RECOMMEND 8/EOS R8を使うべき理由

自由奔放な猫たちの姿を捉える——三吉良典

両手を挙げて立ち上がった右の猫にピントをロックオンすると、とにかくAFを離さない。そのためどんな動きをしても高確率で捉えてくれる。猫の印象的な仕草や表情までも逃さず写真に収められる
EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/14mm/マニュアル露出(F7.1、1/1,600秒)/ISO 640/WB:オート

キヤノン「EOS R8」はフルサイズ機でありながら、小型・軽量で誰もが自由で快適に撮影できる1台。上位機譲りの最新AFや連写性能など、小さなボディながら、その表現力は∞(無限大)の可能性を秘めている。

さまざまなシーンで活躍する写真家たちが、それぞれに感じた「EOS R8」の魅力をレコメンド(推薦)する連続企画。

第5回は、保護猫写真家・三吉良典さんが登場。外で暮らす猫たちの姿を「EOS R8」の機動力を生かして捉えてもらった。(編集部)

三吉良典

保護猫写真家。滋賀県大津市出身。11億人超の評価データから選ばれる2020東京カメラ部10選の1人。趣味の写真を生かし、保護猫の魅力を写真で伝え続けている。今やSNS総フォロワー数17万人に上る人気のフォトグラファー。

EOS R8
【発売日】2023年4月14日
【価格】26万4,000円(ボディ単体)、29万3,700円(RF24-50 IS STMレンズキット)※いずれもキヤノンオンラインショップでの税込価格

【SPEC】
有効画素数:約2,420万画素
映像エンジン:DIGIC X
常用ISO感度:100~102400
連続撮影枚数:約40コマ/秒(電子シャッター)、約6コマ/秒(電子先幕)
ファインダー:0.39型約236万ドット
背面モニター:3.0型約162万ドット
外形寸法:約132.5×86.1×70.0mm
質量(バッテリー、メディア含む):約461g

自由奔放な猫たちの無垢な姿を写したい!

EOS R8は最大の特徴とも言える小型・軽量設計だけでなく、常用でISO 102400まで対応する高感度耐性や秒間最高約40コマの高速連写性能にも注目をしていた。

私は猫たちを撮るときに、いつもテーマを決めている。今回は、EOS R8の軽快さを味方に、猫の仕草を捉えるための高速連写とAF性能を存分に引き出すべく「猫の日常ポートレート」を写すことにした。外で暮らす猫たちをカメラの機動力を生かして追いかけ、その自由奔放な姿を写真に収めていきたい。猫たちがたくさんいそうなあらゆる漁港に、EOS R8を片手に通い詰めた。

水たまりで撮影したのだが、猫よりも姿勢を低くして撮影をしなければ空が映り込まない。こんなとき、カメラが軽くて、バリアングルモニターを搭載していることがうれしい
EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/14mm/マニュアル露出(F8、1/250秒)/ISO 100/WB:オート

どんな状況でも猫にピントが合う動物検出AFで決定的瞬間を撮影

予測不能な動きをする猫たちの撮影で最も便利だったのが被写体検出とトラッキングAFの組み合わせだ。シャッターボタン半押しで一度猫にピントを合わせたら、正面を向いているときは目に、横を向いたら顔にと、ピントを追い続けてくれる。猫が動き回ってもトラッキングAFでどこまでも追従する。これに秒間最高約40コマの超高速連写を組み合わせれば、決定的瞬間を逃すことはない。

動物優先に設定しておくと猫に対して優先的にピントを合わせてくれる
じゃれ合う2匹の猫の動きはとても不規則。それでも、猫を検出してピントを合わせておけば、突然立ち上がってもしっかりとAFが追尾してくれるので、ピントが後ろに抜けることもない
EOS R8/RF135mm F1.8 L IS USM/135mm/マニュアル露出(F3.2、1/800秒)/ISO 100/WB:オート
手前の飛んでいる猫にピントを合わせていたが、こちらに向かってジャンプをしてフレームアウト。するとジャンプの瞬間に後ろにいた猫にピントが合い、面白い瞬間を捉えられた
EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/14mm/マニュアル露出(F4、1/1,250秒)/ISO 100/WB:オート
柔らかなボケと繊細な毛並みの描写を両立させる“大口径レンズ”
RF135mm F1.8 L IS USM
【発売日】2023年1月
【価格】33万8,800円 ※キヤノンオンラインショップでの税込価格

キヤノンユーザーとしてEFレンズ時代から135mmの単焦点レンズは重宝していたが、RFレンズにも待望の135mmレンズが登場した。

EOS R8と組み合わせることでどんな描写になるのか、ワクワクしながら使用してみると、ピントを合わせた猫の毛並みは精緻に描かれる一方で、背景のボケはとろけるようで、まるでその場にいるかのような臨場感を持って描き出せた。

やや大ぶりなレンズではあるものの、レンズ単体で5.5段の手ブレ補正を搭載し、手持ち撮影も可能。1本持っていれば、猫撮影の表現力を間違いなく高めてくれる。

レンズ鏡筒の2カ所にファンクションボタンを搭載し、さまざまな機能を割り当てることができる。シンプルな操作系のEOS R8にプラスαのボタン操作を加えることが可能だ
RFレンズのラインアップに135mmが加わったのはとてもうれしい。唯一無二の柔らかなボケ味が脇役のシロツメクサをしっとりと描き出し、愛らしい猫の姿を見事に演出してくれる。毛並みを描く線が細いので、猫の柔らかなイメージも損なわれていない
EOS R8/RF135mm F1.8 L IS USM/135mm/マニュアル露出(F2.2、1/1,000秒)/ISO 100/WB:オート
言葉にならないほど美しい描写に改めてRF135mmにほれ込んでしまった。真逆光で撮影した過酷な条件であるものの、猫の毛1本1本をリアルに写し出してくれている。桜の玉ボケもとても上品だ
EOS R8/RF135mm F1.8 L IS USM/135mm/マニュアル露出(F4、1/500秒)/ISO 100/WB:オート

猫の毛並みがつぶれないノイズを抑えた高感度耐性

高感度性能は、正直一番驚いたかもしれない。カメラに意地悪をするかのように、暗所でISO 6400や25600まで上げて撮影してパソコンの大画面で確認すると、毛並みはもちろん瞳の質感までディテールを残して描かれていた。暗所で瞳が大きくなった猫を簡単に撮れるのはうれしい。

EOS R8/RF135mm F1.8 L IS USM/135mm/マニュアル露出(F1.8、1/30秒)/ISO 6400/WB:オート

最高約40コマ/秒の超高速連写で猫の俊敏な動きを確実に捉える

使う前は40コマ/秒も要らないのではないかと思っていたが、撮影したデータを見てびっくり。1秒の中でも1コマ1コマ仕草や表情が変わっていき、愛らしい瞬間にあふれていたからだ。ジャンプの瞬間も、脚が伸び切った最高到達点を逃すことなく押さえることができた。

EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/14mm/マニュアル露出(F4、1/250秒)/ISO 6400/WB:オート

小さなボディでありながら表現領域が広がる

まず印象に残ったのは、やはり手軽さ。昨今は重たいカメラやレンズが多く、長時間持ち続けるとかなり疲れるが、この軽量でコンパクトなカメラなら朝から晩まで猫を探しながら撮影しても負担が少ない。

砂に残る猫のかわいい足跡を見つけてスナップ。カメラが軽快だから、ふとした瞬間に素早く取り出してパッと撮りたくなる。EOS R8はそんなカメラだ
EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/35mm/マニュアル露出(F5、1/100秒)/ISO 100/WB:オート

軽くて小さいカメラは、そのぶん何かの性能を妥協しないといけないケースが多いが、EOS R8は抜群のAFと連写性能による高い動体捕捉性能と、優れた高感度耐性による高画質の両面で一切の妥協がない。

これまでは見逃していた一瞬の猫の仕草を撮ることも、瞳孔が開きクリッとした目がかわいい夜間撮影も容易に撮らせてくれる。EOS R8は小さなボディでありながら、カバーできる表現領域がとても広いカメラだと感じた。

この黒猫は警戒心が強く、少しでも近づくと逃げてしまう。この瞬間を逃さないように、ISO 2500まで上げてシャッター速度を速めた。高感度撮影でも画質には何も問題ない
EOS R8/RF100-400mm F5.6-8 IS USM/281mm/マニュアル露出(F8、1/500秒)/ISO 2500/WB:オート
撮影者である私自身が猫になっているかのような視点で撮れたお気に入りの1枚。猫がかなり近づいてきている状態でも、瞳にピントを合わせ続けてくれたのは頼もしい
EOS R8/RF14-35mm F4 L IS USM/14mm/マニュアル露出(F4、1/320秒)/ISO 100/WB:オート

協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

三吉良典