イベントレポート

ロモグラフィー×富士越カメラ 個性派レンズの撮影会が開催

情緒ある日本橋の街並みをアートレンズで

ここ数年、個性的なマニュアルフォーカスレンズを投入しているロモグラフィー。フィルムカメラで知られる同社ですが、2013年に発表した一眼レフカメラ用レンズ「Lomography×Zenit New Petzval(ペッツバール)Art Lens」を皮切りに、「アートレンズ」シリーズのラインナップを拡充しています。

そんなロモグラフィーの交換レンズ群を試せる撮影会が12月11日にあると聞いて、見学に出かけました。

集合場所は東京・日本橋の富士越カメラ。ライカや中古カメラの販売で知られる同店がなぜ? と思ったら、最近はロモグラフィーのレンズも推しているとのこと。「New Russar(ルサール)+」「New Jupiter(ジュピター)3+」といったロモグラフィー発のライカMマウント製品に引き合いがあるとのことで、なるほどといったところです。

とはいえ、ロモグラフィーの撮影会は初めての試み。当日用意されたレンズはこちらでした。

Daguerreotype Achromat 2.9/64 ART LENS
Petzval 58 Bokeh Control Lens
New Petzval 85 Art Lens
Lomo LC-A Minitar-1
New Russar+
New Jupiter 3+
マウントアダプター多数

ずらり並んだアートレンズシリーズ。

参加者は自前のボディを持ち寄り、ロモグラフィーが用意したレンズを試す趣向です。意外というかさすがというか、ロモグラフィーらしく6名中4名が女性という、女性比率の高いイベントになりました。

撮影会の講師を務めたのは、写真家の斎藤巧一郎さん。富士越カメラでライカをテーマにした撮影会を担当する斎藤さんですが、ロモグラフィーの講師を務めるのは初めてだそう。

斎藤巧一郎さん(左)

とはいえそこはプロ。事前に使い込んだゆえの豊富に用意された作例をもとに、各レンズの特徴を仔細に解説します。いずれも個性的な描写とあって、参加者は「なにこれすごい!」「きれい!」と早くも盛り上がりを見せていました。

その後、好みのレンズをカメラボディに装着した参加者は、富士越カメラからほど近い福徳神社に向かいます。

女子らしいストラップをつけたOLYMPUS PEN FにPetzvalを装着。

真冬の撮影会ということで、真鍮ボディのPetzvalに「冷たい」との感想も聞かれましたが(笑)、徐々に描写の面白さにハマっていく参加者の皆さんです。

都会の真ん中に現れる福徳神社。周辺にはちょっとした緑もあり落ち着きます。

こちらはNew Russar+の装着例。

神社からオフィス街へ。

特徴的なPetzvalのフォーカス操作に戸惑う参加者も。その代わり、フォーカスを自分で合わせる楽しさに気づいたそうです。

付近を一通り撮影したら、いったん富士越カメラに戻り、各自が別のレンズに交換しました。

New Jupiter 3+の装着例。

その後は神社の反対方面を散策しました。斎藤さん曰く、「近代的なビルと古くからの建物が、通りひとつで隔てられている」という日本橋。レトロで趣深い被写体と出会うたびに、参加者のシャッターが鳴り響きます。

レンズの特性に合わせた撮影方法を伝授する斎藤さん。

撮影が終わると富士越カメラに戻り、講評に移ります。1人1点、お気に入りの画像を提出し、斎藤さんのアドバイスを受けました。

派手なフレアに歓声が上がるのは、この撮影会らしいひとコマでしょう。

斎藤さんによると、光を意識するのがロモグラフィーのレンズを楽しむコツだとか。逆光で狙い通りのフレアを出してみたり、青空を大きく入れてトンネル効果を引き立てるなど、工夫次第でどんどん楽しくなるとのことです。

お気に入りの作品が出揃い参加者の盛り上がりが続く中、一風変わったこの撮影会は終会となりました。皆様お疲れさまでした。

本誌:折本幸治