RECOMMEND 8/EOS R8を使うべき理由

「EOS R8」と山に登りながら写真を撮る魅力——大久保紫織

大浪池と韓国岳のどちらも入れるには超広角レンズが必須だが、RF15-30mmであればそのリクエストに対応できる。木々の1本1本も精彩な描写だ
EOS R8/RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/15mm/プログラムAE(F8、1/200秒、±0EV)/ISO 100/WB:オート

キヤノン「EOS R8」はフルサイズ機でありながら、小型・軽量で誰もが自由で快適に撮影できる1台。上位機譲りの最新AFや連写性能など、小さなボディながら、その表現力は∞(無限大)の可能性を秘めている。

さまざまなシーンで活躍する写真家たちが、それぞれに感じた「EOS R8」の魅力をレコメンド(推薦)する連続企画。

第6回は、SNSを通じて登山の魅力や自然の美しさを発信する大久保紫織さんが登場。春の山に「EOS R8」とともに登ってもらった様子をお届けする。(編集部)

大久保紫織

1994年、長崎県生まれ。登山ガイドと一緒に登山をするツアーイベント(TETTO HIKE)や山荘の行事の手伝いなどを行う。九州を拠点に、登山の魅力や自然の美しさをSNSを通じて発信している。朝日に照らされた山の景色を撮るのが特に好き。

EOS R8
【発売日】2023年4月14日
【価格】26万4,000円(ボディ単体)、29万3,700円(RF24-50 IS STMレンズキット)※いずれもキヤノンオンラインショップでの税込価格

【SPEC】
有効画素数:約2,420万画素
映像エンジン:DIGIC X
常用ISO感度:100~102400
連続撮影枚数:約40コマ/秒(電子シャッター)、約6コマ/秒(電子先幕)
ファインダー:0.39型約236万ドット
背面モニター:3.0型約162万ドット
外形寸法:約132.5×86.1×70.0mm
質量(バッテリー、メディア含む):約461g

登山で目にした感動を写真にとじ込める

小型・軽量なEOS R8と一緒に山に登り、そこでしか見ることのできない大自然の風景や季節の花々を切り取りたいと考えた。向かったのは春を迎えたばかりの九州各地の山々。特にどのポイントで景色を撮るということは決めず、登山の過程で目にした感動的な風景を見たままに写真に収めることを楽しみに山へと向かった。

カメラが重いとどうしても負担になってしまうが、軽いEOS R8なら登山中に邪魔になることがない。最新フルサイズセンサーの表現力を生かして、眼下に広がる壮大な風景を写し出した。

霧島の韓国岳山頂から見下ろした大浪池。そのスケール感を引き出すべく、15mmで撮影した。岩の影によるコントラストを生かして立体的に写すために、ローポジションで撮影した
EOS R8/RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/15mm/マニュアル露出(F8、1/1,600秒)/ISO 800/WB:オート

太陽を入れても階調豊かなHDRモードで夕日や朝日をドラマチックに

朝日や夕日で赤く染まる山肌は、山が最も美しくなる瞬間だ。でも、明暗差のある場所をそのまま撮ると、白飛びや黒つぶれが発生する。そこで役立つのがHDRモードのDレンジ優先。太陽と風景の明暗を豊かに表現でき、肉眼で見たような写真に仕上がる。HDR合成時に自動で位置調整されて三脚が不要な点も、山の撮影ではとても便利だ。

HDRモードはDレンジ優先に設定しておくのがおすすめ
HDRなし
夕暮れのイメージを伝えるために太陽を入れて撮影したいが、通常の1枚撮影では上の写真のように空が白飛びする。だからといって空に露出を合わせると、山肌が黒くつぶれてしまう。そんなときはHDRモードが有効だ
HDRあり
阿蘇山山頂からの夕日と山肌、地層が夕焼けに染まる瞬間を撮影した。感動した景色を描けるようにHDRモードを使用した。手持ちで撮影したが、破綻なくHDR合成されている
EOS R8/RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/15mm/マニュアル露出(F7.1、1/30秒)/ISO 100/WB:オート
雄大な山並みが1枚に収まるコンパクトな“超広角ズーム”
RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM
【発売日】2022年8月
【価格】8万5,800円 ※キヤノンオンラインショップでの税込価格

超広角ズームがあれば、岩場や空に表情があるシーンで立体感や奥行きを感じられる表現が可能だ。RF15-30mm F4.5-6.3 IS STMはコンパクトで片手に収まるほどのサイズで、サコッシュに入れて持ち運べるので登山には最適。

15mmの広角端で撮影しても四隅まで解像力が高く、ゆがみも少ない。手持ちでも、レンズに搭載されている手ブレ補正機構が効果的に働いてくれる。登山中、場所が狭くて自由に撮影位置を選べない状況でも、このレンズがあれば手持ちでダイナミックに風景を切り取れる。山で風景を撮るなら持っておきたい1本だ。

15mmの超広角域をカバーしていながら、片手でも容易に撮影できるレベルのサイズ感。レンズ単体で5.5段分の効果がある手ブレ補正も搭載されているので、手持ち撮影でも安心だ
空に広がるうろこ雲と荒々しい岩山の共演が美しいシーン。15mmと縦構図を組み合わせると、空と岩場をダイナミックに切り取れる。一瞬で終わる朝焼けの時間帯に素早くシャッターが切れる機動力も強みだ
EOS R8/RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/15mm/マニュアル露出(F7.1、1/30秒)/ISO 100/WB:オート

カメラとレンズの両方が小型・軽量であることが重要

登山では撮影場所まで過酷な環境に耐える必要があるため、荷物はできるだけ軽量化したい。そのために標準ズーム以外の交換レンズを持って行かないことさえある。EOS R8はまずカメラ自体がとても軽量。さらにRFレンズにも軽量モデルがそろっているため、標準ズームに広角ズームを加えても重さを抑えられ、山中での写真表現の幅を広げられる。

交換レンズはサコッシュに入れておけばスムーズにレンズ交換が可能。小さいレンズだからこそできる運用方法だ
EOS R8/約461g
RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/約390g
RF24-105mm F4-7.1 IS STM/約395g

小さなボディで精細に風景を描けるカメラ

山登りも、写真撮影も両方をしっかり楽しみたい人にとってEOS R8は最適な1台ではないだろうか。カメラを持ち運ぶことが負担にならないサイズなので軽快に登山を進められるし、山から望む風景の描写に欠かせない高い階調性と精細な画質を兼ね備えているので、撮影結果にも満足できる。

ボタンカスタマイズをすれば自分好みの操作に設定できて、あまり時間が取れない登山中の撮影もスムーズだ。

世界でえびの高原(宮崎県)にしか咲かないという貴重なノカイドウを撮影。下山者が多いスポットだったので、サイレントシャッター機能に切り替えて静かに撮影した
EOS R8/RF24-105mm F4-7.1 IS STM/105mm/マニュアル露出(F7.1、1/250秒)/ISO 125/WB:オート

雲海や朝焼けなど、見逃したくない大事なシャッターチャンスも逃さずに撮影できる。風景写真ばかりでなく、瞳検出機能を使えば同行者との道中の記念撮影もバッチリ。アウトドアでしか味わうことができない感動を、写真としてしっかりと形に残せる1台だと感じた。

朝日が上がった後に、奥の方で雲海が広がっていた。黄砂の影響なのか、やや黄みがかった太陽の色を、その場で感じた通りに幻想的に描き出してくれた
EOS R8/RF24-105mm F4-7.1 IS STM/105mm/マニュアル露出(F14、1/2,500秒)/ISO 800/WB:オート
九州南部の山によく咲くアケボノツツジ。15mmで下から撮影して空と一緒に写した。花のピンクの微妙な色合いの違いをしっかりと描き分けてくれている
EOS R8/RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM/15mm/マニュアル露出(F7.1、1/400秒)/ISO 100/WB:オート

協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

大久保紫織