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ローパス効果を選べる一眼レフ「PENTAX K-3」
2,000台限定のシルバーモデルも
Reported by 本誌:武石修(2013/10/8 10:02)
リコーイメージングは、デジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3」を11月上旬に発売する。
製品名 | 同梱レンズ | 発売時期 | 店頭予想価格 |
---|---|---|---|
K-3ボディキット | ― | 11月上旬 | 15万円前後 |
K-3 18-135WRレンズキット | DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL(IF)DC WR | 20万円前後 | |
K-3 Premium Silver Edition | ― | 11月下旬 | 18万円前後 |
「PENTAX K-5 II」および「PENTAX K-5 IIs」の後継モデルで、Kマウントデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルに当たる。前モデルから、撮像素子、画像処理エンジン、AFセンサー、連写などの性能を向上させた。
メインターゲットはハイアマチュアだが、高性能で小形軽量の一眼レフを求めるシニア層やステップアップ層にも向ける。K-5 II/IIsは当面併売する。
「K-3 Premium Silver Edition」は、世界2,000台限定のシルバーカラーモデル。カメラ本体とバッテリーグリップ(同梱)にシルバー塗装を施したモデル。カラー以外の本体の主な仕様はK-3と同じ。Limitedレンズのシルバーモデルと組み合わせた際のマッチングを考慮したという。レザー調のオリジナルストラップとバッテリー2個(標準モデルは1個)も付属する。
撮像素子はソニー製で、APS-Cサイズ相当の有効2,435万画素CMOSセンサー。光学ローパスフィルターレスとなる。
今回新たに、ローパスフィルター無しでもモアレを軽減できる独自機能「ローパスセレクター」を搭載した。同機能はレンズ交換式カメラでは世界初という。
ローパスセレクターは、露光中にイメージセンサーユニットをサブピクセル単位で微小駆動させることで、光学ローパスフィルターと同様のモアレ低減効果が得られるという機能。センサーシフト式手ブレ補正機構「SR」を活用したもので、新規サーボコントローラーの採用とSR機能の磁力アップにより実現した。手ブレ補正の効果は約3.5段分。
ローパスセレクターの動作はOFF/弱/強の3つから選択でき、被写体に応じた最適な設定ができるという。従来の光学式ローパスフィルターは効果が固定されていた。ローパスセレクターの動作時は撮像素子が上下左右に動いて、光学ローパスフィルターと同等の効果を出す。手ブレ補正機構とは併用できる。なお、ローパスセレクターはシャッター速度が1/1,000秒より遅い場合により効果的に利用できる。
画像処理エンジンは前モデルのPRIME IIからPRIME IIIになった。最高感度は引き続きISO51200。従来ISO51200は拡張設定扱いだったが、今回は常用設定になった。
ホワイトバランス設定には「マルチパターンオートホワイトバランス」が加わった。画面全体を分割し、領域ごとの光源に応じたホワイトバランスを設定するもの。異なる光源が混在するシーンでもより見た目の印象に近い色調で撮影できるという。同じ機能は既にリコーブランドのデジタルカメラでは採用済み。ペンタックスブランドのカメラへの搭載は初となる。
新たに8.6万画素RGB測光センサーを搭載し、AE性能を向上させた。被写体やシーン判別を行なうことで、より撮影意図に合った露出制御が可能になるという。従来は77分割センサーだった。シーン判別の情報はAFにも反映し、AF精度向上に寄与するという。また低輝度側の測光範囲は、従来の0EVから-3EVに拡大した。
AFセンサーはSAFOX XからSAFOX 11になり、測距点はが11点(クロス9点)から27点(クロス25点)に増加した。中央とその上下の測距点はF2.8光束対応センサーとなっている。
新たにコンティニュアスAF時の1コマ目について、フォーカス優先、オート、レリーズ優先から選択可能になった。また、被写体への食いつき度合いも2段階から選べる。
ボディデザインは、K-5 II/K-5 IIsを踏襲したものとなっている。外装は上下全面に加えて、新たに背面もマグネシウム外装とした。防塵防滴性能を引き継ぎ、-10度の耐寒性能も有する。
シャッターは20万回のレリーズテストをクリアしたという。最高連写速度は7コマ/秒から8.3コマ/秒にアップした。8.3コマ/秒時の連写可能枚数はRAWで23コマ、JPEGで60コマとなる。
モードダイヤルでは、回転ロックの有りと無しを切り替えられる機構を新たに設けた。ロック有りの場合は、ダイヤル中心のボタンを押しながら回転させる方式になる。また撮影時の設定を記録できる「ユーザーモード」は従来の1つから3つに増えた。
ファインダーは視野率約100%。倍率を0.92倍から0.95倍に引き上げた。またペンタプリズムの第3反射面に新コーティングを施したほか、接眼光学系を一新したことで、明るさも改善した。なお視度調節はスライダー式からダイヤル式になり、覗きながらの調節がしやすくなったとしている。
背面にあるAFボタンが移動し、構えた際に右手親指で操作しやすい場所に配置された。これによりいわゆる「親指AF」がより快適になったとする。
そのほか、「測距点切り替えボタン」、「AFモードボタン」、「測光方式ボタン」、「8方向十字キー」も新搭載。十字キー自体は4つだが、そのうちの2つを同時に押すことで測距点などの斜め移動が可能になった。
液晶モニターは3型約92万ドットから3.2型約104万ドットにスペックアップ。反射を抑えるというエアギャップレス構造を採用する。カバーは強化ガラス製。再生画像の等倍表示にも新たに対応した。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。デュアルスロットを新たに採用し、UHS-Iにも対応する。
本機は無線LAN機能を内蔵していないが、純正オプションとして無線LAN内蔵SDHCメモリーカード「FLUCARD FOR PENTAX 16GB」(O-FC1)を用意する。店頭予想価格は1万5,000円程度の見込みで、近日発売する。
同カードを使用するとスマートフォンでのライブビュー表示、タッチ操作によるAFおよびレリーズ、撮影画像の閲覧が可能になる。Android 4.2以降、iOS 6以降に対応する。
また、引き続きEye-Fiカードも使用可能。
フルHD動画の撮影も可能。記録形式がH.264に変更された。マイク端子に加えて、新たにヘッドホン端子も装備した。4K(3,840×2,160ピクセル)のインターバル動画も撮影可能。
バッテリーは前モデルと同じリチウムイオン充電池「D-LI90P」。
オプションとしてバッテリーグリップ「D-BG5」(2万円前後の見込み)を本体と同時に発売する。リチウムイオン充電池の他、単3型電池×6本での運用が可能。本体同等の防塵防滴構造を採用する。
製品名 | K-3 | K-5 II/IIs | |
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発売年月 | 2013年11月上旬 | 2012年10月 | |
実勢価格 (発売時、ボディのみ) | 15万円前後 | 11万円前後 | |
マウント | KAF2 | ||
撮像素子サイズ | APS-Cサイズ相当(23.5×15.6mm) | APS-Cサイズ相当(23.7×15.7mm) | |
有効画素数 | 2,435万 | 1,628万 | |
ローパスフィルター | ― | ○(K-5 II)、―(K-5 IIs) | |
感度(拡張設定含む) | ISO100~51200 | ||
イメージセンサークリーニング | ○ | ||
画像処理エンジン | PRIME III | PRIME II | |
ファインダー | ペンタプリズム | ||
ファインダー視野率 | 約100% | ||
ファインダー倍率 | 0.95倍 | 0.92倍 | |
アイポイント | 約20.5mm(見口枠より) | 約21.7mm(見口枠より) | |
背面モニター | 3.2型約104万ドット | 3型約92万ドット | |
手ブレ補正 | センサーシフト式 | ||
防塵防滴 | ○ | ||
最高シャッター速度 | 1/8,000秒 | ||
最高連写速度 | 約8.3コマ/秒 | 約7コマ秒 | |
動画 | 1,920×1,080/60i | 1,920×1,080/25fps | |
動画コーデック | H.264(MOV) | Motion JPEG(AVI) | |
記録メディアスロット | SDXC/SDHC/SDメモリーカード | ||
デュアルスロット | ○ | ― | |
バッテリー | D-LI90P | ||
撮影可能枚数 | 約720枚(ストロボ発光無し) | 約980枚(ストロボ発光無し) | |
幅 | 約131.5mm | 約131mm | |
高さ | 約100mm | 約97mm | |
奥行き | 約77.5mm | 約73mm | |
重量(本体のみ) | 約715g | 約680g | |
重量(撮影時) | 約800g | 約760g |