私はこれを買いました!

小型軽量、EFレンズも快適に使える優等生

EOS R7(赤城耕一)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2022年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

拙作写真展「録々」。大阪での巡回展示がコロナの蔓延にて会期途中で会場が閉鎖されたところから今年の幕が開けました。気を取り直して仕事を始めましたが、しばらくはノリが悪かったですね。

本業の撮影の方では、久しぶりに何度か地方にも出かけましたが、人物撮影では最小時間で撮影しろとか、可能な限りディスタンスをとれとか言われたり。

いや、長いことカメラマンやっているとそうしたシバリはそんなに苦ではなく。ただね、撮影距離が遠くなりますと愛用のOM-1の交換レンズではボケを生かしづらくなったりしましてね。これね、ちょっと困るわけです。

という、もっともらしい理屈をつけて、APS-Cのミラーレス機が必要なんじゃねえのか、ということで、キヤノンEOS R7を導入いたしました。EOS R5は既に使用していたのですが、画素数が多すぎて、筆者の小商いには持て余し気味。

使用してみるとEOS R7は軽い小さい、ラクスル万歳。若いうちからこんなラクをするとロクなカメラマンになれませんよ。筆者は底辺にいる年寄りカメラマンだから使用しても許されるでしょう。

ただ依然として小商いしかないのでRFレンズの多くは高価すぎて揃えることができません。主に手元にある古いEFレンズ数本をコントロールリングマウントアダプターを介して使っていますが素晴らしく快適です。

EFマウントのデカい望遠ズームを使用すると、さすがにアンバランスですが、古いレンズでも電気で通信し、お互いが分かり合えているから、「大丈夫ですよ、任せておいてください」と言われているようです。年が離れていても、隠し事のない信頼しあっている夫婦みたいで良いではないですか。

画質からみても、誰も古いレンズで撮影しているとは見破れず。DPPにてデジタルレンズオプティマイザをカマしておけば、頼んでもいないのに残存収差など悪しき要素は補正しちゃうし。

いずれにしろ、優等生なシステムですから逆にプライベートじゃ持ち出す機会が少ない。来年は商いを少しでも大きくしてRFレンズをまとめて購入することができるといいなあと。みなさま撮影依頼をよろしくお願いします。

ミラーレス時代になってから、“標準マクロ”レンズって少なくないですかねえ。これ、筆者には謎です。USMにもならなかった古いレンズですけど、写りはギンギンですね。
EOS R7 EF50mm F2.5 コンパクトマクロ(F9・1/800秒)ISO 400
赤城耕一

写真家。東京生まれ。エディトリアル、広告撮影では人物撮影がメイン。プライベートでは東京の路地裏を探検撮影中。カメラ雑誌各誌にて、最新デジタルカメラから戦前のライカまでを論評。ハウツー記事も執筆。著書に「定番カメラの名品レンズ」(小学館)、「レンズ至上主義!」(平凡社)など。最新刊は「フィルムカメラ放蕩記」(ホビージャパン)