私はこれを買いました!

距離計に連動するF1.2標準レンズ 開放での画質も○

Voigtländer Nokton 50mm F1.2 Aspherical VM(澤村徹)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2018年に購入したカメラ系の製品(新品に限る)を1つだけ挙げていただきました。(編集部)

距離計に連動するF1.2レンズ

50mm F1.2というスペックは、いやが上にも初代ノクティルックス50mm F1.2を想起させる。もちろんノクトン50mm F1.2はノクティルックスと別モノだ。そんなことはよく理解している。でも、正確に距離計連動して、小型軽量でハンドリングがよく、開放から高画質なレンズを目の前にして、なぜ我慢しなければならないのか!?

そしてもうひとつ、一眼レフカメラ用の開放F1.2の標準レンズは何本も所有しているが(すべてオールドレンズだけど)、距離計連動する標準レンズの開放F1.2は持っていなかった。これはもう、距離計連動対応の50mm F1.2を買えという神の思し召しにちがいない。とレンズ好きにありがちなご都合主義の理由を並べ、躊躇なく手に入れた。

少し真面目なことを書くと、仕事でこのレンズを借り、ベトナム・ホイアンの旧市街を撮影したことがある。日が傾きかけた頃、ノクトン50mm F1.2にレンズ交換し、夕刻から夜にかけて旧市街やナイトマーケットを撮影した。刻々と光量が少なくなる中、開放近辺で撮り歩く。開放描写が優れているおかげで、手応えのあるカットをたくさん撮ることができた。ノクトン50mm F1.2にはずいぶんといい目を見させてもらったのだ。願わくば、入手後も末永くいい目を見させてもらいたい。

作例

ホイアンの路地で撮影した。無数のスクーターが細い道を容赦なく突っ込んでくる中、歩道の端にしゃがんでレンジファインダーでピントを合わせる。やはりレンジファインダー機は撮影そのものが楽しい。

Leica M10 / Nokton 50mm F1.2 Aspherical VM / 1/1,000秒 / F2 / ISO 100 / 絞り優先AE / 50mm

プロフィール & 近況報告

オールドレンズのベースボディとしてNikon Z 6が気になる。GR Lens 21mmF3.5がちゃんと使える。Hologon T* 16mmF8もそこそこ使える。でも、α7 IIIを持ってるし、Leica M10だってある。Nikon Z 6を買う必然性を募集中。

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp