デジカメアイテム丼
速写ストラップのニューカマーを試す
Peak Design Slide
Reported byブリリアント山崎(2015/12/10 08:44)
ストラップ選びは悩ましい
カメラを購入した際、迷うのがストラップ選びだ。付属のストラップもあるが、使い勝手やデザイン性を求めて別売のものに付け替えることで、各々の個性が現れるアクセサリーでもある。今回ご紹介するPeak Design(ピークデザイン、銀一扱い)の「Slide」もその1つだ。
ストラップを使っていると悩みも出てくるもの。重さで痛みが出たりカメラを構える時に引っかかったり、三脚使用時に邪魔になったりと、ないと困るがあったらあったで新しい悩みが出てしまう。
そんな問題を解決するべくPeak Designから発売されたSlideシリーズにSummit EditionとしてにTallac(ネイビー)とLassen(レッド)が加わった。ちなみにTallacはアメリカ合衆国カリフォルニア州とネバダ州の州境、シエラネバダ山中にあるタホ湖とそこに面したタラック山からイメージされた濃い青色、Lassenは同じくカリフォルニア北部の火山の名前で、その溶岩の色のイメージで臙脂(えんじ)色に近い赤となっている。どちらのカラーも深みと光沢感があり、美しい色合いをしている。
また一眼レフ用を想定したSlideシリーズに加え、今回ストラップ幅を32mmと細身にしエントリー一眼レフやミラーレス用途を想定したSlide Liteも新たに発売されたことも付け加えておく。
スリングストラップとしての使い勝手は?
こちらのSlideだが、まず大きな特徴としては長さ調節が手早く行える点が挙げられる。ストラップを短い状態で装着し、カメラを構える際にはそのままではストラップが短すぎて使いづらいためストラップを一時的に伸ばして撮影、撮影が終われば再びストラップを短くして体にフィットさせて持ち歩くということができる。
所謂スリングストラップと呼ばれるタイプである。こういったタイプは多くが紐やストラップ本体を引いたり伸ばしたりすることでストラップ長を調節するのだが、短くした際余った分が垂れ下がってしまうことがままある。
その点Slideは短くした際もストラップが一体となる構造のため、プラプラと邪魔になることがなく見た目もスッキリしている。長さ調節は金属のハンドルを上に引けば短く、下に引けば長くできるため力が入れやすく、特段の慣れを必要としない。
ストラップの着脱が容易な「アンカーリンクシステム」
Slideはアンカーリンクと呼ばれるパーツでストラップとカメラを接続するのだが、アンカーリンクはワンタッチで着脱が可能であるため、三脚などを使用する際ストラップを素早く外すことができる。三脚使用時はストラップが風に揺らされることで三脚本体にぶつかり揺れの原因になったり、雲台の操作性を損ねる場合もあるため三脚を使うことが多い方にもオススメだ。
アンカーリンクはカメラのストラップ取り付け部のほか、付属のアルカスイス互換クイックシュープレートにも付けることができる。カメラ本体のストラップ取り付け部に使用する際の注意点だが、アンカーリンクは先端部が紐状ではあるがしっかりと太さのある紐であるため、一般的なコンパクトデジタルカメラのような小さいストラップホールには付けるのが難しく、その際はアンカーリンクをクイックシュープレートに付けることで使用する。
ちなみにこのクイックシュープレートは、ノブで締め付け幅を調整するタイプであれば殆どのアルカスイス系雲台でそのまま取り付けることができるだけでなく、同社の「キャプチャーカメラクリップ」などとの互換性も確保されているため、そちらを使用することでベルトやショルダーバッグのストラップなどにワンタッチで取り付けることが可能となっている。
アンカーリンク2つをどこに付けるかは自由だが、オススメの付け方はカメラ本体のストラップ取り付け部に1つ、もう1つをクイックシュープレートに付けるパターンだ。
なぜかと言うと、両方のアンカーリンクをカメラ本体に付けてしまうとレンズが横を向いて幅をとってしまうからで、かと言って両方をクイックシューに付けると歩行時などにカメラがクイックシューを中心にプラプラと揺れやすくなってしまう。
カメラ本体に1つ、もう1つをクイックシュープレートに付けることで、携帯した際カメラが自然と下に向きレンズをぶつけにくくなるとともに、クイックシューに2つとも取り付けた時と比べてカメラの揺れが少なく身体とのフィット感も向上するからだ。
ちなみにこのアンカーリンクは見た目以上にしっかりしたもので、耐荷重はなんと90kgもあるとのこと。加えて予備アンカーが2つ付属しており、長期間安心して使用することができる。もちろんストラップ本体も非常にしっかりとした作りで、35mmフルサイズ一眼レフでも十分な安心感があった。
才色兼備のストラップ
以前Slideの写真を初めて見た時ブラックだけでなく他のカラーもあればと思っていたのだが、今回新たに加わったSummit Editionの2色は光沢感と相まって非常に美しい色合いだ。上質は細部に宿ると言うが、ヌメ革や赤いステッチなど手にとって眺めていても飽きない作りとなっている。
もちろん機能的にもさまざまな工夫がなされており、多様な撮影スタイルに対応できる使いこなしがいのあるストラップとなっている。