イベントレポート

【CP+2019】井賀孝さん「Xで撮る初めての地-フィリピン」

街中で使える小さなボディ 上位機種と差のない絵作りもポイント

井賀孝さん

CP+2019で、富士フイルムは「トークショーステージ」と「テクニカルステージ」の2種類のステージを設けた。今回レポートするのは、3月1日に「トークショーステージ」で行われた井賀孝さんのステージだ。

ブラジリアン柔術の使い手という異色の経歴を持つ井賀さん。「Xで撮る初めての地-フィリピン」と題し、富士フイルムのXシリーズで撮影した111枚におよぶフィリピンの風景を見せてくれた。

街中の撮影ではX-E3が活躍

フィリピンをはじめ、ベトナムやマレーシアなど、東南アジア各国は車もバイクも自転車も所狭しと走りまわり、道路がとにかく混み合う。井賀さんが写す風景も、そういった混み合う街中だった。

「この大きな画面で見ると際立つ思いますが、バス、車、人、自転車など、かなり混み合ってごちゃごちゃしています。フィリピンのバスは『ジプニー』と呼ばれる乗合バスで、いつでもどこでも乗り降り自由です。運賃は20円くらい。ここはフィリピンのマニラという都市で、ジプニーや電車が市民の足です」

街中の撮影で使用したのは、X-E3という小さなカメラ。スナップ撮影では機動力が最重要ポイントで、X-E3はすぐに取り出してすぐに撮影できるという。日本に比べると治安も悪く、大きなカバンは背負えないため、ウエストポーチに入るX-E3は好都合のようだ。

機動力と正確性で機材を使い分け

作品にも井賀さんの色が現れる。この写真は、現地で格闘技のジムを訪れて、トレーニングの様子を撮影したもの。プリントされて富士フイルムブースにも飾られていた。実際の試合の様子も収めたようだ。

格闘技の写真はX-H1で撮影したという。

こうしてテンポよく作品と解説が繰り返され、多くの写真を見ることができた。富士フイルムのXシリーズはどれも絵づくりの面で統一がとれている。そのため、機動力がほしい場面ではX-E3、手ブレ補正がほしければX-H1、画質を優先したければ中判ミラーレスカメラのGFXシリーズ、といった使い分けができそうだ。

中村僚

編集者・ライター。編集プロダクション勤務後、2017年に独立。在職時代にはじめてカメラ書籍を担当し、以来写真にのめり込む。『フォトコンライフ』元編集長、東京カメラ部写真集『人生を変えた1枚。人生を変える1枚。』などを担当。