デジカメアイテム丼

増え続ける家族写真・動画をどうする?…子どもでも使える“家電的”解決策

おもいでばこ「PD-2000」

増える一方の「子ども写真」をどうするか

スマートフォンの普及で「子ども写真」が圧倒的に増えた。自身が子どもの頃の写真をみても、冗談抜きで数百倍は違うと思う。

自分が子どもの頃、頻繁に目にすることがないカメラを向けられれば緊張したもので、残る写真は七五三や親戚との集合写真などのイベントがメインだった。写真が丁寧に収められたアルバムがいまも残っている。

今年6歳になる娘は、生まれた瞬間からいまのいままで、数万の写真が存在する。もちろん、失敗写真を含めての話になるが、ベストショットを厳選したって万はいくだろう。とてもじゃないが全てをアルバム管理で賄えない。大抵の写真はスマートフォンやタブレット、あるいはPCを使って、表示することになる。

さて、そんな娘によく言われることがある。撮ったあとの「見せて」だ。一度見せて満足すればよし、なんなら過去の写真にまでさかのぼって要求されることもあるから大変なのである。

そのたびに自分のスマートフォンが長時間占有されるのがツライ。誤操作だって怖いし、仕事の連絡にいち早く気付けないのも問題だ。

完成度を高めた現行「おもいでばこ」

だからこそ気になっていたデバイスが、バッファローの「おもいでばこ PD-2000」。

PD-2000。前面には、SDカードスロットやUSBポート(外付けHDD/SSD、デジタルカメラ、スマートフォンなどに対応)を備える
背面のUSBポートを利用すれば、保存容量を増やすことが可能。「PD-2000専用 おもいでばこ 安心バックハードディスク」(1TB/2TB/4TB)なども用意されている

最新モデルの「PD-2000」は、写真(JPEG、HEIF、スマートフォンからのみPNG)と動画(motionJPEG、mp4、H.264/AVC、HEVC)に対応。

動画は4K(3,840×2,160ピクセル)に対応するため、大画面テレビなどとの相性は良い(せっかくの4Kテレビなのに、入力ソースがフルHD以下だと画像が粗くなるためもったいない)。

また、SDXC/SDHC/SDカードやUSBメモリー、外付けSSD/HDDなどの対応メディアからの読み込みのほか、「おもいでばこ」アプリを導入したスマートフォン/タブレットアプリ(iOS/Android)、Windows/macOSなどのPCからの読み込みに対応する。

コンパクトなのでテレビのそばなどリビングに設置しやすい

手当たり次第「おもいでばこ」へと写真・動画を入れておけば、HDMI接続したテレビや「おもいでばこ」アプリを入れた端末を利用して各データが再生可能だ。

加えて、プリセット・任意作成した「アルバム」や、撮影日ごとのデータを確認できる「カレンダー」、年月日単位や時間単位で表示する「タイムライン」を利用して分かりやすく表示できる。

6歳児でも使えるわかりやすさ

操作自体もメイン画面から直接行えるため、難しくない。特に、我家の6歳児のように、単純に写真・動画をみたいだけというのであれば、シンプルでわかりやすいインターフェースは、説明の手間が省けてとても助かる。

メイン画面となる「ホーム画面」。表示される3枚の写真は「最近とりこんだもの」や「アルバムから設定」などの指定が可能
「その他機能」からは、「Googleフォト」の設定「クラウドアップロード」や「SDカード/USB機器」(消去)などが行える

実際、日頃「Fire TV Stick」で動画視聴している娘にとっては、リモコンを使って操作するのは当たり前で、なんら不便を感じている様子はなかった。

なんなら、リモコンを渡した瞬間から説明不要で使い始めた。操作系が簡単であることの証左なわけだが、たぶんこれは、「PD-2000」のリモコンがBluetooth&赤外線方式の両対応(PD-2000Eは赤外線方式のみ)であることも大きい要素だと思う。

赤外線のみであれば、受光部にリモコンを正しく向ける必要があるが、Bluetoothはそんなことを気にしなくていいため、操作ができなくなるということはなかった。

Bluetooth&赤外線対応のリモコン。トグル方式のキーボタンは用意されている

無線接続は、最大転送速度1,201Mbps(2×2)のWi-Fi 6(11ax)に対応。無線LAN規格自体は、5GHz(11ax/11ac/n/a)、2.4GHz(11ax/n/g)が利用できる。有線LANはギガビットイーサネット(1,000M)に対応しており、有線・無線ともに高速な通信が可能だ。

この辺の通信が遅いと、表示レスポンスというよりは、写真転送に時間がかかるため、速ければ速いほどよい。

なお、クラウドサービスについては、「おもいでばこ」に取り込んだ写真・動画をPCレスで「Googleフォト」(最大4つのアカウントに対応)にアップロードが可能。

「その他機能」からは、「Googleフォト」の設定「クラウドアップロード」や「SDカード/USB機器」(消去)などが行える
「Googleフォト」との連携により、「おもいでばこ」の写真・動画を「Googleフォト」へとアップロードが可能。アップロード条件なども指定できる

アップロード条件(アルバム、対象期間、アップロード対象、お気に入り、カメラ名しぼりこみ)の設定にも対応しているため、「Googleフォト」を普段のバックアップ先としているなら、「おもいでばこ」をワンクッションとすることで、効率よくバックアップが可能だ。

また、「Googleフォト」アプリを利用して、「おもいでばこ」へのダウンロード(おもいでばこに送る)にも対応する。

iPhone・iPadユーザーならば、iCloudのフォトライブラリ上にある写真・動画も直接取り込める。アプリがオリジナルか縮小版かを分析し、オリジナルサイズの画像のみをダウンロード可能だ。これにより、iCloudの容量圧迫を防ぐことが可能となる。

娘は、まだまだ「しぼりこみ」(お気に入り、アルバム、カメラ名、動画のみ、写真のみ、位置情報つきなど)などの機能を使いこなしているわけではないが、カレンダーを見ながら、「これはどこで撮った写真」「あの写真はどこ?」と、楽しく使っているようで何よりである。

「おもいでばこ」内の写真・動画は、「お気に入り」や「カメラ名」などの指定で絞り込み表示が可能

親の立場としても、スマートフォンを奪われることなく、娘と思い出話にに花を咲かせられるわけで、願ったり叶ったりだ。そういう意味では、導入の価値は大いにある。

さらにいうなら、妻のスマートフォンやデジタルカメラで撮った写真・動画、クラウドサービスへとアップロードしている写真・動画をひとつのデバイスに集約できるので、意識的に管理することで、どこにあったか探す手間がなくなる点もよい。

実際、妻はスマートフォンで動画を撮ることが多く、写真はスマートフォンでみるけど、動画は大きな画面でみたいから「おもいでばこ」はありがたいとのこと。

何かにつけて撮りためてきたビデオカメラのデータも、「おもいでばこ」へとワンプッシュ(SDカード取り込み)でコピーできたため、面倒で後回しにしていた2017年からのデータが手軽に再生できるようになったのはうれしい。

結果として、娘の「写真を探して攻撃」も回避できるため、ありがたい。

スマートフォンアプリ「おもいでばこ」を導入したら、同一ローカルエリア内に接続された「おもいでばこ」が検出できる
「写真を送る」から「おもいでばこ」へと写真・動画のアップロード。Exif情報をもとに振り分けられた写真・動画をカレンダー形式で探すこともできる

まとめ

写真・動画の撮影手段が増えている昨今、身近に共有したい人がいるならば、「おもいでばこ」のように手軽に集約できるデバイスの価値は高い。

昔は曖昧だったオンラインサービスとのすみ分けも、子どもの存在によってハッキリとしたように思える。

ただし、要望もある。それは、無線LAN設定時のパスワード入力が、いわゆるケータイ電話入力方式(トグル入力という)であることだ。せっかくBluetoothに対応(対応プロファイルはA2DPなので、スピーカーやヘッドホン・イヤホンが利用可能)しているだから、Bluetoothキーボードを使えるようにしてもらえると、入力の手間が減って助かるのだが……、メーカーさんどうでしょう?

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。