私はこれを買いました!

中判機ながら気軽に持ち出せる親しみやすさ

FUJIFILM GFX 50R(河田一規)

標準レンズのフジノンレンズ GF63mmF2.8 R WRと一緒に購入。レンズキットの設定がない代わりに10万円のキャッシュバックがあるのはGFXバージンとしてはとてもありがたい。

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2018年に購入したカメラ系の製品(新品に限る)を1つだけ挙げていただきました。(編集部)

撮影のリズムがシンクロする

FUJIFILM GFX 50Rを購入した直接のキッカケは、某誌レビュー記事で試用した際の感触がすごく良かったから。その時はGFX 50Rを片手に休日の漁村を撮り歩いていたんだけど、これがとにかく楽しい。自分の撮影リズムとカメラがすごくシンクロしているというか、次から次へとどんどん撮りたくなるこういう感覚になったのは久しぶりだった。しかも漁村にたむろするネコ達も、いかにも「さあさあ撮りなさい」とでも言うようにレンズの前で次々とポーズをとってくれるではないか。こんな具合に被写体を呼んでくれるカメラは貴重だ。

で、11月29日の発売日に即買ってしまった。カメラを予約してまで購入するのはずいぶん久しぶりだが、とにかくスグに欲しかったのだ。

ご存じの通り、世の中はちょっとしたフルサイズ祭り真っ只中。ボクもフルサイズ機は結構使っているけど、だからといってフルサイズ機だけあればいいとは1ミリも思っていないし、逆にフルサイズ機しか選べないような世の中は絶対にイヤだ。全部のメーカーがフルサイズを出す必要はないわけで、こういうフルサイズ以外の選択肢はぜひ応援したいという気持ちも少なからずあったりする。

あと、今まであった中判デジタルカメラはどうしても「お仕事用」という雰囲気が強かったのに対し、GFX 50Rはもっとスナップフレンドリーで、持ち出しやすい大きさと形状なのがとてもいい。さすがにM型ライカ並みとは言わないけど、十分にスナップに持ち出そうと思えるサイズ感で、ビリンガムのハドレーとか、普通のトートバッグに入れて問題なく持ち歩けちゃう。

イマどきのカメラとしてはAFは遅いし、機能的に何も新しいところはないのに、ナゼか惹かれる。でも、カメラと使い手の相性ってそんなもんでしょう。機能ももちろん重要だけど、それよりも「使いたい!」って思えるカメラと出会えることの方がよっぽど大事じゃないかな。

作例

中判としては小さい44x33mmフォーマットとはいえ、画角に対して焦点距離が長いレンズで撮影する効果は確実にある。画質を求めて買ったわけじゃないけど、画質もサイコーだ。

FUJIFILM GFX 50R / GF63mmF2.8 R WR / 1/60秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO3200 / 絞り優先AE
モデル:鈴木万里子

プロフィール & 近況報告

やっぱり自転車は面白い。無理のない範囲で楽しんでますけど、ああ台数増加傾向。2019年は自転車仲間と二眼レフ縛りの写真展をやるかも。

河田一規

(かわだ かずのり)1961年、神奈川県横浜市生まれ。結婚式場のスタッフカメラマン、写真家助手を経て1997年よりフリー。雑誌等での人物撮影の他、写真雑誌にハウツー記事、カメラ・レンズのレビュー記事を執筆中。クラカメからデジタルまでカメラなら何でも好き。ライカは80年代後半から愛用し、現在も銀塩・デジタルを問わず撮影に持ち出している。