イベントレポート

【CP+2019】カメラストラップ編:ミラーレスならではの軽快性をひきたてる製品や提案が充実

銀一株式会社ブースより。壁面いっぱいに同社取り扱いのストラップ製品がならぶ。

2月28日から3月3日にかけて開催されたCP+2019。各社で展示されていたストラップ製品の中から、それぞれのメーカーや輸入商社が推しとしている製品や新製品を紹介してもらった。各製品の注目機能や特徴などを写真を交えつつ紹介していきたい。

滑らかな肌触りが魅力の編み込みストラップ

銀一株式会社のブースでは、ピークデザインやオプテックなど、同社取り扱いブランドのストラップが数多く紹介されていた。中でも一押しとしていたのが、ランスカメラストラップス社のストラップだった。

ランスカメラストラップスは、アメリカ・バージニア州で2012年にスタートしたメーカー。展示されていた製品は丸紐型に編み込まれたストラップで、ロープタイプのようなごわつき感がないため、長時間身につけていても、痛くなったり痒くなったりしないという。実際に触ってみたところ、滑らかな手触りでシルクの組紐ストラップのようなしなやかさがあると感じた。

ノンアジャスト ネック ストラップ(レッド)

展示されていた製品には、長さの調節が可能な「アジャスタブル ネック ストラップ」と、調節なしの「ノンアジャスト ネック ストラップ」、そしてリストストラップの「ストリング ループ リスト」、ミラーレスカメラや一眼レフカメラ向けの「DSLR ストラップ」などがあった。

このタイプの製品として珍しい長さの調節が可能な「アジャスタブル ネック ストラップ」は、2つの編み込まれた紐を組み合わせた構造となっており、これを左右に引くことで長さの調節をおこなうという仕組み。調節できる幅は80〜125cmとなっている。当サイトでも「組紐なのに簡単に長さが変えられるストラップ」として紹介していた。

しなやかな素材のため、ラフに結んで長さを調節することもできる。

カメラ側の取り付け部は、縫い込みではなく複数のリングで留められている。縫製がほどけて外れてしまう、といった心配もなくなりそうだ。

このほか、素材に牛革を使用したリストストラップも展示されていた。手首部の調節可能な最大径は17.5cmで、ストラップ部の直径は7mm。カメラ取り付けはリングを使用する。リング部の直径は19mmだ。

ストリング ループ リストを実際につけてみたところ。この製品では、カメラの取り付け部に取り外し可能なコネクター式を採用している。

鮮やかなカラーバリエーションが揃う

ハクバ写真産業株式会社は、小型なミラーレスカメラやコンパクトカメラ向けとするリストストラップや、スマートフォン向けのフィンガーストラップなどを展示していた。

リストストラップは、パラシュートなどに使用されているパラコードを用いた製品。「Straps」ブランドで展開される。

より糸を編んだもので芯材を覆うという二重構造を採用することで実現した高い強度が特徴。

鮮やかな発色も特徴。展開色数は8種類。各色には、アイスバーグやアムステルダムといったイメージの元となった名称が付されている。

写真の製品カラーは「リオ」。カメラ取り付け部は、平紐タイプか、コードのタイプがある。

同じシリーズで、スマートフォン向けのフィンガーストラップシリーズもラインアップしていた。

カメラ取り付け部を2重構造にした速写ストラップ

株式会社ケンコー・トキナーは、速写タイプのストラップやタムラックの製品を出品していた。

速写タイプのストラップは、片方のテープ部に結びついているD環をひっぱることで、素早く長さの調節ができるタイプ。こちらは参考出品とのことだった。

カメラ取り付け部には、脱着可能なロックシステムを採用していた。機構部分は2重構造をとり入れており、確実な結節を実現していた。

取り外しの際は、まず取り付けコネクター部のカバーをスライドして外し、

はめあわされている部分を引き抜くことで、取り外せる。

タムラックのストラップ関連の製品としては、カメラ取り付け部にコネクター式を採用した「QR STRAP」シリーズがあった。中でも特徴的な製品としては、パラコードを使用した編み込みストラップをショルダータイプとリストタイプで展開するという。

ショルダータイプはの長さは90〜132cmで、幅は2.5cm。リストストラップは、長さ37cm、幅は同じく2.5cmだ。

カメラ取り付け部はコードタイプ。コネクター式を採用しているが、他のタムラックのストラップでも同じコネクターを採用しており、異なるストラップとの素早いつけ替えも可能になるようだ。

リストストラップを実際につけてもらったところ。

テープがナイロン製のもののほか、スエード調のマイクロファイバーを使用したものもラインアップしていた。

ジーンズメーカーEDWINとコラボ

株式会社エツミは、ジーンズメーカーEDWINとコラボレーションしたデニム生地のストラップを参考出品していた。

やわらかさも特徴としているストラップで、根革は日本製。長さと幅は調整中とのことだった。

オレンジ糸のステッチや、テープ部と革部分を固定している金具もジーンズにみられるリベットを使用するなど、デニムらしいイメージで固められていた。

裏面

このほか、マーティンのネオプレーンストラップも展示。厚めのテープ部と裏側の滑り止めなど、バッテリーグリップ付きのボディに超望遠レンズを組み合わせた装備のような、重量級の機材にも耐えられる仕様が特徴だ。

旧タイプの“KING”ブランドロゴが復活

株式会社浅沼商会は、2018年12月発売したレザーストラップ「EtsHaim Adria」シリーズを展示。やわらかなイタリアンレザーを使用しており、裏地は人工スエードが用いられている。幅は30mmと20mmがある。

2018年8月に発売されたキングの「KARU-NECK ストラップ」も。ロゴに往時のキングが使用していた意匠を採用しており、これを知る来場者からは懐かしいといった声が多く聞かれたとのことだった。

スタッフのユニフォームにも同じロゴが刺繍されていた。

重厚なレザーづかいが魅力のオーベルヴェルス

株式会社ケンコープロフェショナルイメージングは、ドイツのハンドメイドカメラバッグブランドのオーベルヴェルスよりミラーレス向けのストラップ「モーゼル」とリストバンド「ラーン」を展示していた。どちらも2017年6月に登場した製品で、素材にタンニンなめし牛革を使用している。カメラへの取り付けには2重リングを使用するタイプだ。

世界のライカショップで取り扱われている製品で、国内での販売はケンコープロフェショナルイメージングの取り扱いで2017年よりスタートした。

2.7cmのパッド幅は、数値以上にコンパクトな印象。ライカなどはもちろん、富士フイルムのXシリーズといったクラシックな装いの製品とのデザインマッチングはかなり高いのではないだろうか。

モーゼル

リストストラップタイプのラーンは厚さが2.5mmあり、かなり頑丈な印象。展示製品は未使用品だからだろう、革の硬さを感じたが、使い込む中で柔らかくなっていくと想像される。エージングも楽しめる製品だといえそうだ。

まとめ

2018年はミラーレス戦国時代という呼称が定着するほど、35mm判フルサイズミラーレスカメラの新製品が数多く登場した。この流れを受けてか、ストラップも軽量な機材にあわせたものが多く見られた印象だ。

一方、超望遠レンズ製品も手にとりやすくなってきたこともあってか、重量級の機材に対応した製品も。キングの「KARU-NECK ストラップ」やマーティンのネオプレーンストラップ製品など、バッテリーグリップを取り付けた重量機材の携行に配慮したものも見られた。

軽快なミラーレスというイメージを推し進める、デザイン性に配慮した製品と、頑丈で重い機材の使用を前提とした製品など、2つのラインがより明確になってきている印象だ。

本誌:宮澤孝周