、こうして「カメラアプリのエフェクト」という形でアピールするのはなかなか粋な感じがする。このインタラクティブな見せ方は、ライカの本社に併設されている博物館「エルンスト・ライツ・ミュージアム」にも通じるなあと思うところ。2025年は日本でもライカIの誕生100周年を祝したイベントが開催されるなど、その成り立ちに触れる好機となりそうだ。

参考:バルナックが“ライカ”を考案するまで——「エルンスト・ライツ・ミュージアム」勝手にガイドツアー
現代の景色も、どことなく昔風に
スマホで見る50mmの画角は、とても狭く感じる
被写体と画作りの掛け合わせで、時代感が困惑するのも楽しい

ライター。本誌編集記者として14年勤務し独立。趣味はドラム/ギターの演奏とドライブ。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究