デジカメアイテム丼
モバイルバッテリーよりも優れている? 業務用ではスタンダードな電源規格
SmallRig VB99 ミニVマウントバッテリー
2024年8月26日 07:30
最近、動画用のデジタルカメラやアクセサリーの電源として、「Vマウントバッテリー」を見かけるようになってきた。Vマウントバッテリーは、もともとテレビカメラなどで使われていた業務用の規格だが、最近はUSBポートなどを搭載して汎用的に使えるバッテリーに進化している。
そこで今回はSmallRigの「VB99 ミニVマウントバッテリー(3580)」を紹介したい。直販価格は3万7,190円となっている。
様々な固定が可能なVマウント
99Wh(14.8V、6,700mAh)と大容量で、一般的なカメラのバッテリーの5~6倍もの容量があるのが特徴だ(ちなみにソニー「NP-FZ100」は16.4Wh)。USBポートはType-AとType-Cを1つずつ搭載しており、65WのUSB PD出力も可能だ。
現在はカメラもUSB給電が普通になっているので、USBケーブルで外部バッテリーを繋げばかなり長時間使えるということだ。撮影用のLEDライトもUSB給電タイプが多く出ているので、屋外などコンセントが無い場所で使いやすい。
ところで、USB出力だけなら大容量のモバイルバッテリーを使えば良いのでは? という疑問もあると思う。Vマウント対応のカメラや照明は比較的高価なタイプなので、一般的なデジタルカメラユーザーにはハードルが高く感じられるだろう。
だが実は、Vマウントは機械的なインターフェースとして優れており、様々なアタッチメントを使うことで固定が容易になるというメリットが大きい。Vマウントはクイックシューの一種なので、着脱も素早くできる。
カメラの三脚にセットするにしろ、手持ちで撮るにしろモバイルバッテリーだと固定に苦労するものだ。その点、Vマウントバッテリーは三脚の脚に付けたり、ズボンのベルトに付けたりと撮影現場で使いやすい。
SmallRigはリグメーカーらしく、Vマウントバッテリーを固定するアクセサリーをたくさんラインナップしている。便利に使えそうな同社のアクセサリーを次に3つ挙げてみる。いずれもVマウントのプレート部分は共通となっている。
Vマウントバッテリー用カニ型クランプ付きミニプレート(2989)
三脚などのパイプにVマウントを設けるプレート。パイプ径は15-30mmに対応している。クランプとプレートは別体になっており、取り付け角度が90°ごとに変えられる。価格は4,599円。
Vマウントバッテリー用ベルトクリップ付きミニプレート(2990)
ズボンのベルトにVマウントバッテリーを付けるためのプレート。手持ち撮影の場合はリグにバッテリーを付けるとかなり重くなってしまうので、バッテリーを腰に付けると負担は少ない。価格は3,299円。
繋げば使えるシンプルなバッテリー
本体には残量表示のボタン、各種ポート、ディスプレイがある。VB99自体の充電は、そのままUSB Type-Cで入力すれば充電が始まる。USB PD(最大65W)による急速充電が可能だ。ちなみに65W充電器を使うと1時間で0%から53%に、2時間で75%の充電ができた。100%までは3時間25分かかった。
複数ポートの同時使用もできるので、出力容量の範囲内であればカメラとLEDライトの両方に給電するといったことも可能だ。
VB99には電源のON/OFFの操作は無く、USBの場合はケーブルを繋げばONに、ケーブルを外せばOFFになるというシンプルなところも使い勝手が良い。給電中はディスプレイに使用ポートの電圧も表示される。
外形寸法は107×73×53mmと手のひらに載る大きさ。しかし、大容量なだけに重量は実測で560gとそれなりにある。
安全性だが、耐火PC素材を採用しているほか、PSEマークも確認できた。過電流や温度など各種の保護機能も備わっているそうだ。
まとめ
Vマウントバッテリーというとなじみが薄いところかもしれないが、撮影現場の電源として柔軟に使える大変便利なアイテムということだ。動画撮影ではバッテリーの減りが早いので、特に重宝すると思う。
今回紹介したアダプターとは別に、リグにVマウントバッテリーを付けられるアダプターも同社で用意しているので、工夫して使い勝手を高められるのもポイントだ。
USB Type-Cによる充電対応機器がどんどん増えているのはご存じの通り。スマホは言うに及ばずノートPCや各種バッテリーの充電器もUSB Type-Cのタイプをよく見るようになった。こうした大きめのバッテリーが1台あると、特に屋外撮影では強い味方になってくれるだろう。