ファーストインプレッション:BONZART AMPEL(ボンザート アンペル)
グローバル・DCが7月11日に発売した「BONZART」(ボンザート)ブランドのトイデジタルカメラ「AMPEL」(アンペル)のインプレッションをお届けする。
BONZART AMPEL。価格は1万4,700円 |
AMPELは、二眼レフカメラ風のボディに2つの撮影レンズを搭載するトイデジタルカメラだ。内訳は、ノーマルレンズ(上部、赤)とチルトレンズ(下部、緑)。カメラ前面のボタンでレンズを切り替えることにより、デジタル処理ではないミニチュア風効果が得られる点を特徴としている。
2つのレンズを搭載。コンパクトなボディに赤と緑のリングが目を引く |
外観上の特徴としては、何より液晶モニターの配置だろう。二眼レフスタイルだけあって、ファインダーフードを開けて上から覗き込むようになっている。二眼レフカメラでの撮影についてよく言われる「被写体と視線を合わさず自然な表情を撮れる」とされるウエストレベルの撮影スタイルを楽しめる。
二眼レフのような撮影スタイルを楽しめる |
ちなみに、液晶モニターに映る撮影画面は逆像ではないので、二眼レフのお作法に馴染みのない方でも安心だ。
撮像素子は1/3.2型有効500万画素のCMOSセンサー。レンズは上下どちらも50cm〜∞の固定焦点。記録サイズと液晶モニターの表示アスペクト比は4:3だが、筆者としては是非この二眼レフスタイルに敬意を表して1:1での撮影も楽しんでもらいたい。
正方形フォーマットは昨今では“ましかく写真”などとも呼ばれ、新鮮なフォーマットとしての人気も高いようだ。iPhoneの写真共有アプリ「Instagram」などへ投稿するにも馴染みがよいだろう。記事末に掲載した作例も、すべて1:1で撮影したものだ。
編集部員所有のローライコード(右)と並べてみた。クラカメ愛を感じるAMPELの意匠がおわかりいただけるだろう | |
エフェクトはSTANDARD、VIVID、B&W、SEPIA、REFRESHINGの5種類。本体側面のダイヤルで選ぶとライブビューに反映される。ソフトウェア上のエフェクト処理を、ダイヤルで物理的に切り替えるという感覚が楽しい。
エフェクトはダイヤル式のセレクターで切り替える。使っていると自然に位置を覚え、手元を見なくても選べるようになった | メニュー画面の一部。「シャープネス」は記録解像度を変更する |
今回の撮影は記録解像度を最大にし、アスペクト比を1:1にした以外はデフォルト設定のまま行なった。晴れた空や白い服などのハイライトは飛びやすいが、撮影画像を見るとシャドー側にはまだ余裕が残っている印象。好みに応じて、露出補正を少しマイナスに振った状態をデフォルトとしてもよいかもしれない。露出補正は毎回メニュー画面から変更するようになっているので、1枚ごとに露出補正を行なうのは少々手間だろう。
シャッターはトイデジカメによくある電子シャッターのみという仕様で、シャッターボタンを押して撮影中にカメラを動かすと、像が歪んでしまうことがある。フレーミングを決めてシャッターボタンを押したあと、ライブビュー表示に戻るまでのほんの数秒間ではあるが、無意識にカメラをしっかりホールドするようになっていた。
記録メディアはSDHC/SDカード | 電源は単3電池×3。eneloopでも動作した |
ネックストラップが付属する | 斜め掛けも可能だった |
パンフォーカスなので被写体を浮き上がらせるような撮影はできず、電子シャッターで像が歪むため、動感表現に頼った写真を撮るのも現実的ではない。あれこれ考えず、見つけたモチーフを素直に撮影していくのが楽しかった。何よりトイデジカメだけあってボディがとても軽量なので、気分次第でAMPELだけを持って散歩に出かけてみるのも面白いだろう。
今回筆者がAMPELを連れ出したのは、もともとデジタル一眼レフカメラやノンレフレックスカメラを提げた観光客が多い場所だった。そのためカメラを持っているだけで視線を感じるようなことはないのだが、AMPELはその独特のスタイリングからか、世代を問わずすれ違う人々の視線を感じた。二眼レフカメラ風のスタイルは、本物を知る人には懐かしく、また若い人には新鮮に映るのだろうか。高級志向のデジタルカメラとはまた違った「カメラらしさ」のアピールを感じた1台だ。
■実写サンプル
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、600×600ピクセルの縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- AMPELのフル画素撮影時はアスペクト比4:3ですが、ここでは1:1で撮影したものを掲載しています。
2012/7/20 00:00