私はこれを買いました!

狭い研究所で活躍する最短撮影距離15cmの広角ズーム

LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom(林佑樹)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2019年に購入したカメラ関連製品(新品に限る)をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

手狭な場所・状況で活躍

そう広くない部屋にぎっしりと機器が詰まっている状況の対応として、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomを購入した。検討リストにはSONY SEL1224GとSIGMA 14-24mm F2.8 DG DNのふたつも含まれていたが、最終的に70x90.9mmとコンパクトである点が決め手になった。携行制限と狭い場所での撮影が多く、なるべく小型であると助かるからだ。

その割にはトップの写真がとても複雑な状況だと思った読者もいるはずだが、LeoFoto ポケット三脚 MT-03+LH-25とα7R IVもいい買い物であり、同列といってもよくランク付けに困った次第。この3点セットでOKというシーンも多くあった。

コンパクトな広角ズームである点を重視して購入したのだが、3月初頭の研究所撮影時に、ふと最短撮影距離15cm、最大撮影倍率0.25倍で、実験機器の容器内を窓越しに撮影したら面白いかもと試してみた。その通りだった。以降は狭い場所での撮影に加えて、実験機器の窓から内部撮影が増えている。また窓の直径は10cm以下であることと、試料のある場所まで15〜25cmが多く、LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomが活躍。また少し大きく見せたい場合は、似たサイズと最短撮影距離のCOLOR-SKOPAR 21mm F3.5の出番といった運用に着地した。

逆光に近い位置に複数の照明があると露骨にフレア・ゴーストが生じたり、α7R IVの6,100万画素に負け気味だったりと弱点はあるが、ソフトウェア側でフォローできるレベルなのであまり気にしていない。そういえば、自然風景はまったく撮っていないが、そのへんは伊達淳一先生の記事をご確認ください。

物質・材料研究機構(NIMS)にあるレーザー補助広角3次元アトムプローブ容器内
α7R IV / LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom / 絞り優先AE(1/5秒・F16[のはず]・-0.5EV) / ISO 320

近況報告

コミックマーケット97は3日目南マ-01aツインテで、核融合実験器から加速器、重力波望遠鏡など国内12の研究所の機器を収録したA4横の写真集を領布。LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoomで撮影した小型トカマク装置内部は大変カッコイイです。直近だと、第2回『科学の美』インスタグラム写真コンテストでサイエンス賞を頂いたり、海外の研究機関から写真採用の打診があったり(公開は2020年かも)。

林佑樹

ライター・フォトグラファー。ライター方面はPCやスマホなどの通電モノのほか、ゲームやテクノロジーなど。写真方面は研究所や研究室、機器の撮影が多めなわりに、それなりに人物撮影とドラマのスチルなども。